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ツイードとフレスコと、シアサッカーと

タウンユースなライト・ツイード

ツイードといえば真っ先に思い浮かぶこの方、白洲次郎。

戦後GHQの支配下において、当時の吉田茂首相の側近として重役を務めた人物。

その政治的功績もさることながら、私たち洋服屋が注目したいのはその着こなし。

数々の名言、生き様、着こなし、どこを切り取っても男の憧れであり続ける白洲次郎の言葉の中に、ツイードに関するものがあります。

「ツイードなんて、買って直ぐ着るものじゃないよ。3年くらい軒下に干したり雨ざらしにして、くたびれた頃着るんだよ。」

ファッションではなくカルチャーとして、ツイードとは何たるかの本質を突く言葉。

こうした思想は、受け継いでいきたいですよね。

なんでこんのタイミングで、白洲次郎?ツイード?

はい、ちょうどオーダーいただいたからです。

まだ蒸し暑くはなってませんから、ぜひツイードの話も聞いてください。

MOONというイギリスの生地メーカーはツイードやホーム・スパンに強みをもつ生地メーカーです。

あまり知られていない織元ですが、生地のクオリティは確か。

ハリス・ツイードなどに比べるとやや薄手で、バリバリに固い訳でもないので、ここ日本で着るにはちょうどいい。

本格的なゴリゴリのツイードは、東京で着るにはちょっと違和感がありますから・・・。

白洲次郎に「そんな薄いの、ツイードじゃないよ」と怒られるかもしませんが笑、何事も時代に合わせてアップデートしていくことも大切。

余談ですが、今風というか、もはや近未来なツイードもあります↓。

古きも温めながら、クラシックな表情で、しっかりスリーピースでお仕立てさせていただきます。

白洲次郎の教えにならい、今冬には雨でも雪でも、ゴルフでも?、大事にし過ぎず、手荒に着こんでいただくのがベストな育て方でしょうか。

そうすると、頑固なツイードも、いつしか可愛くなっているかも?

最後まで、悪ガキかもしれませんが。

“乾き”のウール

ボットーネの夏スーツ定番生地といえばFOX AIRです。

力強い糸で交差された生地は油分をあまり含まず、ザラザラとドライなタッチであることがひとつ大きな特徴です。

油分を多く含む、つまり艶やかで光沢豊かな生地に比べると、もっと質素な感じ。

もちろん、良い意味で、です。

コットンやリネンなどの「乾いた素材」はこれからの時期に欠かせない紳士服の重要素材ですが、ウールにも同じように乾きがあると季節感があります。

言うまでもなく、通気性は抜群です。

これから9月・10月くらいまで気温が高くなるわけですが、大事なのは薄さだけではありません。

むしろ薄さよりも「通気性」に優れている方が、着用感としてはだいぶ快適になります。

となると、こういう生地の出番です。

生地自体の重みはありますが、そこは仕立てのクオリティでカバーしましょう。

芯を省き、アイロンワークを駆使した軽やかな仕立てにより、驚くほどの着心地をご体感いただけます。

遠目には分からない程度の、うっすらとした「グレンチェック」の柄になっていますね。

バンチブックから何本か糸が飛びぬけておりますが、結構太いのがお分かりいただけますでしょうか?

複数の糸を束ねて一本の糸とみなしているので、こんな極太の糸になる訳です。

この生地で仕立てた雰囲気なら、色味も含め4月~10月くらいまで違和感なくお召いただけると思います。

夏向けとはいっても、このくらい長い期間活躍してくれるならアリでは?

こう考えると、完全な冬物の方が着用期間は短いんですよね、、、。

春から秋まで見越した「夏用スーツ」、意外と重宝しますよ。

コロニアル・シアサッカー

こちらは、ベージュとブラウンのグレンチェック・シアサッカーです。

近年柄物のシアサッカー生地が増えてきておりますが、ベージュとブラウンのバランスが絶妙なんです。

柔らかくも、確かな存在感があり、こうして夕日に照らされると、、、粋な生地ですよね。

シアサッカーは凹凸が重要です。

そこに空間が生まれ、コットン素材の軽さも相まって軽量感あふれるジャケットになるのですから。

今回はジャケットでのオーダーですが、上下セットアップ、もっと攻めるならスリーピースもいいですよ。

それぞれ単品でも力を発揮しますし、スリーピースで着ればあらゆる意味で他を寄せ付けない強さが。

こちらも素材の良さを活かして、軽やかにお仕立てさせていただきます。

もはやジャケットは軽い仕立てがスタンダードになりつつありますから、縫製の質が伴わないとペラペラのジャケットになってしまいます。

仕立ての良さって何?となるのでしょうが、これはサンプルを羽織っていただければ意味が分かります。

「もうこれしか着れない!」というありがたいお言葉も、よくいただくんですよ。

ということで、まるで真逆の生地になってしまいましたが、いくつかご紹介させていただきました。

完成後もまた詳しく解説したいと思います。

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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2022年6月10日
オーダースーツ | オーダースーツの生地

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