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【保存版】結婚式参列の際の服装について

2023年7月3日 TPO | フォーマルシーン

「まだ4ヶ月先だ、余裕だな。」

なんて思っていると、あっという間に当日がやってきます。

みなさん、準備はできていますか?

3・4年前に当たり前に着ていた礼服やフォーマル用スーツ、ちゃんと着れますか?

仕事でスーツを着ない方も増えましたし、在宅ワークの時はリラックスウエアを着てますよね?

そうすると、気付かぬうちにサイズアップしている可能性大ですよ笑

本日は、過去数回に分けて解説してきた『結婚式に参列する際のルール』について改めてまとめてみたいと思います。

あなたはどんな立場か、新郎との関係値は?

「装いに心を込める」ことがフォーマルの大前提、ルールは外さず安心して結婚式に参列できるよう解説していきます。

ボットーネが定めるフォーマルスーツの10箇条

『ボットーネが定めるフォーマルスーツの10箇条』

1.ネイビーかグレーのダークスーツが基本(20代ならやや明るくても可)

2.スーツ柄はなし、無地一択

3.シャツは問答無用で無地の白シャツ

4.タイは無地、やや明るめで艶のあるものを(白・黒はNG)

5.ボウタイ(蝶ネクタイ)もOK

6.控えめなチーフを胸ポケットに

7.靴はブラックカーフのレースアップかモンクストラップ(外羽根・ウイングチップはNG)

8.ソックスは長めでスーツか靴に近い色(ロング・ホーズが最適)

9.スラックスの裾はシングル、絶対!

10.気持ちが何より大事、心を込めて

一目で分かるように、10個のポイントを記載しました。

お手持ちのアイテムに合わせて、是非チェックしてみてください。

ただ、結婚式の服装において、女性もそうですが男性も「厳密にこうだ!」と言い切れるものでもありません。

特に、服は、装ってその人と一体になり服装となる。

そういう意味ではもしかしたらボウタイが良い場合だってあるかもしれませんし、絶対はないのです。

礼装を着こなすのは簡単ではありませんが、多少なりともお役に立てれば嬉しいです。

結婚式 服装 男性

⑩は一番大切なことかもしれません。

やはり相手の方への気持ち、配慮などが滲み出ていることが重要です。

意外と皆さん忘れてしまいがちですので、まずはそこから解説していきたいと思います。

フォーマルスーツは気持ちを表す服

色はこうで、ネクタイは、、、とかその前に「気持ちを表すひとつの手段」であることをお伝えしておきたいと思います。

皆さんは、「フォーマル用のスーツ」を日常できるスーツと分けていますでしょうか?

フォーマル以外のシーンでは一切着ない服、という訳ではなく、何か特別な場面で着用しよう!と思えるスーツがあるかどうかです。

ボットーネではそうしたスーツは分けることをお勧めしています。

何故か?

答えは簡単です、フォーマルシーンは日常ではないから。

結婚式を挙げた経験のある方は分かると思いますが、本当に準備が大変だったと思います。

何度も式場に足を運び、ドレスやタキシードの試着を繰り返し、仕事の後帰宅後も動画編集や招待の準備をしたりと、結婚式は数カ月にわたって全身全霊で準備をしている人たちが開催する一大イベントです。

しかも一生に一度の。

そこにあなたが招待されたとします。

大切な友人です、地元の同級生です、可愛がっている部下です。

そんな立場で招待されて、「いつも仕事で着ているスーツを着てきました。」なんて、私なら絶対にできない。

心がこもっていませんから。

「まあ、これでいいか。シルバーのネクタイすれば結婚式っぽいでしょう。」という気持ちが、相手にも伝わってしまうかもしれません。

それなら、少々のマナー違反があったとしても、精一杯おしゃれをして、「あなたをお祝いするために、心を込めてこの服を選んで今日来ました!」という方がよっぽど素敵じゃありませんか?

フォーマルは日常ではなく、特別な日です。

特別な日に、その気持ちを簡単に表現できることのひとつが『服装』だと思っています。

あなたが職場の上司なら?

マンダリンオリエンタルホテル 東京

気持ちが大事であることを大前提に、30代以上になればさすがにマナー違反はNGです。

ここからは装いのルールについても解説していきます。

以前、こんな質問をいただいたことがありました。

4月に、部下(新婦)の結婚式に出席致します。

挙式が午後2時30分、披露宴が午後3時30分です。

場所は東京都心の結婚式場。

私は上司として出席するのですが、

ブラックスーツ、ダークスーツ、ディレクターズスーツのいずれで出席するのがベストでしょうか。

ブラックスーツは礼服でベストなしでシルバータイ。

ダークスーツは、ミッドナイトブルーのピークドラペルスリーピースでシルバータイ。ベストをシルバーにも変更可能です。

ディレクターズスーツは、上記ダークスーツでベストをシルバー、パンツをコールパンツに変えます。この場合は、タイをシルバーのアスコットタイ(又の字)にしようかとも考えております。

どのような服装がTPOにあっているか、ご教示頂けませんでしょうか。

Q:ブラックスーツ、ダークスーツ、ディレクターズスーツのいずれで出席するのがベストでしょうか?

まずは、ブラックスーツ。

結論から言えば、ブラックスーツではない方が良いでしょう。

絶対ダメ!とまでは言えませんが、でもまあ、やっぱり・・・。

Q:ダークスーツ(ミッドナイトブルーのピークドラペルスリーピース)にシルバータイでは?

お手本のような、バッチリな組み合わせ。

でも、ピークドラペルである必要はあるのかどうか。

ピーク=フォーマル、という訳ではありませんからね。

いまから準備されるのであれば、ノッチどラペルの方を選びたいところ。

Q:ベストをシルバーにも変更可能ですが?

なるほど、ベストだけ少し華やかなものをお持ちで、これを活かせないか?というわけですね。

随分と華やかで結婚式らしさがありますが、同時に主役感が強いということも見逃せません。

グレーならOKかなと思いますが、シルバーは避けた方が無難です。

Q:ディレクターズスーツは?

ディレクターズスーツという、タキシードの昼間版の位置付けの服があります。

ダークスーツよりも、もう一段階フォーマル。

上司としての参列、もしくは挨拶などを任されるようなお立場の方であれば一着あって損はありません。

ただ、こちらは今回の結婚式の時間帯が少し気になるところ。

おそらく夕刻に差し掛かる式典ですから、ここはディレクターズスーツは私は避けようと思います。

二次会にも呼ばれていた場合、それはおそらく18時以降となりますから尚更です。

ディレクターズスーツはあくまで昼間の正装だということも忘れてはいけません。

友人の挙式に呼ばれたら?

では友人の挙式に呼ばれた場合はどうでしょう?

仕事関係と違って、昔からの友人であれば、あまり畏まってしまうと空気感が違うかもしれませんから、教科書に当てはめるだけではいけません。

詳しくはこちらのブログに記載しています。

私(29歳)が友人の挙式に呼ばれたら?

自分が友人の挙式に呼ばれたら、どんな装いをするのか、少し考えてみました。

まずはスーツですが、ここはすみません、オーダーすることを前提に語らせてください。

まず素材は、目付280g前後で、あまり柔らかすぎず、ツイルで上品な光沢がある素材を選びます。

例えばドーメル・アマデウスとか、もう少しコストを抑えるならCANONICOの定番生地も選択肢に。

色味はネイビーで、年齢も年齢なので「ダーク・ネイビー」がベストでしょうか。

あまり青みが強いのは、ちょっと違いますね。

スリー・ピースで仕立てますが、実際はベストは着ないかなあとも思います(個人的な好みの問題です笑)。

上司の結婚式なら、ベストも着るかも。

ノッチドラペル、2ボタン、水牛ボタンとベーシックなデザインにして、ポケットはフラップ無しに。

あくまでデザインは控えめに、これはマナーですから。

ワンプリーツで、裾は絶対にシングルです、確定です、シングル。

シャツは白シャツで、セミワイドカラー。

カフリンクスでワンポイント入れたいので、ダブル・カフスの仕様に。

シングル・カフスなら、きれいな貝ボタンを付けると思います。

ネクタイは、手持ちのルイジ・ボレッリのシルバータイを気に入っているので、きっとこれになります。

シューズは、ストレート・チップと言いたいところなのですが、、、持っていませんので笑、おそらくシングル・モンクを選びます。

(洋服屋あるあるだと思うのですが、ブラックのストレートチップは本当に履く機会が少なく、どうしても優先度が高くありません。)

手持ちのシューズの中でフォーマルにも対応できるのがモンクストラップなので、友人の挙式なら自信をもってそれでいきます!

上司の結婚式なら、この機会に・・・と、ストレートチップを購入するタイミングになるかもしれません。

ソックスは迷うことなくネイビーの無地、ロングホーズです。

すね毛NGですよ、マナー的にも、女性人気的にも。

ネクタイが一番迷う!

スーツはこれだ!と決まっていても、ネクタイは手持ちの数でいってもスーツよりも多いでしょうし、NGはあるけど、一方でOKの範囲も広いので迷う人も多いと思います。

以前、こんな質問をいただいたことがありました。

友人の結婚式にミッドナイトブルーのスリーピーススーツに、
ネイビー地に白ドットのネクタイを着けていくと失礼にあたるでしょうか?

これだと派手すぎるかな?

ちょっとビジネスっぽいかな?

このネクタイでいいのかな?

いろんな考えが頭をよぎると思います。

Q:ネイビーに白いドットのネクタイはどうか?

結婚式でネイビードットのネクタイはどうか?」ということですが、あくまで私の個人的な解釈でお応え致します。

結論、ケースバイケースです。

主役である新郎との間柄や、自身のお立ち場などによっても装いは変わってくるので、すべての人に当てはまるような回答はできません。

ですので、3つのケースを想定して、それぞれ私ならどうするか?という基準で考えてみたいと思います。

●仲の良い友人や同僚の場合

親しい間柄の人の結婚式であれば、ネイビードットのネクタイでも全く問題ないでしょう。

●会社の上司や目上の人の場合

自分よりも立場が上の方の結婚式であれば、私だったら柄物のネクタイは避けると思います。

私自身はあまりそういう機会が少ないのですが、シルバーや爽やかな色味のソリッドタイ(無地)で、できるだけシンプルな装いを心がけたいです。

柄物だとしても、シルバーのドットなどフォーマル感の強いものをチョイスします。

●親族の場合

親族の場合だと難しいですね、、、。

ネイビードットがNGだとは思いませんが、他に選択肢があるならば無難な方を選ぶと思います。

親族ですし、不安要素は一切ない状態で臨みたいです。

ネイビードットが失礼に当たらないか?というと、基本的にはマナー違反ではないでしょう。

ただ、ドットが小さくて感覚が広いものだと非常にエレガントですので、そういったネクタイを選ぶことをおすすめします。

ドットが大きめだと、それだけで可愛らしくカジュアルな雰囲気になってしまいますので注意が必要です。

まとめ

重要なポイントに絞り「結婚式参列の際の服装」について解説しました。

何度も言いますが、「厳密にこうだ!」と言い切れるものではなく、服は、装ってその人と一体になり服装となる。

心込めて装うということを前提に、ご覧いただければ幸いです。

結婚式の服装(男性編)友人の挙式に呼ばれた時の服装は?男性はスーツに何をコーディネートするのがルール?

2018年7月3日 TPO | フォーマルシーン

結婚式の男性の服装はスーツ

まず、結婚式に呼ばれて参加する場合、一部の例外を除いて上下が揃っている服が良い。

上下が揃っている服というのは、主にスーツとなる。
そもそもスーツというのは、スートの複数形なのだ。
上下一揃いというということで、現代の日本ならスーツスタイルが良いだろう。

関連記事:

結婚式にジャケット(ジャケパン)は?

それでは、スーツと違って上下が揃っていない服はどうだろう?

最初にイメージできるのがジャケットスタイル(ジャケパンスタイル)だと思う。

これは、ジャケットとパンツが別々の生地や素材、色や柄で、それらを組み合わせて着るスタイルだ。
現代だとこれはスーツよりもカジュアルな印象に映る。
そこで、式典にはふさわしくないと考えるのが無難だ。

もともとは上下揃っていない方が格が上

内閣の組閣などで着られる、モーニングコートというのがある。

これは、長いブラックジャケット(コート)に、グレーのベスト、ストライプのパンツを合わせている。

先ほどのジャケパンも上下別々の生地・色柄だが、このモーニングコートのスタイルも上下別々の色柄だ。

モーニングコートを着るというのは、午前中のスーツよりもフォーマルな服装と言われている。

それなのになぜ上下別々なのだろう?

実は、スーツのように上下揃っているスタイルになる以前は、上下別々の生地で仕立てて着ていた。
上下別の服を着るということは、別々の生地を取り寄せて仕立てなければならない。
コーディネートも考えなければならないし、お金も余計にかかる。

だから、とても贅沢なスタイルだった。
ところが、どんどん簡略化されて上下一緒の生地で良いじゃないか。となってスーツのように上下揃いになったのだ。

結婚式の服装 シャツ

結婚式のワイシャツの色は白が基本

シャツは、ビジネスだとブルーなどの色を用いることもある。
むしろ英国では普段のビジネスのシャツで白いシャツは着ないという方も少なくない。

逆にいえば、結婚式でこそ白いシャツを着ることに意味がある。

余談だが、ワイシャツは和製英語だったことはご存知だっただろうか?
その昔、外国人に質問した。
「それは一体なんですか?」

日本人はシャツを見て、名前を訪ねた。

外国人は答えた。
「これか?Whiteshirtだよ!」

ホワイッ シャツ!

「あぁ、ワイシャツ、ワイシャツというんですか!」

ワイシャツは、ホワイトシャツと聞いて勘違いしたところから生まれた言葉なのだった。

私なら、とびきり質の良い白シャツをおすすめする。
シンプルな白シャツこそその人が出る。内側こそ、上質に。
フィットした、オーダーシャツが理想的だ。

結婚式のシャツの衿は?

シャツの衿は、もともとはウイングカラーという立ち襟だった。
といってもこれは燕尾服を着て食事をしていた時代のシャツではある。
衿や袖はプラスチックのように硬く、糊がきいていた。
だから、衿は立つのだ。

そして極力肌を見せないようにしていた時代だ。

時代は変わって衿も袖も柔らかくなった。

今のようなワイドカラーなど、立っていた衿は折れ曲がった。
それでも良い、という時代になったわけだ。
つまり、本格的な礼装というとウイングカラーなのだが、スーツはそれに比べると緩いスタイル。
だから衿は通常カラーで、トレンドに左右されない普遍的なカラーを選びたい。

私なら、合わせるスーツにもよるがやや丸みのある立体的な、開きすぎず閉じすぎない衿を選ぶ。

袖は、もともとシングルカフスだった。
それもバリバリに糊がきいていて硬かったからだ。
現代では柔らかい袖のシャツが多いので、ダブルカフスも良いだろう。

結婚式の服装 ネクタイ

結婚式のネクタイはどうすべき?

結婚式に参加する場合に、タイは必ず締めておきたい。

クールビズ期間中でもさすがにノータイはNGだ。

ネクタイでも良いし、ボウタイ(蝶ネクタイ)などもオシャレだろう。

どういうネクタイにするか?ということを考えるときに、逆にどういうネクタイはダメなのか?ふさわしくないのか?を考えてみよう。

まずストライプ

ストライプとか、レジメンタルというナナメに模様の入ったネクタイだ。
これは、本来は属しているチームや学校を表す、制服のようなもの。
だから結婚式のような式典にはふさわしくない。

色は、黒は喪服を連想するので避けるのは想像できるが、白もNGだとご存知だっただろうか?

国際的に見て白いネクタイを結婚式に巻く、というのは日本くらいだ。
ヨーロッパでは、ネイビーやシルバーを巻く文化はある。
また、家族のカラーで統一するというようなこともある。

黒いスーツに白いネクタイ、これさえあれば!とアパレル業界が販売してしまったのが原因ではないかと思うのだが、白いネクタイは本当はおかしい、と認識しておこう。

結婚式の服装 靴

結婚式で履く靴の色は?

結婚式の男性の服装の中でも特に靴は、とても重要だ。

足元を見る、という言葉を聞いたことはないだろうか?

海外のホテルでも、靴を見てサービスを変えるという話を聞く。
これは、良い靴を履いている人の方が身分が高い、だからチップも弾んで貰える!と肌でわかっているからだ。

さて、そんな靴。
絶対に黒い靴を履くべきであろう。

フォーマルの靴で黒い靴以外の選択肢はあり得ない。

それどころか、こんな驚きのエピソードがある。

イギリスで、茶靴で面接に行った人がいる。
企業は、靴の色が茶色だったことを理由に彼を落としてしまった。
実際に、イギリスでビジネス靴として茶色は考えづらい。
階級社会の文化が色濃く残るイギリスだからというのもあるが、茶靴=カントリーで、ビジネスは黒靴が基本中の基本なのだ。

とはいえ私も、ここは日本なのでビジネスシーンなら茶靴を合わせる。茶色のバッグも好きだし、何より茶はネイビーとの相性も抜群だ。だが結婚式なら黒靴だ。

結婚式で履く靴の種類

結婚式で男性が履く靴として、黒は絶対だ。
そして、何としても紐靴にしたい。

紐がないローファーというタイプがある。
ローファーとは怠け者という意味があるのをご存知だろうか?

もともと室内履きだった内羽根式の靴を選んでおけば間違いない。

現代では余談になってしまうのだが、レストランに行くときはブーツを避けよう。というフレーズをテーブルマナーなどの講義で聞くことがある。
しかし、もともとは正装といえばブーツだったのだ。

私なら、迷わず履きなれた質の良いカーフの、黒のストレートチップの靴を選ぶ。

そして、内羽式と呼ばれるタイプの靴が良い、確認しておこう。

写真が内羽根式。

こちらが外羽根式。

ブーツなどに多く見られるデザインで、羽根と呼ばれる部分が内側に入っているか、外に飛び出ているか。

外に飛び出ている外羽根の靴は現代ではカジュアル靴のため、結婚式の服装としては合わせるべき靴ではない。

先端に模様が入った靴。

メダリオンと呼び、このタイプはセミブローグというタイプだ。

さらに模様の入った、フルブローグ、先端のチップの一部だけ模様の入ったキャップブローグなどもあるが、これらも避けた方が良い。

結婚式で履く靴下の色は?

靴下には、2種類の履き方がある。

1つは、靴かパンツの色に合わせる方法だ。
ネイビーのパンツ(スーツ)だから、靴下をネイビーに合わせる。
黒の靴だから、靴下を黒に合わせる。

今回のテーマである、結婚式の男性の服装として、靴下は黒い靴に黒い靴下がベストだろう。

もう1つの方法は、白だ。

これはかつて流行ったアイビースタイルという、アメリカの日本でいう6大学のファッションを考えれば理解できる。黒いペニーローファーに白いソックスは、今でも老若男女問わず王道のスタイルである。

これを結婚式のスーツに取り入れようとすると、オシャレ上級者でない限りは浮いてしまうだろう。
私なら、ダークブルーのスーツに合わせたロングホーズという長い靴下を合わせる。

反対に、足を組んだ時に素肌(スネ)が見えてしまうような短いソックスや、くるぶしソックスはNGである。

これはもともと正装だけでなく、貴族は肌を見せないことを徹底していた。貴族が普段着ていた服が現代のフォーマルの服なので、スネが見えてしまうのはエレガントではないのだ。

↓ 結婚式には、こういった長い靴下(ロングホーズ)がおすすめ。

結婚式に最適なロングホーズ

結婚式の服装 コート

結婚式のスーツに合わせるコートは?

寒い季節にも結婚式のお呼ばれの可能性はある。

フォーマル度の高いスーツスタイルに、どんなコートを合わせよう?

私の提案としては、ぜひチェスターフィールドコートを合わせて欲しいと思う。

チェスターフィールドコートとは、シングルかダブルのシンプルなコートだ。
チェスターフィールド伯爵が、本格的な防寒ではなくてオシャレに羽織るコートとして着ていたものが流行った。
今でもビジネス、フォーマルともにチェスターフィールドコートはもっていて損のないコートNO.1だ。

理想はシングルのチェスターフィールドコートなら上衿にベルベットがついたタイプだ。

結婚式の服装にふさわしくないコート

逆に、結婚式の服装として合わせない方が良いコートは、以下のどれだろう?

・ピーコート

・トレンチコート

・ポロコート

答えは・・・

この3つのコートはどれも結婚式の服装としては最適ではない。

ピーコートは、もともと北海の漁師が着ていた作業コート。

その後海軍の、船の見張り用のコートになった。

トレンチコートは、戦争の際に深く掘った、敵の鉄砲を避ける穴(トレンチ)で戦いやすい用に開発された軍事用コートだ。

ポロコートはポロ観戦時のコート、こういう出処から考えると、どちらかというとフォーマルではなくカジュアルな装いに合わせた方が良いコートなのだ。

関連記事

結婚式の服装 その他のアイテム

結婚式のスーツにポケットチーフはいるのか?

ポケットチーフは必要か?と言われたら、ぜひポケットチーフを挿していただきたい!と答える。

フォーマルなシーンの服装にポケットチーフは必須だ。
シルクやホワイトリネンのポケットチーフをさり気なく挿そう。

胸元にポケットチーフがあるだけで、胸の位置が高く見える。
それにポケットチーフがあるだけで気品高く見える。

結婚式の時に挿すものというわけではないので、本当は普段のビジネススーツでもポケットチーフは使っておきたいところだが、どこか気恥ずかしいという方も多いだろう。
だからこそポケットチーフを挿すだけで普段とは違った雰囲気に見えるものだ。

普段とは違って、きちんとした服装、改まった気持ちでお祝いに参りました!という気持ちをこんなところで表現することこそが、式典において大切なことなのだ。

結婚式のポケットチーフの色は?

結婚式に限らないが、フォーマルという観点で考えると、ポケットチーフは白が望ましい。
ポケットチーフの色の合わせ方として、どんなタイであっても白を挿せばフォーマル度が高く見える。

もう一つ、ネクタイやボウタイで使っている色と同じような色のポケットチーフを挿す、という手もある。
これは統一感も出る。

私なら、ネイビーのタイに、誰にもわからないレベルで敢えて少しだけトーンの違うネイビーのポケットチーフを合わせる。シルクの上質なポケットチーフを、スリーピークスという入れ方で。

結婚式にカフリンクスは必要?

結婚式のシャツを着て、袖にカフリンクスは必要なのだろうか?

私は、ぜひカフリンクスをつけて欲しい、と提案したい。

なぜだろう?

もともと礼装において、シャツのボタンは見せたくないものだった。
現代だとクールビズもあるから抵抗がないかもしれないが、今も昔もシャツは下着なのだ。

つまり、シャツのボタンは下着ボタン。
下着のボタンを見せて昼夜堂々と歩くなんて恥ずかしいことではないか?

そんな理由からシャツのボタンは全て隠された。

タキシードを着るときに、シャツの胸のボタンすら黒いボタンになっているのを見たことがあるだろう?

これは、シャツの胸のボタンも下着ボタン、だから見せたくない。という紳士の考えなのだ。

ボタンではなく、宝石を用いた代用ボタンで着飾った。
胸のボタンも、袖のボタンも。

宝石とまではいかなくとも、私なら袖口はせめてカフリンクスをおすすめしたい。
ちらりとカフリンクスが袖口から覗くのもオシャレではないか。

結婚式の服装 小物で気をつけたいこと

結婚式に身につけていく小物で、男性も女性もなのだが気をつけたいたった1つのポイントがある。

それは、結婚式の時間だ。

もともと現代のフォーマルの服装というのは、中世ヨーロッパの貴族がしていた服装からきている。
その貴族たちは、朝、昼、夜と何度も着替えた。

それは朝食用の服もあれば、その後スポーツをするための乗馬服もあり、夜は社交ダンスをするために燕尾服に着替えた。余談だがダンスの時に踊っている女性のドレスの裾を汚さないために、と夜の正装の靴はエナメルのパンプスを履くのだ。なんてジェントルマンなのだろうか。

さて、結婚式の小物で気をつけたいこと、に話を戻すと、中世貴族じゃあないんだから・・・という声はもっともだと思う。

だが、彼・彼女らはある配慮をしていた。

それは、太陽の光で映えるアクセサリーか、夜間照明に映えるアクセサリーか?ということだ。

実は今でもフォーマルの服装ルールにこの要素が取り入れられている。

例えば午前や日中に着る正装、モーニングコートの場合のカフリンクスは、白蝶貝のものとされている。
これは、日中の太陽光に映えるアクセサリーということだ。
日中はパールとか、こういった白蝶貝などが美しいのだ。

反対に、夜。
夜間照明に映えるアクセサリーということで、ルビーやサファイヤなどが用いられた。
エナメルの靴もピカピカとしているが、夜間照明で輝くと美しいのだ。

結婚式の服装で大事なこと お祝いの気持ち

さて、ここまで結婚式の服装についてルールや歴史的背景に基づいて私の考えを書いてきた。
現代はスーツに対してのルールは、正直いってハチャメチャだ。
だから、いざ結婚式のスーツはどうしよう?と書籍や雑誌、ネットのまとめを見てもみんな様々なことをいっていて、どれが正解かわからないと思わないだろうか?

迷ったときは歴史に答えがある。
フォーマルとは一体なんだろう?と考える。
すると、それは18世紀などのヨーロッパ貴族の日常着なのだ。

それを現代では特別着で着ている、というだけの話だ。
だから、どういう意味でヨーロッパ貴族はその服を着ていたのだろう?ということをたどると、意外と早く答えが出るのだ。

そして、その昔の貴族が特別なシーンで大切にしていたこと、そこに一番の答えがある。

結婚式の服装 まとめ

今日は、いつもとは違った服装をしているんです!ということ

燕尾服という服がある。
これは、現代ではほとんど着ない礼装だと思う。

昔は燕尾服を着て夕食を食べた。

たとえ、お客様が一人でも、燕尾服を着て食べることが礼儀だった。

その燕尾服のときのタイは、白いボウタイ(ホワイトタイ)を身につける。
現代とは違って、この白いタイはリネン素材だった。
白いタイには糊付けをしてあって、それを結ぶ。

ところが、リネンに糊がつけられているので、一回結んで失敗した!となっても、ほどくと後が残ってしまうのだ。
だから、一発勝負、真剣勝負。

そのくらいに、今日のあなたとのこの場を、きちんとした気持ちで望んでいるのです!

一期一会ではありませんか!

そういうことを、服装を通して表現しているのが究極のフォーマルの服装なのだ。
つまり、結婚式に呼んでいただきありがとう。
お二人、ご家族に、心からおめでとうを伝えよう!それは言葉だけじゃなく、服でも伝えよう!
これが結婚式の服装でもっとも大事なことだと私は思う。

いつものビジネススーツやネクタイじゃなく、この日のための特別な装いで着たよ!
究極は、自分のためにかっこいいスーツで来たよ!どう?ではなくて、あなたのために、場を盛り上げるために良い服で来たよ、ということではないだろうか?

ということで、結婚式に呼ばれたら服装についてあれこれ考えてみる時間を作ってみるのは素晴らしいことだ。

さて、明日は何着よう?

銀座シックスとアフターシックスと

2017年12月9日 TPO | フォーマルシーン

銀座シックス
オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。

最近銀座に足を運ぶ機会が多いのだが、銀座といえば銀座シックスにはもう行っただろうか?
2017年の4月に開業した、銀座の商業施設である。
241のブランドが集結し、うち122店は凱旋店という。
つまりはここを歩くだけでトレンドを掴めるといっても過言ではない。

ところで、シックスといえばアフターシックスはご存知だろうか?

例えばパーティーが行われるとする。
何を着ていこうか?
せっかくならば気持ちが高ぶる服を着たい、それはとても大事なことだ。かといってただ単に着たい服を着よう!と着てしまって良いのだろうか?

フォーマルをはじめとする服装には、大きなルールがある。
その大きなルールのひとつの軸が、時間軸だ。

貴族 ステッキ

もともと貴族は、朝起きてから夜寝るまでに何度でも着替える。
お昼に乗馬する服と、夜踊る服は違うし、タバコを楽しむのにも着替えるというわけだ。
だが、これにはとても重要な意味がある、ただ単に楽しみとして着替えていたわけではないのだ。

お昼の、自然光に映える服装なのか?
夜の、照明に映える服装なのか?

そういうことを考えての服装だったのだ。
例えば白蝶貝のカフリンクスを日中の服装には用いるのだが、これは自然光に映える目的からそうなっているという。

タキシードのスタッドボタン

また夜はルビーやサファイヤなど、男性でも様々な宝飾品を身につけたわけだが、これは夜間照明に映えるというもの。

現代で考えてみても、そういう時間によって何かを変えるというのはとても素敵なことではないだろうか?

例えば夜のパーティに、車を降りてホテルに入るそのわずかな瞬間にだけ羽織るカシミアのコートがあったって良いだろう。そのコートを預け、エレガントにオペラパンプスで歩く。昼間履いていたスムースレザーのストレートチップの靴ではなく、敢えて夜の装いにするのだ。

オペラパンプス

エスコートする男性は、ドレスの裾を汚さないように、とパテントレザーの靴を履き、社交を嗜む。
そんな何気ない気遣いを女性は見逃さないだろう。

ということで、今度はランチを愉しむのとディナーとで、服装も少し変えてみようか。

さて、明日は何着よう?

あわせて読みたい

3分でわかる!《男性編》恥を欠かないパーティースーツ、小物、服装で押さえておきたいポイント

2017年8月18日 TPO | フォーマルシーン

オーダースーツ
友人から、質問があった。
カジュアル・ファッションは好きだけれど、フォーマルの場の服はわからない、教えてほしい、と。
似たようなシュチュエーションがあったら応用できるのではないだろうか?と思い、友人に伝えた服装のアドヴァイスを書いておこうと思う。
 
 
音楽家が演奏する、それなりの層の方が集まる場

パーティー スーツ

 
どうやら、生演奏がある、それなりの層の方が集まる場ということだ。
友人は私と同じ39歳、昔は会社を経営していたこともあるけれど、いろいろ苦労して休眠会社、今はなんだかんだ投資家である。
 
あまり時間がなくヒアリングはしていないけれど、なんとなくどのような方が来るのか想像をつける。
京都のリッツカールトンホテルに遠征するのだそうだ。
 
 
開催時刻は18時

スーツ時計

 
日中からスタートするのか、夜のスタートなのか。
このことは大きい。
特にフォーマルでは、ビフォア6・アフター6といって、18時を起点として服装を変える。
 
まずはスーツ

オーダースーツ 生地

 
友人はタキシードは持っていないし、ベストも持っていない。
使用できそうな服は、ブラックスーツと、うっすらストライプの入ったネイビースーツ。
このパーティはどうも突如呼ばれたのか、これから追加で購入する時間は期待できない見込みだったので、話し合って現状のアイテムを生かすことにした。
 
ブラックスーツに白いネクタイ、
これはザ・ジャパニーズ結婚式スタイルなので、避けた方が良い。
海外の結婚式でも黒いスーツを着ないわけではないが、圧倒的にダークネイビー、ミットナイトブルー、ブルーなどの色が多い。
グレーも濃いめのチャコールグレーを着る。
 
そこで、本当は無地がマストだけど、ネイビーのうっすらストライプスーツに決定。
ネイビーには忠誠とか誠実という意味もあるし、着るだけでそれなりに見えるから魔法のスーツといえる。

オーダースーツ
明るいグレーなどは盛夏のビジネスには良いし、アグレッシブでフレッシュな印象を残したいのなら良いかもしれない。でも夜会だしもう少しシックな方が。

リネンのスリーピース スーツ
8月のパーティーだったので、リネンのスリーピースなんてのも素敵なのだけれど。

ネイビー スーツ コーディネート
ミットナイトブルーのスーツなら、ほとんど黒に見えるのに、さり気なく他者との差別化がはかれる優れもの。

ネイビースーツ コーディネート
スリーピースでないにしても、ジャストフィットのネイビースーツがあると良い。

 
・・なんでもかんでも黒無地スーツは避ける
 

結婚式の新郎衣装に合わせる靴

 
 
ここが大切だ、足元を見るという表現があるけれど、西洋ではまず靴を見られる。
サンダルで一流レストランに入れないのは日本も一緒だけれど、銀座のクラブでもまず靴を見られる。
 
 
大事なのは、いかに高級か?ではなくて、
場に合っているか?
それから、しっかりメンテナンスしてあるか?だと思う。
 
高い靴を、今買ってきました!というのは恥ずかしい。
身の丈に合っていて、お手入れされていて、気をてらわない上品な靴。
 
友人は黒の靴があるという。
ストレートチップか、プレーントゥか、どうやらどちらかのもののようだ。
外羽根式はカジュアルにあたるので、内羽根式かどうか?だけは確認しておいて欲しいと伝える。

ストレートチップの靴
先端はストレートチップが良い。

内羽根式の靴
内羽根式といって、このようなタイプがフォーマル。

チャッカブーツ外羽根はブーツに多い。
ブーツを正装として用いていた時代もあったけれど、現代なら避けた方が良いだろう。
茶靴よほどこなれていない限り、やはり茶靴ではない方が。

スリッポン タッセルローファー
スリッポンタイプも避け、紐靴で。

 
 
・・黒の靴は、内羽根式で、ストレートチップかプレーントゥ
 
 
シャツ

オーダーシャツ

 
白いシャツは何枚かある、ということだったので、白シャツは確定。
無地で、できるだけ上質なものを。
あまり見えないでしょう?と思って手を抜きそうだけれど、こういうところは見られる。
 
でもボタンダウンシャツや、トレボットーニなどのデザイン性の高いシャツは避けて欲しいと伝えた。

ボタンダウンシャツ
ボタンダウンシャツは主にカジュアルとして。

オーダーシャツ
奇抜ではない衿型が良い。

オーダーシャツ
前立ては、裏前立ての方がドレッシー。こちらが表前立て。

シャツ ボタンサンプル
貝ボタンだったら良い、上質なシャツ。割れやすいけれど。

 
・・シンプルで上質な白シャツは持っていて損がない
 
 
タイ

タイ

 
タイは絶対にすべき。
ボウタイはどうなの?と聞かれたのだけれど、ボウタイをつけたことはないという友人。
いきなり身につけたことがないアイテムを装うと自分のものになっていないし、浮いてしまう。
 
それから、ボウタイは本当は手結びタイプがベストだ。
形ができていて、カチッと留めるタイプよりも美しい。
 
そういうところも、友人の言う《それなりの層》であれば気づくだろう。
 
ネクタイはネイビーはないという。
シルバーはストライプが入っているものと、小模様が入っているもの。
 
シルバーにストライプはモーニングタイといって、午前・日中用のタイかもしれないから避けておく。
そもそも公式な場ではストライプは避けた方が無難だ、これは制服のような意味もあるから。
ということで、シルバー小模様になった。
 
でも立ち寄れれば、京都駅付近でネクタイだけは買って欲しい、と伝えた。

シルバーベスト 結婚式の服装
こういうストライプのシルバーや黒のタイは、モーニングタイ。
午前や日中用のタイになる。

ストライプのネクタイ 結婚式
ストライプのタイはレジメンタルタイというけれど、軍隊で統一したタイに用いられたり、制服としても採用されている。どちらかといえばフォーマルには用いない方が・・・。

アスコットタイ
アスコットタイでも良いけれど、日中のアイテムだから、今回は別の方が良いかな。

小模様 オーダースーツ コーディネート
小模様のタイはOK。友人もこのタイプは持っていた。

手結びボウタイ
ボウタイでも良い。
手結びのボウタイならばさらに良い。

 
・・公式な場ではストライプのネクタイは避ける
 
 
表参道 ボットーネ

その他、時計は、バッグは、ソックスは?

まだまだ話したいこともあったのだが、ついに電車の発車時刻になったので終了となった。
《仕方ない、まぁ、恥欠いてくるよ。》
そう友人は言った。
 
《まったく、こういう時に服がないと困る・・・作っておけばよかった。》
 
だから言ったのに!
でもビジネスに没頭していたのだろう、服にまで気が回らなかったのはよくあること。
 
結婚式 服装 小物 男性
でも、このパーティかレセプションか、詳細はわからないけれど、自分よりも格の高いであろう人が集まる場に突然呼ばれた友人。
最初は断ったそうだ。
どうしてかというと、着ていく服がないから。
 
逆に考えると、服さえあればこういう場に誘われたとき、行こう!と思えるのではないだろうか?
良い服があれば、チャンスが増える。
友人にネイビーのとっておきのスリーピーススーツを誂える日が楽しみだ。

なぜフォーマルの服装は時間によって変わるのか?一度知れば怖くないアフターシックス

2017年7月10日 TPO | フォーマルシーン

結婚式の服装 男性

タキシードまでいかなくとも、普段スーツを着ないライフスタイルの方であっても、友人、上司、部下の結婚式、さあて何を着ようか、確かブラックスーツがクローゼットにあったはずだから大丈夫!と思っていないだろうか?

このままでは娘の結婚式、お父さんは貸衣装室に行ってモーニングの試着をして!と言われるがまま何の疑いも持たずモーニングコートを着てしまうだろう。

何事もルールがあるから面白い、フォーマルだってそうなのだ。
フォーマルというとなんだか堅苦しいイメージはないだろうか?
あまり着る機会はないけれど、どうやらタキシードを着る場に行くためには決まりがあるらしい、なんだか難しそうだ、という印象はないだろうか?

出石尚三 講義 松はじめ

カジノで一発当てるわけではないから、まずはルールさえわかれば大丈夫。
そして、9回裏2アウト満塁、一発逆転の可能性、ピッチャーから繰り出される次の1球を息を飲んで見守る理由は、野球で決まっているルールが、3つのアウトで攻守が変わる、9回で1試合、とルールが定められているからなのだ。
フォーマルも一緒で、実はルールがあるから楽しい。
そしてそのルールは意外なところから生まれていた!

19世紀の平日の服を、21世紀の今、特別な日に装ったら素敵!と映る。
どうやって楽しんだら良いのだろう?

ということで、本日は銀座ファッションアカデミア 出石尚三講師の語る、フォーマルは一体なぜ時間によって服装が変わるのか?をお届けしたい。

・・フォーマルのルーツ

出石尚三先生の講義より

何事もルールがあるから面白いのです。
例えばゴルフ。
スコットランドで、羊飼いが石ころを穴に入れて遊んでいたのがはじまりというけれど、実はその後ゴルフ禁止令が何度もでています。
そのくらい面白かったということなのですね。

何故禁止令が出たのかというと、当時、ゴルフが面白いから弓矢の練習をさぼる。
弓矢の練習をしなさいということなんですけれど、ゴルフは何故面白いかというと、ルールができたから。ルールがあるから面白い!というところにたどり着かないと、フォーマルウエアは面白くないのです。

 

■一番のポイントは、時代を超えるってこと。

フォーマルの掟

一番のポイントは、時代を超えるということなのです。

トランスベスティズム(transvestism)という用語があります。 衣服を超える主義、これは心理学者がつかう用語でした。
女性が男性の服を着る、男性が女性の服を着る、ということについて、性を飛び越える病だと、衣装を取り違えることを昔の心理学者が言ったのです。

ジョルジュ・サンド(フランスの女流作家、ショパンとの交際でも有名な男前な女性である)が有名で、女性だけれど、着るもの上から下まで男の服でパリの街を闊歩していました。

さて、これをフォーマルウエアにも応用できるのではないか?と思うのです。
フォーマルウエアとは、時代を超えるための服である!

何が一番大事かというと、今の時代の服を着ているのではないよ、ということ。
これからルールを色々お話しします。
でもそのなかでも一番のポイントは、時代を取り違えることなのです。

 

・・・・

タキシードのカフリンクス

なんと、フォーマルの服装で大切なこと、一番重要なこと、それが、時代を取り違えてその当時の服装をするという形で、時を超えることなのだ。

考えてみたならば19世紀ヨーロッパという、映画や小説に登場する世界があったわけであり、その当時の貴族は今私たちがフォーマルだ!と考えている服を着て普段過ごしていたのだ。
お屋敷には200人以上の召使いがいて、大きなボウルルームでは夜な夜なパーティーが開催される。

そのような夜会には当然みな燕尾服を着て集まり、ダンスの曲目の書かれたカードが配られる。曲の横には空欄があり記入していく仕組みで、誰と、どの曲を踊ったのか?がわかるのだそうだ。

16歳になった年には嬢王様に謁見という一大イベントがある、美しいパラソルが必須であった時代の、その当時の服を装いを考えていくと、ウェストコートの色は変えるべきかな?今日は昼間の結婚記念パーティーだから、日中の自然光に生える小物は何かな?と次々と回答が得られるということなのだ。

・・・・・
結婚式の服装 フォーマルとは

たとえば結婚式に参加しますよね、フロックコートを着るとします。

それは、いつもの私ではありませんよ。
あらたまっていますよ。そういう気持ちを服に例えて表現しているわけです。
人間の文化生活において、あらたまるということが必要なのです。
その一番わかりやすいことが着ることで、フォーマルウエアなのではないか、と思います。

ルールは一回覚えてしまうと、知れば知るほど楽しみになります。
まずは、時を超える服、時代を超える服、ということが一番大切です。


時を超える服、例えばその時代の映画を観る、すると服装も細かく描写されている。
時代を超え、服は存在している、それを装うのだ。
さて、話は本題であるなぜフォーマルの服装は時間によって変わるのか?に入っていく。

ここでは、アフターシックスという言葉が重要だ。
ちなみにこれからご紹介するアフターシックスは当然ながらディズニーランドに18時以降リーズナブルに入場できるチケットではないのであしからず。
・・

タキシード

もう一つ、朝、昼、晩の(服の)違いがあります。
モーニングってありますね、それからイブニング。
どうして違うのでしょうか?

実際にアフターシックスという言葉があります。
(アメリカにアフターシックスというタキシード屋がありましたが)

これは6時以降ということではないのです。
19世紀の上流階級の人は、朝、昼、晩、服を着替えました。その、19世紀の真似をしていますよ、ということなのです。

今はそんなことないけれど、当時はモーニングルームというのがあり、朝起きてお茶を飲むための服がありました。それが終わると、スポーツに行きますので、馬に乗ります。だから乗馬服に着替えます。

今度は、昼ごはん、さらには夜ごはんですよ、となると、家のなかですべて着替えて、ごはんを食べました。
19世紀の貴族階級の真似をどこかでしないといけない。しかしこれは理にかなっているのです。

非常にわかりやすい話をしますと、ネクタイピン。

そういえばネクタイピンを知らないセレクトショップ店員さんがいますね。
ネクタイピンとはタイタック、タイクリップとタイバーも違います、それらは2ピーススーツ専用なのです。

スリーピースを着た時にするのは、ネクタイピンなのです。
どうしてかというと、ウエストコートを着ないとネクタイが留まらないでしょう。
だからウエストコートの替わりにタイピンをするということはありません。
フォーマルウエアで絶対必要なのは、角度直角の15センチくらい。

 

・・・・・

白蝶貝のカフリンクス

パールが昼のものです。
サファイアやルビーが夜です。

夜間照明に映えるのか、自然照明に映えるのかなのです。

スパンコールも夜の服ですが、ピカピカ光る服は夜のものなのです。
このように、アフターシックスは、見方によっては非常に理にかなっているのです。
光の加減を考えて昼・夜があるんだなと。

 

・・・・・
表参道

ちょうどこの原稿をランチタイムにカフェで書いていたところ、目の前をパテントレザー(エナメル)の外羽根の靴を履いたミニスカートの女性が横切った。オープンテラスから自然光がいっぱいに差し込む昼下がりのカフェに、エナメルの光沢感は似つかわしくないな、とふと思った。

 

昼には昼の自然光で美しく見えるアイテムを装い、夜会には夜の照明で美しく見えるアイテムに変えるのだ。こうした、考えてみるととても自然で合理的な考えのもと、フォーマルをはじめとするファッションが成り立っているのだ。

・・・・

パテントレザーのオペラパンプス

エナメルレザー(パテントレザー)も必ずアフターシックスです。
タキシードを着る場合も、この靴は単なる光る靴ではなくて、イブニングドレスの裾を汚さないため。
(靴墨をつけないタイプだから)

このように、着替えれば着替えるほどフォーマルであります。

出石尚三 松はじめ
(銀座ファッションアカデミア主催の内田さんと出石先生とお写真を撮らせていただいた)

洋服を着る文化はすっかり当たり前になった日本。
しかし何事も基礎を知り学ぶことは重要だ。
フォーマルを考える上で、まずは時代を超えた服を着るということを軸に、ルールを学んでいくと普段の服装ですらもっと面白くなるに違いない。

なぜフォーマルの服は時間によって変わるのか。
それは、19世紀の服であり、当時は何度も着替えたから。
そして自然光、夜間照明、それぞれに美しい装いをしていた。
それは自分のためだったのだろうか。
生まれた家柄によって、そうすべきであったし、そうすることが求められたこともあるかもしれないが、何よりもその日に会う方のことを考え、その場を考え、相応しい服装を心掛けたはず。

出石先生はこの講義の最後に、フレンチを美味しく食する方法というものを教えてくださった。
《シェフのために、良い服を着ていく。》
そうすれば一流のシェフは、私のためにこのような装いで来てくれたのか、とふるまう料理にも力が入る。
だからフランスで食するフレンチは美味しい、と。

私たちは洋服を、誰のために装うのだろう。

結婚式などのフォーマルな服装の着こなしで大切なこと ケとハレという考え方

2017年7月9日 TPO | フォーマルシーン

結婚式タキシード

カジュアルウエアってのは、フォーマルウエアを着られる人が崩せる。

今、問題なのは、スーツを着ることができない人がカジュアルを着ること。
何事もやはり基本がないといけないですよね。
 
とは銀座ファッションアカデミアで主任講師を務めてくださっている出石尚三先生が語られたことだ。
まったくその通り!!と心の中で叫んでいたのは参加者の中で私だけではなかったのではないだろうか。

出石尚三 松はじめ

 
銀座ファッションアカデミアとは私のようなテーラー、それからスタイリスト、百貨店の販売員の方などが参加する、スーツをはじめとするファッションを勉強する専門的な講義。
 
その主任講師の出石尚三先生といえば、朝日新聞のウェブコラムの連載でもおなじみで、著書ボルサリーノ物語、スーツの百科事典などでも有名な作家であり服飾評論家である。
 
 
 
第1期のテーマはスーツ。
今回からは第2期で、フォーマルウエアというテーマだ。

フォーマル

 
私は主催の内田さんとのご縁で参加させていただくことができ、2期生として全6回の講義に出席することになった。
古来より日本人は、ケとハレをうまく使い分けていた。ケとは日常のことで、ハレは特別な日という、まさに読んで字のごとくのハレの日のハレだ。
朝起きる、着替える、朝食のパンを食べてコーヒーを飲み、電車に乗る。仕事に行く父、洗濯を干す母、学校に行く子、そんな感じだろうか。
 
それでハレというのはそういう日常と違う、非日常的なことをする、例えば旅行とかお祭りとか、もちろん結婚式などの式典など、ハレなのである。
 
フォーマルの服、それはハレ、ケ、その根本から考えていかなければならない、そんなところからフォーマルの授業は始まった。
タキシード ネイビーダブル
 
フォーマルウエアはケとハレと密接に結びついているわけであります。
日本語で言い出したのは、柳田國男という民族学者です。
 
 
例えば結婚式、おめでたいこと、ハレの日、こういうことを読んで字のごとくハレ。
ケというのは、日常。
 
今の時代はハレとケが、近くなっていますね。
僕は、ハレとケが分かれていたほうが良いのでは?
我々の生活もメリハリができて楽しいのでは?と思います。
 
今日は暑いけれど、ジョギングしてシャワーして、ビール飲むと美味しいですよね。
コンフォータブルな部屋でじっといて、ビールを飲んでも美味しくないものです。
人間の着る物も、ネクタイをしているから外す、という行為があり、気分が違うじゃないですか。

 
 

タキシード オーダー サロン

 
仕事においても、緊張感のある場、例えば新しい社員が入社する入社式にピリッと三揃えのネイビーのスーツを着るだけで背筋が伸びるような、そのような日と、入社8年目の平日のような、そのような抑揚が程よくある方が良いのは事実だ。
 
さて、フォーマルを考える上で、冒頭はハレとケという観点からスタートしたわけだが、やはりハレといえば服。
いつもと違うシャンとした服を着ている。それは主役もそうだし、参列する側もきちんとした服を着るだけでその場が変わる。
ハレの日においての服はとても重要で、逆にいえば服装とは空気を変えるもっとも簡単なツールともいえる。
 
そんなフォーマルウエアを装うに当たって、大切なことはどのようなことなのだろうか?
 
 
 
結婚式タキシード
 
フォーマルの服とは19世紀の服なんです。
19世紀のケ、日常着。

それが21世紀のフォーマルウエアとされている。
 
だからスーツの根源を知りたいと思ったら、フォーマルウエアしかないのです。
 
 
 
あるファッションデザイナーがこんなことを言っていました。
《私はアイデアが煮詰まると、お母さんの屋根裏に行きます。
それからお父さんの物置きに行きます。
 
昔の古い服がたくさんあり、アイデアを得られるのです。
 
もっと困った時は、おばあさんの物置に行きます。
するともっと古い服が眠ってる。
 
これは使える!というアイデアがどんどんわいてくるのです。》

 
 
着物の文化
 
これを聞いた時に、日本はかなわないな、と。
だっておじいさんの部屋といったら和服しかないかもしれないでしょう。
 
話を戻しますが、僕たちがスーツを着るときに迷ったなら、そのオリジンはフォーマルウエアです。

 

着物

 
私の父は背広を着て仕事をしていた。だが、その父、つまり祖父はというとどうだろう?さらにその父であるひいおじいさんは?
基本的には和服なのだ。
 
だが西洋はおじいさんもそのまたおじいさんだって洋服なのだ。
そして、それは20世紀を飛び越えて19世紀に巻き戻してみたって洋服なのだ。
 
そのような洋服を着ているのだけど、洋服をどのように着れば良いのだろうか?という基本を私たちは教わることがない。
 
このことは私たちが開催しているメンズウエア素材の基礎知識&背広の着こなし講座でも、大西基之先生が語っていることだ。
袖が2つあって、着る方法を教わらなくても着ることができてしまう。だから黒のスーツをとりあえず着て、白いネクタイで結婚式に行ってしまうのだ。

ボットーネ 講義

 
つまり、西洋の、洋の服なのだから、きちんとルールを学ぼうよ、そしてそのルールを知りながらどう外すか、ということがまたオシャレなのでもあるのではなかろうか。
 
冒頭の出石先生の、スーツを着ることができない人がカジュアルを着るということの危機感とは、基本を知らずに格好だけらしくしても、オシャレとはいえないというようなことであると思う。
 
さて、そのようなわけでスーツを着こなす、とかファッションを学ぶということが大事になってくるのだが、辿っていくとフォーマルに行き着くということだ。
 
何事も上を知っておいて損はない、いくらでも下にはいけるだろうから。

スーツのフィッティング

そしてその現代のフォーマルというのは、19世紀でえば普段着だったということだ。
考えてみたならば面白い、19世紀の普段着を堂々とコスプレしても、奇異に映るどころか素敵!と賞賛される。
 
ならばぜひきちんと学んで、素敵なフォーマルの装いを楽しんでみたならばハレの日がもっと楽しくなる。
フランス料理もルールやマナーを覚え使いこなせば怖くない、食事を通してもっとコミュニケーションを楽しめるようになる。服装も同じで、基本を抑えれば怖くない。

出石先生の講義はまだまだ続く。

・例えばタキシードには衿にシルクが貼ってあるが、これは、俺は・・・ぜ、ということ。
・フォーマルの一番のポイントは、・・・を超えるってこと。
・どうして朝と夜で着る服、身につけるアクセサリーが違うの?
・ドレスコード、ホワイトタイよりもさらに上があった!?
・タキシードを着るこつ、それは・・・・・するだけ!

などなど、目から鱗の講義。
上記の内容はまたこのブログでもお伝えしていきたい。

 
 

パーティーの服 燕尾服の所作でわかった上流階級の見分け方

2017年6月29日 TPO | フォーマルシーン

19世紀 貴族

さて、前回は出石尚三氏特別講演 英国から来た流儀の、社交と装いというテーマの講義内容のなかから、ペイズリーとパーティーの不思議な関係という内容をお伝えした。
今回は続編で、ダンスをするシーンで燕尾服に着替えたジェントルたち、ある所作の違いで階級がわかったという。
一体どのような違いだったのだろう?

 

バッキンガム宮殿と服装

現在の日本は20歳の歳に成人式を行って、事実上大人になる。
選挙権も得られるし、お酒も飲めるようになる。
19歳と20歳とでは違うわけなのだ。

では19世紀、ビクトリア時代はどこが境目だったのかといえば、それは17歳。
17歳、それはそれはとても大事な節目だった。
大人の仲間入りの年の、一大イベントがある、謁見だ!

19世紀、育ちの良い方々はビクトリア女王の時代、女王謁見というのがあった。

バッキンガム宮殿に行き、女王陛下にご挨拶申し上げるという一大イベントなのだ。
 
その日、宮殿にはずらっと馬車が並んだ。
いよいよ17歳、ここぞと正装をしなければならなかったのである。
 
まず、ここで忘れてはいけないのが男性も女性もグローブ(手袋)である。
現代でも正装をする場合で、例えばモーニングコートを着用する場合にはグローブが必須となる。
当時もグローブはなくてはならないアイテムで、手にフィットしていればいるほど良く、正式には素材はホワイトキットだった。

バッキンガム宮殿と服装

(絵画はイメージ、ジャケットがカッタウェイだから、フロックコートよりも後のモーニングコートか。)

さて、この当時、基本的にはグローブを外すことはない。

唯一の例外は食事の時だったのだが、ビスケットを食べる時は外すことにしたものの、さて、、サンドイッチを食べる際はどうすべきだろうか・・と迷った挙句に外した。
そのくらいに露出しない時代だったということが想像できるわけだが、とにかく肌を見せることは恥ずかしいことだったのだ。
 
グローブ以外にも正装の必須アイテムがあった、パラソル(傘)、そしてファンである。
パラソルに関していえば、1年365日女性は持つべきもので、当時、ビクトリアンパラソルというのが流行る。
 
 
いよいよ謁見の時だ。
場所は2階、謁見の間。
 
2階の踊り場には、ブリーチズにシルク・ストッキングの召使が、細い2本の棒を持っている。
この棒で乱れているドレスのトレイン(トレーン)をしゅっと修正していく。
 
いよいよトレインが整うと配列だ。
 
さて、男性には、謁見はないのだが、昼間フロックコートを着ていた彼らは、夜、パーティに行くときには、燕尾服に当然着替えている。
燕尾服
 
燕尾服を着る、椅子に座る。
 
このとき、中流と上流の所作の違いが露わになる。
燕尾服という服は上記の写真のように裾が長い。
燕、尾、服という読んで時の如く尾っぽのように長く伸びた裾が特徴的なのだが、着用したことがある方はお分かりかと思うのだが、着席する時に少し困る服だと思う。
燕尾服のまま座る時に、裾の部分をパッと手で払って座る。
これが本来エレガントだと思うのだが、実はこの所作では中流階級なのだそうだ。
 
 
バッキンガム宮殿と服装
 
上流階級になると、、、
燕尾服の裾など気にせずドカンと座った。
 
 
実はそもそも、上流の方は自分で服をきる発想がない。
だいたい小さな屋敷では20人の召使がいて、これが大きなお屋敷となると、200人〜300人もの召使がいたのだ。
だから服を自分で着るという発想がないし、服のシワを修正するのも召使に仕事。
お仕事をとっちゃあいけないというわけである。
 
汚れたらどうしよう・・・
などと考えていては下流も下流だったそうで。
いやはや、ジャケットが少し汚れただけでハッとする私は上流階級にはほど遠い。

出石尚三 講義 松はじめ
出石先生の講義は、英国から来た流儀以外にも銀座ファッションアカデミアでも受講可能だ。

Ginza Fashion Academia 第二期生を募集します。
第二期のテーマは「フォーマルウェアについて」です。

人が生きていく上で必ず着用する社会性の高い服、正しい着こなしの原点はやはりクラシックにあります。しかしそれだけでしょうか?

第二期の内容とスケジュールです。
是非本来の意味、本質を学んでいただきたいと思います。

時間は全て15:00-17:00です。

①7/8(土) 「フォーマルウェアの掟」       
②7/22(土) 「日本の常識は世界の非常識」   
③8/5(土) 「フォーマルウェアは誰の為に着るのか」
④8/26(土) 「モーニング·コートの歴史」
⑤9/9(土) 「ディナー·ジャケットの歴史」
⑥9/23(土) 「なぜブラック·タイを結ぶのか」       
GFAファッションキュレーター3級認定試験       
ディプロマ発行 場所:銀座

第二期生募集にあたり、出石先生に特別寄稿していただきました。

フォーマル・ウエアの快感(主任講師 出石尚三)

「フィッシュ・アンド・スープ」fish and soup という表現があります。これもまた俗語では、「燕尾服」の意味になります。

正式な晩餐では、まず最初にスープが出て、それから前菜の魚が出ることになっているからです。つまり正式の晩餐会には燕尾服が欠かせないからなのです。

もちろん、「スワローテイル・コート」の俗語もあります。背中のテイルが燕の尻尾に似ているから。この「スワローテイル・コート」をそのまま日本語にして、「燕尾服」の言葉があるわけです。

正しくは、「イヴニング・ドレス」と言います。「夜会服」とでも訳せば良いでしょうか。
また一般には、「ホワイト・タイ」とも。燕尾服には白ピケの蝶ネクタイを結ぶことになっているので。

燕尾服は窮屈で、という意見もあるでしょう。でも、今なお、音楽家はまず例外なく、イヴニング・ドレス着用ということになっています。一年の大半を燕尾服で過ごしたいなら、演奏家になるに限ります。

また、見方を変えるなら、服装におけるタイムスリップでもありましょう。二十一世紀にいながら、十九世紀の衣裳を堂々と着こなせるのですから。そんな機会はめったにありません。二十一世紀にいながら十九世紀の紳士の気分を味わえるのは、なんと良い気持であることか。

一度でも燕尾服を着てみれば、今のスーツがいかに楽な服装であるかが、理解できます。今日のダーク・スーツに先輩はディナー・ジャケットで、そのまた先祖は燕尾服であってみれば、スーツの着こなしは恐るに足らず。
燕尾服を着るのは、快感。そしてスーツの運転が上手になること、間違いなし。
フォーミュラ・カーでレース場を走ったら、一般道でのファミリー・カーが巧みに操れるようになるのに、似ているでしょう。

Ginza Fashion Academiaより引用

7月より私も受講する出石先生の講義、
興味のある方は主催の方をご紹介できるので、ご一報ください。

実際に参加した銀座アカデミア

部下の結婚式に列席の服装(男性)スーツはどの組み合わせが正解?

2017年3月9日 TPO | フォーマルシーン

結婚式の服装についての質問

専門家の方に教えて頂きたいことがあり、メールさせて頂きました。
4月に、部下(新婦)の結婚式に出席致します。
披露宴が午後2時30分、披露宴が午後3時30分です。

場所は東京都心の結婚式場。
私は上司として出席するのですが、
ブラックスーツ、ダークスーツ、ディレクターズスーツのいずれで出席するのがベストでしょうか。

ブラックスーツは礼服でベストなしでシルバータイ。
ダークスーツは、ミッドナイトブルーのピークドラペルスリーピースでシルバータイ。ベストをシルバーにも変更可能です。

ディレクターズスーツは、上記ダークスーツでベストをシルバー、パンツをコールパンツに変えます。この場合は、タイをシルバーのアスコットタイ(又の字)にしようかとも考えております。

どのような服装がTPOにあっているか、ご教示頂けませんでしょうか。

部下(新婦)の結婚式に出席

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やはり部下の結婚式となると、きちんとした服装で臨みたいものだ。
かつて私の会社にも女性フィッターが在籍していたことがあるが、特に女性は服装に対する意識が高い。

え?その服?とは口には出さないものの、心の中では強く思っているもの。
電車に乗っていてもスーツを着こなしている紳士には必ず目が行くと言っていたのは職業柄というわけではないと思う。

ということで、部下、特に女性部下の結婚式という立ち位置であれば、というわけではないのだが、やはり服装には気を配りたいところだ。

披露宴が午後2時30分、披露宴が午後3時30分

結婚式の服装 男性

ここで気をつけたいのは、式典の時間である。
礼装には時間軸が大きく関わってくる。
これは日中の太陽が出ている時に着ていた服を、夕暮れからはロウソクの光で行われる夜会には着替えて行こう、という西洋の文化が起因していて、ドレスコードでも18時(冬は17時だ)を境に着るべき服が変わるから面白い。

それで今回なのだが、
午前・日中の礼装ととらえることもできるし、夜に向かう夜会の服装ととらえることもできる。
例えばモーニングコートは午前・日中の正装であり、ゴールデングローブ賞の授賞式などで見るタキシード姿も、18時以降の礼装だ。は
では今回のようなケースはどうなるのだろう?

東京都心の結婚式場

マンダリンオリエンタルホテル 東京

次に会場という軸。
これも服装を考える上では小さくない要因だ。
例えば逗子のオープンテラスで海をバックに行われるような、とてもカジュアルなリゾートウエディングパーティーにお呼ばれというのと、東京都内の料亭で行われる結婚式とでは服装に対しての考えをまるっきり変えなければならない。

今回はリゾートではない、とはいえ都心にも色々な式場がある。
色々なクラス感があると思うのだが、仮に私が現在の妻にプロポーズした場所であるマンダリンオリエンタルホテルのようなイメージで回答してみることにする。

Q:ブラックスーツ、ダークスーツ、ディレクターズスーツのいずれで出席するのがベストでしょうか?

まずはブラックスーツ。
こちらに関しては過去のブログを参照いただくとわかりやすい。

ネイビー 無地 オーダースーツ

【衝撃】なぜ結婚式の服装で黒スーツを着てはいけないのか

普段スーツを着ない方であっても、避けては通れないといっても過言ではないのが、結婚式ではないだろうか。普段スーツであっても、いざとなると何を着ようか、と悩む。
今日はなぜ結婚式で黒スーツを避けるのもひとつか?
そもそもなぜ黒スーツを着る文化になったのだろうか?について解説しよう。

とういことで、まずブラックスーツでない方が良いと思う。
絶対だめ、というような意見ではなく、あくまでもではない方が、という見解である。

Q:ダークスーツ(ミッドナイトブルーのピークドラペルスリーピース)にシルバータイでは?

タキシードのカフリンクス

ミッドナイトブルーのスーツスタイル、シルバーのタイならば王道だ。
こちらは良さそうに見える。

が、気にしすぎかもしれないが私ならピークドラペルというところが少し気になる。

というのも、今度は立ち位置などのバックグラウンドを考えた時に、
どのような企業で、どのようなチームやいらっしゃる方の年齢層はどうだろう?
実際に外資系企業に勤める友人がマンダリンオリエンタル東京で結婚式を挙げた時に列席したのだが、海外の上司もいらした。その温度と、新興IT企業でナスダック上場前という温度とは別軸で考える。
後者ならピークドラペルにするかもしれない。

それから、部下である新婦の家柄は?つまり列席者はどのような方だろうか?

と、そういったところが見えないので何ともいえないのだが、私ならノッチドラペルのスーツを選ぶと思う。

Q:ベストをシルバーにも変更可能ですが?

シルバーベスト 結婚式の服装

なるほど、ベストだけ少し華やかなものをお持ちで、生かせないか、というわけだ。
こういう時に持っているアイテムが意外と良い役になる場合もあるから、ぜひ色々と鏡の前で合わせてあれこれ議論してみてほしい。

ということでシルバーベストをミッドナイトブルーのスーツに合わせるのはどうさろう?
実際にコーディネートしてみたのが上記の写真だ。
シルバーのベストを内側に合わせただけで随分と結婚式っぽさを醸すことができる。

モーニングコート

ただし、主張が強いために主役感が出るというのも事実だ。
だからこれも私なら、という観点だが避けると思う。

また、午前の正装:モーニングコート、またはディレクターズスーツに着用するベストがライトグレーであるため、やはりその印象と重なってしまう。

さらにいえば、シルバーのベストを合わせる結婚式コーディネートは国際的にも例がない。
だからシルバーベストを合わせるのは辞めた方が無難ともいえる。

Q:ディレクターズスーツは?

ディレクターズスーツのオーダー

ディレクターズスーツとは、ブラックのジャケットに、コールパンツというグレーにストライプのパンツ、ライトグレーのベストを合わせて、モーニングタイなどを締めるというスタイルで、日本でもフォーマル協会の定めるところで準礼装となっている。

それからこのコールパンツというアイテムを含め、全体的な印象としてもカッチリ正統派と映るだろう。

ただ、こちらは今回の結婚式の時間帯が少し気になるところだ。
おそらく夕刻に差し掛かる式典なのだ、だからここはディレクターズスーツは私は避けようと思う。
二次会にも呼ばれていた場合、それはおそらく18時以降となるだろうから、もしディレクターズスーツスタイルを選んだとしたら、タキシード、もしくは前述のミッドナイトブルーのスーツのパンツなどをガーメントケースに忍ばせて、それをクロークに預けておき、ボウタイとセットで着替えるだろう。

ちなみに今回ディレクターズスーツ着用するなら、写真のディレクターズスーツよりももう少し黒の強いタイと、色調の濃いコールパンツを選ぶ。

まとめ

ということで、私が考えるのはこの中でいえばミッドナイトブルーのスリーピース、
だが前述したようにノッチドラペルの方が良いような気がしている。
今回はお会いしてみないとお人柄も企業風土もわからないから、細かいことは何ともいえない、というのが正直なところで、私なら、という観点で書いている。

そして一番重要なのは、弊社がオーダースーツを作成するテーラーだから、ということを抜いても、やはりサイズが合っていること、ここは重要だ。
どれだけ色やトーンをうまく装っても、フィットしていなければ台無し、これだけは紛れもない事実だ。

結婚式 服装 男性

さて、部下の方のご年齢、また質問者様のご年齢、このあたりも仮説では部下(27歳)ご質問者様(32歳)、
お相手の方である新郎は35歳、などと勝手ながら想定している。

今回の質問の結婚式会場は東京都心の結婚式場とあるため、リゾートウエディングではないが、前述したようにマンダリンオリエンタルのようなイメージで回答しているが、もう少し現代的な結婚式場にも応用はできると思う。

結婚式の服装において、女性もそうだが男性も、厳密にこうだ!と言い切れるものでもない。
特に、服は、装ってその人と一体になり服装となる。

やはり部下の方への気持ち、配慮などが滲み出ていることが重要なのではないだろうか。
そういう意味ではもしかしたらボウタイが良い場合だってあるし、絶対はないのだ。
礼装を着こなすのは簡単ではないが、多少なりともお役に立てたなら幸いだ。

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【実録】オペラの鑑賞の服装(男性・女性)フランス パリ・ガルニエ宮 編

2017年1月28日 TPO | フォーマルシーン

パリ ガルニエ宮 オペラ鑑賞 服装

日本人にはなかなか馴染みのないオペラ鑑賞という文化だが、ヨーロッパに行く方はスケジュールに組み込んでいらっしゃる方は少なくないのではないだろうか。
どのような服装で臨むべきだろう?
今日は、実際にフランス・パリのガルニエ宮にオペラ鑑賞に行った時の、周囲の服装をまとめてみた。
(この時は6月である)

基本的に幕間の休憩中、帰宅時にノーフラッシュでラフに撮った(映った)写真たちである。

女性は服装に気をつかっている

 

オペラ鑑賞の服装 女性

特別なドレスコードはない。
比較的安い席になれば、それこそデニム姿の男女や、シャツ一枚の方も少なくない。
だが、女性はドレス姿の方が少なくない。

オペラ鑑賞の服装 スタッフ

スタッフの方だろう、男性はスーツにボウタイ。

20分の休憩中、シャンパン片手に散策

  
オペラ 服装 男性

すると中央に、グリーンジャケットにナンタケットレッドのパンツの紳士を発見。

オペラ

ドレッシーな方とカジュアル、ラフな方までが混在していた。

オペラ フランス

ドレス姿の女性の横に、ショルダーバッグの男性。

服装は席によってはっきり異なっている

7ランク用意されていて、良い席になるほどに洋服も良い服を着ている、ジャケットの質が違う。
この日はタキシード姿の方はあまり見かけなかった、良い服を着ている、といってもスーツやジャケットスタイルである。
また演目によっても異なると聞いたことがある。

パリ オペラ 服装

ジャケットを着用している方は多い。
私もジャケットに内羽根のブラウンシューズで。

オペラ 服

オペラ鑑賞の服装 男性 女性1

ダークスーツ姿の男性、タイはしていない。

オペラ鑑賞の服装 男性 女性4

ダークスーツの男性。

オペラ鑑賞の服装 男性 女性

現地では身近なもの

オペラは日本人が考えているよりももっと身近なもので、仕事帰りのビジネスマンやカジュアルな服装の方も多い。
だがせっかくだから男性ならばジャケットくらいは着用し、シューズを何足も揃え持って行くのは気がひけるかもしれないが、やはりエスコートするのにスニーカーではない方が良いだろう。

女性は結婚式の二次会をイメージしつつ、ほどよく清楚に装えばまったく問題ないと思う。

オペラ鑑賞の服装 男性 女性3

左上の男性はボウタイ。

タキシードまでは着用しなくとも、ボウタイくらい忍ばせておいて、着用しても素敵だ。
もちろんタキシードもOK。

オペラ鑑賞の服装 女性

会話を楽しみながら、帰路へと向かう女性たち。

オペラ鑑賞の服装 男性 女性5

女性を安全に送り届けるのは紳士の役目。
エスコートする男性はミットナイトブルーの上下だ。

せっかくだから、服も楽しむ

やはり楽しむことが目的だ、
服のことであれこれ考えながら鑑賞していたのでは面白くないから、
事前にコーディネートを組んでおけば安心だ。
食事の際にもジャケットは必須アイテムとなることがあるから、1着携えて旅をしたい。

【衝撃】なぜ結婚式の服装で黒スーツを着てはいけないのか

2017年1月27日 TPO | フォーマルシーン

実は黒いスーツは・・・ガラパゴス・スーツ

Evernote Camera Roll 20151128 095904

日本ではビジネスシーンでも黒いスーツを着用している文化がある。
もし外資系企業の友人がいたならばぜひその方に聞いてみて欲しいのだが、アメリカをはじめ、特にヨーロッパでは基本的にビジネススーツで黒を着ることは限りなく少ない。

この記事の後半で、実際の写真とともにお伝えするが、
ビジネススーツならネイビーやグレーが基本となり、ブラウンもカジュアルだからNGという企業も少なくない。

では黒スーツはなせ大衆化したのだろう?

実は、突き詰めると日本独自文化とも考えらる黒スーツ(中国でもよく見かける)
これは、冠婚葬祭、これ1着あれば全てOK!のようなフレーズを販売促進の目的からアパレル企業やスーツ店などが作ったともいわれている。

文明開化後、もともとは既製服は存在しなかったわけだ。
あるのは英国式注文洋服店のみだ。
そのような仕立て服は当時なかなか一般の仕事の人には手が届きにくい服で、給料の数ヶ月分以上と、非常に高価なものだった。

その後、アメリカ式の大量生産・既製服が入ってきた。

1着1着仕立てなくても、1つパターンを作って、グレーディングしてコピーアンドペーストして安くなった。

すぐさま日本にも広がって、その後、スーツ量販店というのが登場した。
こうして現代の日本では9,800円でもスーツは揃えることができるのだ。

オーダースーツ テーラー

テーマに合わせて注文洋服店に要望を言って、仕立てる、
そういう風にじっくり時間とコストをかけて服を着よう、という時代から、

コンセプトはショップが作る、こう着てください、こういう服だから!!
というような強い提案をして、消費者が気に入れば買う、そんなブランドが提案する時代にスイッチして、

さらにその後、そうやってデザイナーがデザインしたものすら、似せて大量に作らせるようになって、中国→ベトナム→バングラデシュなどと人件費の安い国で製造することで、どんどん価格は下がっていったのだ。

そのようなわけで、
結婚式には黒スーツを着るべきです!というのも、日本のアパレル業界や大量に作って売るマーケティングのような発想から生まれた、ある意味独自のスーツ文化【ガラパゴス・スーツ文化】ともいえるのだ。

ドレスコードとタキシード

タキシード

 

実は、そもそも礼服、という言葉自体が日本的でなのではないだろうか?と私は疑問を持った。
西洋では礼装(れいそう)というような言葉がある。

きちんとした場面ではこの服とこの小物を、こう合わせる、という型があるのだ。
だから、服単体ではなくて、それを装って一つのスタイルになるのだから、礼服を着ればOKだよ、という考え方ではないのだ。

オペラ鑑賞の服装 女性

この礼装の指定が、ドレスコードと呼ばれるのだが、
例えばドレスコードに【ブラックタイ】とあればそれはタキシードスタイルでお越しください、という意味になるのだ。

ドレスコード指定にブラックタイとあったなら、
タキシードの上下を適当に着崩して装わない方が良いし、
着崩して装ったならばそれはファッションを表現することになる。

お祝いする気持ちが大切

 

結婚式の服装 男性

ドレスコードの話になったのだが、
ドレスコードは主催側が指定するのだ。
しかし指定されていない場合ももちろんある。
友人の結婚披露パーティーも服装の指定をされることはないかもしれない。

さて、どうしよう・・・
指定されないから何を着ても良い、というわけではない。
まず、ルールというよりも祝福する気持ちや、その方や想いを服で表現することが一番大切だ。

モーニングやタキシードの色は

 

燕尾服

さて、ここで黒い服に戻るのだが、
前述したタキシードのように、黒い服は確かに存在する。

午前や日中に着る、モーニング・コート、夜の演奏会でバイオリニストが着る、テイル・コート(燕尾服)も上下は黒だ。

モーニング・コートやテイル・コートを着る場合は、ドレスコードの指定があって着るという場合が多いだろう。
内閣の組閣といえばモーニングだが、新婦の父としてもモーニング、という風潮が日本にはある。
そして、モーニングコートやテイルコート、タキシードを着る場面では、基本的にきちんとした装いのルールに基づいている必要がある。

ということで、むしろ装いが決まっているならばそれに従えば良いのだが、
その指定がない、または平服でお越しください、というような表記の場合もある。
つまり、その場に相応しい服を考え、装って行かなければならないわけだ。

ここでテーマである黒いスーツになるのだが、
単純に黒いスーツを着ることが、その場に相応しいのだろうか?という点が重要だ。
お祝いの席で、例えばカジュアルレストランウエディングがテーマの主役に対して、
黒いスーツに白いネクタイ、では浮いてしまう。

西洋ではネイビー

 

結婚式 ネイビースーツ

また、欧州ではどちらかといえばネイビーの方が重宝される。
先ほどのドレスコードでいえば、厳密なフォーマルと、ややフォーマルと使い分ける方が多い。
厳密なフォーマルならタキシードを着る、
そうでない場合は割りとネイビーのスーツを着る。

タイはその場に合わせるが、日本で鉄板はシルバーといわれるが、ネイビーのタイや、家族でタイの色を統一する文化もある。

パーティー 服装

先日パリに行った時に、偶然出くわしたフランス、パリ郊外の結婚披露パーティーだ。
日中のパーティーで、列席者はネイビースーツだった。

パーティーの服装

女性も割と気軽な服装が多いが、男性はシレッとネイビースーツが多かった。

ネイビーはビジネススーツでも鉄板

 

ネイビースーツ

CEO同席の、早朝カフェミーティングだろうか、
ビジネススーツで見かけるのはネイビーが多い。

出張に行くビジネスマン

1泊2日くらいの出張なのか、ボストンバッグ片手に高速鉄道に向かう若手ビジネスマン。
ネイビースーツで足取りは早い。

navy suit

TGV(高速鉄道)の列車待ちのビジネスマン。
少しオーバーサイズだが、色はネイビー、そして無地。

ネイビースーツ

ネイビースーツで女性と会話を楽しむビジネスマン。
長い長いお昼休みは、スマートフォンを持たずに会話を楽しむ。

ネイビー 無地 オーダースーツ

明るめネイビーのスーツスタイルも、爽やか。
このくらいのネイビーをパーティーで着こなしても素敵だ。
石畳の街並みにも映える。

ネイビーには忠誠という色の意味があり、だから軍隊などの制服の色にも採用されているのだ。
海を見ると落ち着く人は多いのだが、安らぎを与え、誠実な印象を与えられるのもネイビーだ。

黒よりも黒く見えたミッドナイトブルー

 

タキシード パーティネイビーの色のトーンを濃くしていくと、よほど日中の太陽光でなければ黒に見えるようなネイビーがある。
これをミットナイトブルーと呼ぶのだ。
ミッドナイトブルーは、その昔、現代のように照明が発達していなかった西洋で、
ろうそくの光の中でパーティーをしていたのだが、その時に黒色よりも黒く見えたという説がある。

確かにボットーネのサロンにもミットナイトブルーのスーツがあるのだが、
暖色系の照明の元だと、黒に間違われるのだ。
むしろ黒よりも深みがある。

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このスーツ、黒ではないのですね?
と言われるミッドナイトブルーのスーツ。
午後の太陽光で撮影して、かろうじてネイビーに見えるが、夕刻や室内ではどこか深みのある黒に見える。

オペラ鑑賞の服装 男性 女性5

オペラからの帰り、信号待ちをエスコートする男性。
限りなく黒に近いが、非常に濃いネイビーだ。

ネイビースーツ 散歩

散歩するご夫婦、旦那様は黒ではない。ミッドナイトブルーのスーツだ。

これからは人と被らず、さり気ないお洒落を

 

ドーメルチェック

そういった意味では、ネイビーもよいが、さらにダークトーンのミットナイトブルーのスーツを結婚式の列席の場面や、スピーチを依頼された、上司の結婚式で外せない、などの場合に使えると思う。

ミットナイトブルーならば、暗黙の了解で全員が黒スーツを着ている場面でも、浮くということもない。
夜の二次会ではボウタイなどに小物だけチェンジすれば、パーティースーツのように印象をチェンジできる。

結婚式の服装は三者三様

 

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結婚式、と一口にいっても、式場も違えば、人も違う。
主役にしかり、ゲストにしかりそうだ。
どのような家柄か、上司・取引先は来るのか?というような要素でも最適な服装は変わるだろう。
それに時間も考慮しておいた方が良い。

また七里ガ浜のレストランの結婚式に出るのと、マンダリンオリエンタルホテルの結婚式に出るのとでも違う。

このようにあまり難しく考え出すと、悩み抜いたあげく、いつものスーツで良いか、となってしまいがちだが、
そうでなく、お祝いする気持ちや、相手や当日のことを考えて装っている、というプロセスも大切ということなのだ。

最適な装いを、ジャストサイズで臨みたい

 

レンタルタキシード

結婚式 服装 男性あくまでも基本ルールを知りつつ、その場に合わせるのが良いと思う。
そして、やはり仕立ての良い服を、ジャストサイズで着たい。

ボットーネでも結婚式、パーティーのオーダースーツを、
スーツコンシェルジュがあなたの立ち位置や見せたい印象を考慮しながら提案している。

オーダースーツは102,000円(ベスト付122,400円)から可能なので、
春の結婚式の列席に向けて必要な方は相談してみてはどうだろう。

無料相談も可能だ、
納期があるので何事も早めが良いだろう。