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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

スーツのベストがあるメリット!着こなしや種類を解説

オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。

松はじめです。

スーツを買う時、仕立てる時に、ベストはどうしようかな?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ベストを持っているとどんなメリットがあるのでしょう?

また、種類や着こなしのポイントは?

ベストについて解説します。

この記事は動画バージョンもあります

この記事の目次

ベストと聞くと、どんなイメージだろう?

なんとなくしっかりしたイメージ?

ベストの魅力とメリットは?

ベストは威厳が出る

ベストを着ると、それだけで威厳が出る。

テレビドラマでもベストを着ているのは上司役が多くはないだろうか?

監督や役者に付いているスタイリストは、どうしたら上司らしく見えるか?

そう考えてベストを着せたのかもしれない。

つまり、胸元が詰まっているので胸のボリュームを出し、着ているだけでしっかり・かっちりした印象になるのだ。

ベストを着るとタイに立体感が出る

ベストは、Vゾーンが浅くなる。

この隙間にネクタイが入る。

ネクタイはキュッとベストに押さえつけられて固定するので、キュッとネクタイが立つ。

この立体感はベストがないと出ない。

高級ショップのディスプレイのマネキンが、ネクタイが立体的になっていて素敵だな!と思ったことはないだろうか?そういう時にはだいたいマネキンはベストを着ているはず。

ベストがあると脱げるので涼しい

実はこれはとても大きなメリットである。

もともと、ベストはウエストコートといって、上着のようなものだった。

ウエストコートの上には、フロックコートを着て、そのさらに上にはオーバーコートを着ていたわけだ。

つまり、コートを脱ぐようにジャケットを脱いでも、ベストは上着だから大丈夫だということだ。

ジャケットを脱いでシャツ1枚だと、本当はビジネスでもフォーマルでも失礼に当たる。

ベストがあると暖かい

ベストは上着を着ている内側に着るものだ。

だから、この1枚を足すだけで実は冬暖かい。

また、夏であっても出張で飛行機に乗った時に、少し肌寒いな・・という時にもベストがあるだけで冷えにくい。

もともとスーツは、必ずベスト付きで英国で着られていた。

そもそも英国は北に位置していて、夏でもエアコンなしで過ごせる日があるほどだ。

だから、防寒という意味でもベストは活躍していたのだ。

ベストのデザイン

シングルのベスト

シングルのベストは、シンプルに中央でボタンを留めるタイプのベストだ。

シングルのベストにも、5個、6個とボタンの数にもいろいろある。

基本的には一番下のボタンは外す。

ダブルのベスト

ダブルのベストは、前合わせが重なってボタンの数が増えているタイプだ。

さらに重厚感が増し、目を引くデザインだ。

衿付きベスト

シングルの衿付きベスト

ダブルの衿付きベスト

ベストに衿が付いているタイプ。

もともとはベストには衿があった。

なぜかというと、ベスト自体が上着のようなものでもあるからだ。

ベストに衿があると、品格が出るし、クラシックだ。

ベストの種類、どう選ぶ?

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”7Q6A3743_result-860×573.jpg” name=”松はじめ” ]いろいろなベストのデザインがあります。

Vゾーンの開きが浅い方がクラシック、衿付きもクラシックなどいろいろとあります。ですが、現代ではどのタイプがフォーマル、カジュアルというルールはあまり考えなくてもOKです。

2018年現在はダブルのベストはトレンド感があります。丸いショールカラーの衿の付いたタイプはいかがでしょう?トレンド感があるといっても、普遍的なデザインなので今後着られなくなるというわけでもありません。

ですが、まずはシングルのタイプからチャレンジするのが良いかもしれません。[/speech_bubble]

ベストの背中

ベストの背中の部分は、裏地と同じ素材の場合が多い。

これはジャケットとベストが擦れあった時のことを考えてのことだ。

裏地は、昔はシルクを使っていたが、今は価格と耐久性の問題から、キュプラやポリエステルといった素材が多い。

専門的な話をすると、
裏地は、再生繊維というのを多く使っているものが多い。
木のチップを刻んで溶かして、合成繊維と化学繊維を足して2で割ったような感じだ。

しかし、写真のように背中も前側と同じ生地で仕立てるのも贅沢だ。

ベストの着こなし

スリーピースという言葉がある。

これは、ジャケット、ベスト、パンツとともに同じ生地で仕立てたから、スリーピース(3P)という。

ジャケットとパンツだけならツーピース(2P)だ。

もともと英国では、ジャケット、ベスト、パンツは別々の生地で仕立てていた。

今でもその様子が残っているのが、モーニングコートという、内閣の組閣などで見るスタイルである。

これは、黒くて長いコートに、グレーのベスト、グレーストライプのパンツを履くのが一般的だ。

(しかも、もともとはパンツはチェックもあったし、色も今が全てではなかった。)

つまり、ベストの色は変えるのはもともとのスタイルだ。

同じ色のベスト

スリーピーススタイルということで、ジャケットとパンツと同じ生地でベストも仕立てる。

このようにベストを着れば、ベストのコーディネートで悩むことはなくなる。

全体的に統一感が生まれる。

ベストを着る着方としては王道の着こなしだ。

別の色のベスト

ジャケットとパンツを別の色・柄で合わせた、ジャケパンスタイルをしている方もいらっしゃるのではないだろうか?

ここに、さらに別の色・柄のベストを合わせてみても良い。

ベストは、アクセントの色になる。

素材感を変えても面白い。

ただし、コーディネートを考えなければならないので、上級者向けになる。

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”7Q6A3743_result-860×573.jpg” name=”松はじめ” ]結婚式や結婚式の二次会に呼ばれた場合には、ダークスーツの内側に少し色の入ったベストを合わせてみてはいかがでしょう?

ベーシックなのはグレーです。

ただ、グレーのベストはモーニングコートやディレクターズスーツという午前〜日中の式のスタイルに多く見られるので、それらしさもあります。

夜の二次会なら素材感を変えたり、もう少しアクセントのある色でも良いかもしれません。

本場イギリスでも、外側はきっちりと着こなしていて、内側はかなり華やかな色で遊ぶ列席者の姿も見かけますよ。[/speech_bubble]

カジュアルなベストをオフで着る

ベストは何も、ビジネスやフォーマルに限定したファッションアイテムではない。

例えばオフの日。

洒落たベストを、シャツの上に羽織ってみては?

夏は、シアサッカー、コットン、リネンのベスト。

冬は、ツイード、フランネル、カシミアのベスト。

ベストでも季節感が楽しめる。

ベストを着ている時のジャケットのボタンのルール

ベストを着ている時、ジャケットの前ボタンは、留めなくても良いことになっている。

本来、ジャケットは立っている時には前ボタンを留めて、座る時には前ボタンを外さなくてはならない。

これは、座っている時にジャケットの前ボタンを留めていると、後ろに引かれて洋服にとってよくないからだ。

ところが、ベストを着ていると立っている場合であってもジャケットの前ボタンは外しても良い。

もちろん、ベストを着て、かつジャケットの前ボタンを閉めても良い。

理想のベストの丈

ベストの丈は、実はかなり難しい。

本来のベストは、ベルトが見えないくらいの長さがある。

それは今世間で売られていたり、作られるベストよりも長め。

ところが、ベストが長すぎると、胴長に見えてしまう。

ではなぜ本来のベストはベルトが見えないくらいの長いベストだったのか?

それは、パンツのまた上が深かったからだ。

さらに、サスペンダーで吊ると、ベストは短くてもベルトが隠れるのだ。

現代は、パンツのまた上が浅い傾向にある。

だから、どうしてもベストも長くなりがち。

短すぎるのは良くないが、程よく短い方がスマートだ。

ベストの歴史

最後にベストの歴史を辿ってみよう。

1849年のフロックコートスタイル。

紳士は、基本的にフロックコートを着ていた。

ボウタイを巻いて、内側に、衿の付いたベストを着ているのがわかる。

フロックコートから、ラウンジコートという服へと時代とともに変化していく。

もともとはくつろぐ服で、スコットランドの労働着がベースになっている。

ラウンジコートの時代からずっと、ベストは着られていた。

1924年、すっかり今のスーツに見える。

ジャケットの前ボタンは留めているが、内側にベストを着ている。

まとめ

ベストは、あると重宝する。

ベスト1枚でも様になるし、スーツの内側に着れば威厳が出る。

ジャケットを脱いでベストスタイルで過ごしても涼しいし、寒い時の防寒にも役立つ。

ジャケットと別の色・柄・素材のベストを楽しむのも良い。

ちなみに、ベストはオーダーで仕立てる場合、一緒に仕立てる方が価格がお得である場合が多いと思う。

一緒に仕立てた方が、生地が少なくて済むのだ。

また、後で追加で仕立てようとした時に生地がない!ということもある。

そういう意味でも、ベストはいくつか持っておいて損はない。

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2019年2月26日
スーツの着こなし術 | コーディネート

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