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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

リクルートスーツは黒?紺? 就活スーツの着こなし、色は?面接官の本音も聞いてみた

ネイビーのオーダースーツ
 

松はじめです。

就職活動。

企業へ訪問して、面接を受ける。

社会人になるそんな就活。

そんな時に、何を着るのかといえば、日本の場合リクルートスーツが思い浮かぶ。

さて、リクルートスーツは何色が良いんだろう?

その理由は?

そして、未来のリクルートスーツとは?

私の提案を書いてみたい。

リクルートスーツは紺が良い

まず、リクルートスーツは何色が思い浮かぶ?

黒!

就活=黒スーツではないか?

就活スーツは黒です!!とはっきり書いているウェブサイトもある。

私は、リクルートスーツ(就活スーツ)は紺色(ネイビー)に限ると思う。

黒はありえないのだ。

東京ビッグサイトの企業合同説明会に並ぶ列を見ると、黒リクルートスーツで統一されている。

その上から男性はブラックのステンカラーコート、女性は揃えたかのようなベージュのトレンチに黒いバッグが定番だ。

いやいや、黒スーツはやめるべき。

なぜか?その理由を書いてみよう。

黒スーツは日本の喪服

では、そもそもブラックスーツってどんな時に着るのか?

過去、こんな記事を書いたことがある。

【残念!】TOKIO 謝罪会見の服装はなぜ黒 喪服スーツなのか?城島茂氏、国分太一氏、松岡昌宏氏、長瀬智也氏、全員黒!

簡単にいうと、芸能人グループの記者会見があった。

その時、グループの謝罪会見で黒スーツを着ていた。

そもそも黒スーツって日本では喪服でしょう。

でも日本なら黒スーツで謝罪会見すればかしこまった感じになるのでは?と着たのではないか?というのが1つめの考察。

もう1つは、着せたスタイリストとか、承認を出した人もよくわかっていないんじゃないか?とりあえず黒を着せとけ!となったのではないかという考察。

世界的にはこういうケースは、ネイビーやチャコールグレー(濃いグレー)のスーツです。

(喪服もチャコールグレーやネイビーである)

安心感を与えるネイビースーツ

就活スーツに当てはめても一緒で、黒である意味はどこにあるのだろう?

追悼の意を表しているのではないのだから。

ネイビーには、誠意とか、誠実といった意味がある。

だから英国海軍の制服はネイビーブルーなのだろう。

それから、ネイビーをはじめとするブルーは海の色。

海は見ているだけで落ち着き、安心感を与える。

さらに心が晴れるような青空。

空の青も人を安らかな気持ちになる。

だからネイビーは自然と相手に安心感を与えるのだ。

色の心理効果は大きい

こういう色における心理効果は小さくない。

だって、人間なんだから。

例えば、真っ赤なカーテンの部屋では、体感温度は3度上昇するという。

反対に真っ青なカーテンの部屋では、体感温度は3度下がるという。

飲食店にいくと、お皿にパセリなどのグリーンが添えられているのも意味がある。

こんな風に、人間は自然と色の影響を受ける。

だからドナルドトランプは交渉のテーブルで赤いネクタイを身につけているのだ。

赤いネクタイはパワータイ。

情熱をアピールするにはぴったりのタイだ。

大統領にはイメージコンサルタントと呼ばれる、身なりを考える人間がついている。

急遽言葉を発しないといけない場合を考えて、24時間体制だったという時代もあるという。

そのくらい、色は重要なのだ。

色で差別化する

つまり、面接官にネイビーのスーツで落ち着きや安心感を与えることができればどうだろう?

もし8割の就活生が黒いスーツを着ていたなら、あなたの差別化になる。

そんなことを言っても、面接官はどう思っているのか・・・?

気になるところだ。

実際に聞いてみた話と、私の見解はこうだ。

面接官の本音

私のクライアントで、人事の仕事をしている方が数名いる。

その方々に過去提案したスーツは、ネイビー・グレーだ。

つまり、実際に採用面接をする場合や、会社説明会を行う時に着ているのは、そのネイビースーツかグレースーツとなる。

どうして良いスーツを仕立てるのか?とその人事の方に聞いてみたことがある。

「学生に希望を持ってもらいたいからなんです。」その方は静かに目の奥を輝かせてそう言ったのを忘れない。

良い服を着て、あぁ、こういう素敵な人になりたい!と希望を持ってもらいたいと。

そのくらい、人事で服に気をつかっている人間が少ないという。

平均的な人は必要?

これからの時代、平均的な人は必要だろうか?

グローバル化が進んで、世界中にスマートフォンが行き渡った。

GAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾンの略)と呼ばれるプラットフォーマーたちは、大量のデータを手中に、確実に私たちの生活を変えつつある。

AI化が進み、単純労働はなくなる。

テクノロジーの進化は目覚ましい。

当然日本企業も気付き始めている。

これからの時代は、人と同じではなくて、人といかに違うか?

そして、ダイバーシティ(多様性)こそ大事になってくるのではないか?

では、新時代の就活スーツとはどんなものか?

私の提案はこうだ。

次世代の就活スーツ

私自身、述べ300名以上の面接を行った。

その経験からすると、スーツを着て面接に来て欲しくない。

ちなみに私の会社はアパレルで、スーツの仕立てを行っている。

それなのに一体なぜ?

平均的なスーツを着て面接に来られると、その人となりがわからないのだ。

内面は外面に現れる。

でも、スーツという平均的な鎧で覆われてしまうと、よくわからなくなるのだ。

誤解を恐れずにいえば、逆にいうとアパレル企業でない限り、良いスーツを着ていればそれなりに人事を騙せる。

詐欺師が良いスーツを持っているというのはその証拠だ。

私服には個性が出る。(本来はスーツもだが。)

カフェが好きそう、勉強しているな、友達が多い、控えめ、アウトドア派、、そういうのって私服だとわからない?

つまり、私が提案する次世代のリクルートスタイルとは、

私服。

だって、黒スーツって、私は御社の飼い犬になります!って言っているようなもんじゃない?

私、という個性を生かして、御社の中で最大に貢献します!が正しいんじゃないだろうか。

この方が、入社してからの不一致も少なくなるんじゃないかな。

決してスーツで行くな!と言っているわけではない。

例えば、私の友人でスーツが好きで、気合いが入る!という理由で会社にスーツで行く男性がいる。

その会社はみんな私服なのに、だ。

ただなんとなく黒スーツを着ようか、みんなそうしているし。

これがよくないのだ。

ということで、結論はこの記事を参考にしつつ、最後は自分の頭で考える!
これこそが大事だと思う。
考え抜いた服装なら、素敵ではないか。

なぜリクルートスーツは生まれた?

ここからは、私の先生である大西基之先生にお話しをお伺いしてみよう。
最初に買ったスーツは、給料3万円の時代に、スーツ3万円。
メンズウエア素材の基礎知識の著者で、ダーバンの初期テキスタイルデザイナー。
ブラックスーツの企画・開発に携わったこともある方だ。
Q:もともとリクルートスーツと呼ばれる服・スタイルはあったのか?
大西基之 松甫
もともとはリクルートスーツというのはなかったよね。
それから黒いスーツですが、黒の服は葬儀の服です。
(リクルートスーツ&リクルートスーツは黒というのは)この10数年のうちに生まれたのではない?

とは大西基之先生。ランチをご一緒した時、大西基之先生(左)は見事なトレンチコートの着こなし。
ジャケットはJプレス、ニューバランスのスニーカーで外すという秀逸なファッション。

では一体なぜ黒のスーツがリクルートするになったのか?

 
Q:一体なぜ黒スーツがリクルートスーツのスタンダードとなった?
 
オーダースーツ
 
昔は黒なんて色のスーツはみな敬遠していたのですが、、、

日本経済はバブル以降景気が悪い時期が続きました。

ですから、就職しづらい時代も続いたわけです。
そういった景気が良くないとき、相手に対しての心象を考えた意味では、黒=黒子となったのかもしれません。

黒子は、そこに存在しない、という暗黙の了解があります。

レストランなどでも黒を着る意味はそうですね。
控えている人であり、お客が主役なのですから、なるべく目立たないようにする。
 
それから、島国日本の中で考えますと、
黒を着てれば安全という意識になったのでしょう。
学校の先生も、就職指導でも黒を着せていますよね。

大西先生が就職活動をしていた時代はどのようなスーツだったのか?

 
Q:実際に大西基之先生の時代の就活スーツスタイルとは?

オーダースーツ

 
僕らのときは、グレンチェックのスーツを着ていましたよ。
グレンチェックなんて地味なものです。
 
ビジネススーツはユニフォームです。
背広を着る!ってちゃんとした意識がありました。
ですから、初任給が2万円でしたが、背広は3万円くらいでした。
給与の1ヶ月分の服を買って着るわけです。
 

仕立て服は給料の半年分

 
Q:仕立ての服は幾らくらいであったか?

 
 
ハリソンズ・オブ・エジンバラ ジェームス・ダンスフォード 松はじめ
 
テーラーで仕立てる服は、給与の半年分でした。

ですから、繊維に関わる方というのは、一番先端を行く人たちでしたね。

岩倉使節団がヘンリープールに行き、西洋に行って帰り、
鉄道を作り富岡製糸場を作りました。
建築と並んで繊維関係は一番進んでいましたから、西洋が。
 
日本ではある日、洋服文化になりましたが、武家階級から洋服になっていきましたが、庶民は最後まで和服です。
つまり、背広を着る=それなりの人、ということだったのです。
 
 

21

 
つまり、黒スーツ=リクルートスーツというのも最近の文化?
 
リネン コットン 生地バンチ
 
ついこの前まで、麻のスリーピーススーツ(ベスト付きスーツ)は、1人3着所持していました。
それを洗濯して着ます。
夏は、生成り(きなり)のリネン(麻)にカンカン帽が普通です。
 
逆に黒という色は熱を吸収するし、特に夏着るものでは絶対にありません。
リクルートスーツについてのまとめ

以上、大西基之氏に伺ったリクルートスーツと背広と、黒スーツについてだ。

 
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・リクルートスーツという用語自体が最近。
・不景気時代に、黒子に徹して目立たぬようにという思想が影響。
・熱を吸収する黒色スーツは特に夏に着るスーツではない。

こんなことがわかる。
大西先生の時代は、今のように安いスーツが買える時代ではなかった。

給料3万円で、スーツも3万円。

今の感覚なら30万円がスーツの相場。

30万円で手に入れたスーツ、

確かに高価だ。
でも、きっと大切に手入れする。
お直ししながら着る。
私のクライアントで、長野五輪のエンブレムも手がけたデザイナーで篠塚正典さんという方がいる。
先日食事した時に、
就活で黒スーツである必要ってあるの?という話題になった。
特に女性は、もっと女性らしい服装で良いんじゃない?
新しいそういう服のブランドがあれば良いよね、という話になった。

私も300人以上面接して気づいたのが、リクルートスーツはいらないということ。

面接は、いかに素のその人と話せるか?がポイント。
お見合いのようなもので、お互い着飾っていてもメリットがないと思う。

日本人は、型が大好きだ。
でも、大衆の中の1人ではなくて、自分らしい服装で面接に望むのも素敵ではないだろうか。
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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2018年12月5日
TPO | ビジネスシーン

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