男性のフォーマル ウェアの服装は細身でなくてはならない理由
前回、乗馬と服、
切っても切れない関係について書いた。
スポーツカーに乗るように、馬を走らせる。
かっこいい!乗馬はとても格好よいし、姿勢も正しくなるし、結構な運動量だ。
そんな乗馬に合わせて服は作られたので、スーツに残っているディテールは乗馬に関係していることが多いということなのだ。
今日は乗馬と服、だからこそ実はフォーマルの服はフィットしているということをお伝えしたい。
下半身が馬に乗り降りするときに邪魔になります。
上半身はフィットしても良いのです、フィットしてる方が良いんです。
オートバイどうです?
レザージャケット、ブカブカしてたら風が入って走らせにくいですよ。
モーニングの上半身はフィットしてた方が良いんです。
フォーマルウエアですから、重量上げするわけじゃあないから、フィットしてなくちゃ。
基本に立ち帰ると正しい服がわかる。
ファッションアカデミア 出石尚三 先生の講義より
タイトフィット、ルーズフィット、タイトもただ細いのが良いわけではなく、フィットしていなくてはならない。
ルーズフィットも、ただ大きいサイズというわけではない。
ルーズもフィットしていなくてはいけないのだ。
現代もタイトやルーズを行ったり来たりしていて、流行とはそんなものだ。
タイトフィットがずっと続いてきたけれど、ここのところ男性もルーズな服のトレンドが登場してきているだけでただダボダボしているのが美しいわけではなくて、フィットしていなくてはならない。
そんなフィット感。
フォーマルの服、モーニングコートなりフロックコートなり燕尾服。現代であれば結婚式に列席するミットナイトブルーのスーツやタキシード。
もともとは乗馬の服だったのだから、フィットしていなくてはいけないと出石先生はおっしゃる。
というのもフィットしていないと乗り物を操縦しづらいのだ。
こうした乗馬服は時代が進んでいくとオシャレ着になる。
例えばモーニングコートも、ずっとフロックコートを着ていたけれどそこまで堅苦しくなモーニングコートでお客さんと会おうか。という文化が広がっていく。
こうしてどんどん本来乗馬用であった機能は意味をなさなくなっていくわけだが、もともとの機能がディテールとして残っている。斜めになった腰ポケットなどもそうだ。
そしてやはり乗馬服が原点なのだから、ピタッとタイトにフィットしていることが美しいことなのだ。
フォーマルというと、特別な場。
例えば息子の結婚式という特別なシーンに、明らかにルーズな服は合うだろうか?
主役として登場する新郎も、いわば改まった緊張した場。
昔でいえばバッキンガム宮殿に行って女王様と会うような日かもしれない。
そんな緊張した場だから、緊張感のあるタイトな服に、自分の身体を合わせる。
常に姿勢正しくしていないと苦しいくらいのウエストコート(ベスト)。
気を抜けないのである。
だから家に帰って着替えて、飲むビールが美味しいのだ。
ということで、特別な日に着る服はタイトに誂えようか。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年9月20日
フォーマル | オーダータキシードの歴史
タグ:スーツ, フォーマル, 服飾史, サイズ
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