結婚式の服装(男性編)友人の挙式に呼ばれた時の服装は?男性はスーツに何をコーディネートするのがルール?
松はじめです。
春、夏、秋、冬、一年を通して普段スーツを着ない方でもスーツを着る。
それが結婚式ではないでしょうか?
結婚式の招待状が届いて、いつもの黒のダブルでいいかな。と服装のことを後回しにしてしまいがち。
結婚式の日程が迫って、あれ?そういえばこの服で良いんだっけ?と急に悩む。
そんなこともありますよね。
ここでは、結婚式当日になってから「失敗した・・・」と思わないように、3分でわかる恥を欠かないための結婚式の服装(男性編)をお届けします。
結婚式の男性の服装はスーツ
まず、結婚式に呼ばれて参加する場合、一部の例外を除いて上下が揃っている服が良い。
上下が揃っている服というのは、主にスーツとなる。
そもそもスーツというのは、スートの複数形なのだ。
上下一揃いというということで、現代の日本ならスーツスタイルが良いだろう。
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結婚式にジャケット(ジャケパン)は?
それでは、スーツと違って上下が揃っていない服はどうだろう?
最初にイメージできるのがジャケットスタイル(ジャケパンスタイル)だと思う。
これは、ジャケットとパンツが別々の生地や素材、色や柄で、それらを組み合わせて着るスタイルだ。
現代だとこれはスーツよりもカジュアルな印象に映る。
そこで、式典にはふさわしくないと考えるのが無難だ。
もともとは上下揃っていない方が格が上
内閣の組閣などで着られる、モーニングコートというのがある。
これは、長いブラックジャケット(コート)に、グレーのベスト、ストライプのパンツを合わせている。
先ほどのジャケパンも上下別々の生地・色柄だが、このモーニングコートのスタイルも上下別々の色柄だ。
モーニングコートを着るというのは、午前中のスーツよりもフォーマルな服装と言われている。
それなのになぜ上下別々なのだろう?
実は、スーツのように上下揃っているスタイルになる以前は、上下別々の生地で仕立てて着ていた。
上下別の服を着るということは、別々の生地を取り寄せて仕立てなければならない。
コーディネートも考えなければならないし、お金も余計にかかる。
だから、とても贅沢なスタイルだった。
ところが、どんどん簡略化されて上下一緒の生地で良いじゃないか。となってスーツのように上下揃いになったのだ。
結婚式の服装 シャツ
結婚式のワイシャツの色は白が基本
シャツは、ビジネスだとブルーなどの色を用いることもある。
むしろ英国では普段のビジネスのシャツで白いシャツは着ないという方も少なくない。
逆にいえば、結婚式でこそ白いシャツを着ることに意味がある。
余談だが、ワイシャツは和製英語だったことはご存知だっただろうか?
その昔、外国人に質問した。
「それは一体なんですか?」
日本人はシャツを見て、名前を訪ねた。
外国人は答えた。
「これか?Whiteshirtだよ!」
ホワイッ シャツ!
「あぁ、ワイシャツ、ワイシャツというんですか!」
ワイシャツは、ホワイトシャツと聞いて勘違いしたところから生まれた言葉なのだった。
私なら、とびきり質の良い白シャツをおすすめする。
シンプルな白シャツこそその人が出る。内側こそ、上質に。
フィットした、オーダーシャツが理想的だ。
結婚式のシャツの衿は?
シャツの衿は、もともとはウイングカラーという立ち襟だった。
といってもこれは燕尾服を着て食事をしていた時代のシャツではある。
衿や袖はプラスチックのように硬く、糊がきいていた。
だから、衿は立つのだ。
そして極力肌を見せないようにしていた時代だ。
時代は変わって衿も袖も柔らかくなった。
今のようなワイドカラーなど、立っていた衿は折れ曲がった。
それでも良い、という時代になったわけだ。
つまり、本格的な礼装というとウイングカラーなのだが、スーツはそれに比べると緩いスタイル。
だから衿は通常カラーで、トレンドに左右されない普遍的なカラーを選びたい。
私なら、合わせるスーツにもよるがやや丸みのある立体的な、開きすぎず閉じすぎない衿を選ぶ。
袖は、もともとシングルカフスだった。
それもバリバリに糊がきいていて硬かったからだ。
現代では柔らかい袖のシャツが多いので、ダブルカフスも良いだろう。
結婚式の服装 ネクタイ
結婚式のネクタイはどうすべき?
結婚式に参加する場合に、タイは必ず締めておきたい。
クールビズ期間中でもさすがにノータイはNGだ。
ネクタイでも良いし、ボウタイ(蝶ネクタイ)などもオシャレだろう。
どういうネクタイにするか?ということを考えるときに、逆にどういうネクタイはダメなのか?ふさわしくないのか?を考えてみよう。
まずストライプ。
ストライプとか、レジメンタルというナナメに模様の入ったネクタイだ。
これは、本来は属しているチームや学校を表す、制服のようなもの。
だから結婚式のような式典にはふさわしくない。
色は、黒は喪服を連想するので避けるのは想像できるが、白もNGだとご存知だっただろうか?
国際的に見て白いネクタイを結婚式に巻く、というのは日本くらいだ。
ヨーロッパでは、ネイビーやシルバーを巻く文化はある。
また、家族のカラーで統一するというようなこともある。
黒いスーツに白いネクタイ、これさえあれば!とアパレル業界が販売してしまったのが原因ではないかと思うのだが、白いネクタイは本当はおかしい、と認識しておこう。
結婚式の服装 靴
結婚式で履く靴の色は?
結婚式の男性の服装の中でも特に靴は、とても重要だ。
足元を見る、という言葉を聞いたことはないだろうか?
海外のホテルでも、靴を見てサービスを変えるという話を聞く。
これは、良い靴を履いている人の方が身分が高い、だからチップも弾んで貰える!と肌でわかっているからだ。
さて、そんな靴。
絶対に黒い靴を履くべきであろう。
フォーマルの靴で黒い靴以外の選択肢はあり得ない。
それどころか、こんな驚きのエピソードがある。
イギリスで、茶靴で面接に行った人がいる。
企業は、靴の色が茶色だったことを理由に彼を落としてしまった。
実際に、イギリスでビジネス靴として茶色は考えづらい。
階級社会の文化が色濃く残るイギリスだからというのもあるが、茶靴=カントリーで、ビジネスは黒靴が基本中の基本なのだ。
とはいえ私も、ここは日本なのでビジネスシーンなら茶靴を合わせる。茶色のバッグも好きだし、何より茶はネイビーとの相性も抜群だ。だが結婚式なら黒靴だ。
結婚式で履く靴の種類
結婚式で男性が履く靴として、黒は絶対だ。
そして、何としても紐靴にしたい。
紐がないローファーというタイプがある。
ローファーとは怠け者という意味があるのをご存知だろうか?
もともと室内履きだった内羽根式の靴を選んでおけば間違いない。
現代では余談になってしまうのだが、レストランに行くときはブーツを避けよう。というフレーズをテーブルマナーなどの講義で聞くことがある。
しかし、もともとは正装といえばブーツだったのだ。
私なら、迷わず履きなれた質の良いカーフの、黒のストレートチップの靴を選ぶ。
そして、内羽式と呼ばれるタイプの靴が良い、確認しておこう。
写真が内羽根式。
こちらが外羽根式。
ブーツなどに多く見られるデザインで、羽根と呼ばれる部分が内側に入っているか、外に飛び出ているか。
外に飛び出ている外羽根の靴は現代ではカジュアル靴のため、結婚式の服装としては合わせるべき靴ではない。
先端に模様が入った靴。
メダリオンと呼び、このタイプはセミブローグというタイプだ。
さらに模様の入った、フルブローグ、先端のチップの一部だけ模様の入ったキャップブローグなどもあるが、これらも避けた方が良い。
結婚式で履く靴下の色は?
靴下には、2種類の履き方がある。
1つは、靴かパンツの色に合わせる方法だ。
ネイビーのパンツ(スーツ)だから、靴下をネイビーに合わせる。
黒の靴だから、靴下を黒に合わせる。
今回のテーマである、結婚式の男性の服装として、靴下は黒い靴に黒い靴下がベストだろう。
もう1つの方法は、白だ。
これはかつて流行ったアイビースタイルという、アメリカの日本でいう6大学のファッションを考えれば理解できる。黒いペニーローファーに白いソックスは、今でも老若男女問わず王道のスタイルである。
これを結婚式のスーツに取り入れようとすると、オシャレ上級者でない限りは浮いてしまうだろう。
私なら、ダークブルーのスーツに合わせたロングホーズという長い靴下を合わせる。
反対に、足を組んだ時に素肌(スネ)が見えてしまうような短いソックスや、くるぶしソックスはNGである。
これはもともと正装だけでなく、貴族は肌を見せないことを徹底していた。貴族が普段着ていた服が現代のフォーマルの服なので、スネが見えてしまうのはエレガントではないのだ。
↓ 結婚式には、こういった長い靴下(ロングホーズ)がおすすめ。
結婚式の服装 コート
結婚式のスーツに合わせるコートは?
寒い季節にも結婚式のお呼ばれの可能性はある。
フォーマル度の高いスーツスタイルに、どんなコートを合わせよう?
私の提案としては、ぜひチェスターフィールドコートを合わせて欲しいと思う。
チェスターフィールドコートとは、シングルかダブルのシンプルなコートだ。
チェスターフィールド伯爵が、本格的な防寒ではなくてオシャレに羽織るコートとして着ていたものが流行った。
今でもビジネス、フォーマルともにチェスターフィールドコートはもっていて損のないコートNO.1だ。
理想はシングルのチェスターフィールドコートなら上衿にベルベットがついたタイプだ。
結婚式の服装にふさわしくないコート
逆に、結婚式の服装として合わせない方が良いコートは、以下のどれだろう?
・ピーコート
・トレンチコート
・ポロコート
答えは・・・
この3つのコートはどれも結婚式の服装としては最適ではない。
ピーコートは、もともと北海の漁師が着ていた作業コート。
その後海軍の、船の見張り用のコートになった。
トレンチコートは、戦争の際に深く掘った、敵の鉄砲を避ける穴(トレンチ)で戦いやすい用に開発された軍事用コートだ。
ポロコートはポロ観戦時のコート、こういう出処から考えると、どちらかというとフォーマルではなくカジュアルな装いに合わせた方が良いコートなのだ。
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結婚式の服装 その他のアイテム
ポケットチーフは必要か?と言われたら、ぜひポケットチーフを挿していただきたい!と答える。
フォーマルなシーンの服装にポケットチーフは必須だ。
シルクやホワイトリネンのポケットチーフをさり気なく挿そう。
胸元にポケットチーフがあるだけで、胸の位置が高く見える。
それにポケットチーフがあるだけで気品高く見える。
結婚式の時に挿すものというわけではないので、本当は普段のビジネススーツでもポケットチーフは使っておきたいところだが、どこか気恥ずかしいという方も多いだろう。
だからこそポケットチーフを挿すだけで普段とは違った雰囲気に見えるものだ。
普段とは違って、きちんとした服装、改まった気持ちでお祝いに参りました!という気持ちをこんなところで表現することこそが、式典において大切なことなのだ。
結婚式のポケットチーフの色は?
結婚式に限らないが、フォーマルという観点で考えると、ポケットチーフは白が望ましい。
ポケットチーフの色の合わせ方として、どんなタイであっても白を挿せばフォーマル度が高く見える。
もう一つ、ネクタイやボウタイで使っている色と同じような色のポケットチーフを挿す、という手もある。
これは統一感も出る。
私なら、ネイビーのタイに、誰にもわからないレベルで敢えて少しだけトーンの違うネイビーのポケットチーフを合わせる。シルクの上質なポケットチーフを、スリーピークスという入れ方で。
結婚式にカフリンクスは必要?
結婚式のシャツを着て、袖にカフリンクスは必要なのだろうか?
私は、ぜひカフリンクスをつけて欲しい、と提案したい。
なぜだろう?
もともと礼装において、シャツのボタンは見せたくないものだった。
現代だとクールビズもあるから抵抗がないかもしれないが、今も昔もシャツは下着なのだ。
つまり、シャツのボタンは下着ボタン。
下着のボタンを見せて昼夜堂々と歩くなんて恥ずかしいことではないか?
そんな理由からシャツのボタンは全て隠された。
タキシードを着るときに、シャツの胸のボタンすら黒いボタンになっているのを見たことがあるだろう?
これは、シャツの胸のボタンも下着ボタン、だから見せたくない。という紳士の考えなのだ。
ボタンではなく、宝石を用いた代用ボタンで着飾った。
胸のボタンも、袖のボタンも。
宝石とまではいかなくとも、私なら袖口はせめてカフリンクスをおすすめしたい。
ちらりとカフリンクスが袖口から覗くのもオシャレではないか。
結婚式の服装 小物で気をつけたいこと
結婚式に身につけていく小物で、男性も女性もなのだが気をつけたいたった1つのポイントがある。
それは、結婚式の時間だ。
もともと現代のフォーマルの服装というのは、中世ヨーロッパの貴族がしていた服装からきている。
その貴族たちは、朝、昼、夜と何度も着替えた。
それは朝食用の服もあれば、その後スポーツをするための乗馬服もあり、夜は社交ダンスをするために燕尾服に着替えた。余談だがダンスの時に踊っている女性のドレスの裾を汚さないために、と夜の正装の靴はエナメルのパンプスを履くのだ。なんてジェントルマンなのだろうか。
さて、結婚式の小物で気をつけたいこと、に話を戻すと、中世貴族じゃあないんだから・・・という声はもっともだと思う。
だが、彼・彼女らはある配慮をしていた。
それは、太陽の光で映えるアクセサリーか、夜間照明に映えるアクセサリーか?ということだ。
実は今でもフォーマルの服装ルールにこの要素が取り入れられている。
例えば午前や日中に着る正装、モーニングコートの場合のカフリンクスは、白蝶貝のものとされている。
これは、日中の太陽光に映えるアクセサリーということだ。
日中はパールとか、こういった白蝶貝などが美しいのだ。
反対に、夜。
夜間照明に映えるアクセサリーということで、ルビーやサファイヤなどが用いられた。
エナメルの靴もピカピカとしているが、夜間照明で輝くと美しいのだ。
結婚式の服装で大事なこと お祝いの気持ち
さて、ここまで結婚式の服装についてルールや歴史的背景に基づいて私の考えを書いてきた。
現代はスーツに対してのルールは、正直いってハチャメチャだ。
だから、いざ結婚式のスーツはどうしよう?と書籍や雑誌、ネットのまとめを見てもみんな様々なことをいっていて、どれが正解かわからないと思わないだろうか?
迷ったときは歴史に答えがある。
フォーマルとは一体なんだろう?と考える。
すると、それは18世紀などのヨーロッパ貴族の日常着なのだ。
それを現代では特別着で着ている、というだけの話だ。
だから、どういう意味でヨーロッパ貴族はその服を着ていたのだろう?ということをたどると、意外と早く答えが出るのだ。
そして、その昔の貴族が特別なシーンで大切にしていたこと、そこに一番の答えがある。
結婚式の服装 まとめ
今日は、いつもとは違った服装をしているんです!ということ
燕尾服という服がある。
これは、現代ではほとんど着ない礼装だと思う。
昔は燕尾服を着て夕食を食べた。
たとえ、お客様が一人でも、燕尾服を着て食べることが礼儀だった。
その燕尾服のときのタイは、白いボウタイ(ホワイトタイ)を身につける。
現代とは違って、この白いタイはリネン素材だった。
白いタイには糊付けをしてあって、それを結ぶ。
ところが、リネンに糊がつけられているので、一回結んで失敗した!となっても、ほどくと後が残ってしまうのだ。
だから、一発勝負、真剣勝負。
そのくらいに、今日のあなたとのこの場を、きちんとした気持ちで望んでいるのです!
一期一会ではありませんか!
そういうことを、服装を通して表現しているのが究極のフォーマルの服装なのだ。
つまり、結婚式に呼んでいただきありがとう。
お二人、ご家族に、心からおめでとうを伝えよう!それは言葉だけじゃなく、服でも伝えよう!
これが結婚式の服装でもっとも大事なことだと私は思う。
いつものビジネススーツやネクタイじゃなく、この日のための特別な装いで着たよ!
究極は、自分のためにかっこいいスーツで来たよ!どう?ではなくて、あなたのために、場を盛り上げるために良い服で来たよ、ということではないだろうか?
ということで、結婚式に呼ばれたら服装についてあれこれ考えてみる時間を作ってみるのは素晴らしいことだ。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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