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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

スーツの着こなしに通じる、男の匂い(香り)について考える

松はじめです。

メンズウエア素材の基礎知識の著者、大西基之先生をお招きして、素材と着こなしの講義を開催しました。

今日のテーマは、枡見本。

そして、男の匂いについて。

大西先生は匂いへの意識の低さが、服装に対しての意識の低さに繋がっているといいます。

この記事の目次

本日の大西先生。

チェックジャケットに、ブルーのシャツ。

イタリア製のカーディガンをインナーに。

デニムをロールアップして、ルーディックライター

大西基之先生のご紹介

千葉県市川市生まれ。
昭和41年、メンズ・ファッション専門学校(第1期生)卒業。
昭和47年、株式会社ダーバン創立時のデザイナー。

それまでのファッションブランドというのは、生地屋が持ってきたものから選定して企画していたが、
業界の常識を塗り替えるべく、尾張一宮まで乗り込んで、枡見本を作り素材自体から企画をスタートした。

昭和53年に独立 株式会社ワープアンドウエフト設立。
アパレルの企画・製造販売、服地販売を業務とする。
現在はアパレル製品の商品企画コンサルタント、紡績、毛織メーカーのテキスタイル・デザイン、大手アパレルや生地ブランドの社内講師として活躍中。

メンズウエア素材の基礎知識の著者

今回の講義

スーツをオーダーしたことがある方なら、バンチをご存知だろう。

生地の見本が本のようにまとまっているものだ。

バンチに選抜されたのは、デザイナーが決定した色や柄。

その選抜を行うために用意されるのが、この見本。

これは、枡見本っていう。

今回の講義は染色や整理といった、重要なエッセンス。

男の匂い

みなさんは美容室派だろうか?

床屋派?

近頃はルドローブラントのような洒落た床屋(バーバー)もでてきている。

講義の後半は幻の書籍、セビロの消えた日から。

大西先生は床屋に行き、ふと気づいたのが臭いだったそうだ。

さて、美容院と床屋の違いを論ずるつもりも知識もないのだが、床屋にあって美容院には絶対ないであろうと思われるのが古くから存在する男性化粧品である。近ごろは覚えていただいたとみえて、リキッドをお付けしましょうかなどとは言われなくなったのであるが、なんとバイタリス(1962年発売:ライオン)から揃っているのだ。順にMG-5(1963年:資生堂)、ブラバス(1969年:資生堂)、ヴァルカン、エロイカ(カネボウ)などである。さすがに、チックやポマードといったものは置いていないようであるが、この製品寿命の長さには驚いてしまう。ではなぜ古くから続いてきたものでも養命酒には有難味こそあれ違和感がないのに「バイタリスを付けましょうか」にはハッキリと抵抗を感じるのであろうかと考えると、それは匂いあるいは臭いに原因があるのではないかと思われるのだ。
セビロの消えた日(非売品) 大西基之著より引用
 
匂いと記憶との関連は医学的に研究されているのかは分からないのだが、大いに関連ありと思うことがある。わが国では現在でも強い香水やオーデコロンを付けるということは男女問わず少数派に属するのであろうが、何かの時にすれ違った人の匂いでフッと以前行ったことのあるヨーロッパの街などが思い出されることがある。おそらく過去そこに行った時にすれ違った人の匂いの記憶なのかもしれないのであるが、ことほど左様に匂いに記憶を呼び起されることは珍しくないのだ。そのような点から考えると丹頂のチックやポマードの匂いがあまり目立たなくなったのはそれらを使っていた世代が少なくなったということなのであろう。
セビロの消えた日(非売品) 大西基之著より引用

ふとした瞬間に感じる臭い。

そこで思い出される記憶。

とはいえバイタリスやMG-5つまり67歳になろうという著者が中学生であった昭和37年頃の匂いを身体から発することに未だなんの抵抗もない人々が相当数いるということなのだ。もちろん現代の若者がこのような化粧品を使用していることはありえないであろうから、著者と同世代かやや年上の世代であることは想像できるとしても、50年以上変化せず継続した寿命を持つ商品が衣料品でありえないことを考えれば(LEVI’Sの501でも時代によってシルエットは変化してきた)男性化粧品、中でもヘアーリキッドなるものの寿命の長さは日本男性の匂いへの無関心さに支えられていると言っても間違いではないと考えるのである。
セビロの消えた日(非売品) 大西基之著より引用

床屋に置かれているヘアーリキッドは、50年以上変化していないという。

これだけ毎期数多くの新商品で溢れる日本において、50年以上変わらずに定番として存在している物があったのだ。

それだけ匂いに対して無関心なのでは?と大西先生は言う。

もちろん日本人のそもそも体臭の少なさからも匂いへの関心が薄いことは理解できるとしても、匂いが自己表現の一部であると考えれば着るものへの無関心と軌を一にしているのではないだろうか。50年前のMG-5発売の時のカッコ良さはまさにファッションであったのだが、現在男性化粧品は“セビロ“同様にカッコ良さを担う気持ちが失せているように思えるのだ。奮起を望みたいものである。
セビロの消えた日(非売品) 大西基之著より引用

香水をつけている方はどのくらいいるだろう?

みなさんは香水はつけるだろうか?

私も気分によって、3種類の香水をつける。

その匂いによって、1日の気分も変わるものだ。

そしてクリエイティブな作業をしよう!と決めている日には、決まった香りをつけるようにしている。

すると、不思議とその匂いを嗅ぐことでスイッチが入る。

日本は香水をつけるという男性は少ないのかもしれない。

だがそもそもその匂いに対しての関心が、服装に対しての意識の低さにも繋がっているのでは?というのだ。

男の匂い

人間は無意識にDNAレベルでの相性を嗅ぎ分けているという説もある。

異性の匂いは、生理的嫌悪を感じると破綻しやすいなどといい、良い匂いだと感じた相手とは良いな関係が続く。

そんな説もあるが、女性からすれば男性の匂いって大事なのだ。

加齢臭、口臭、、もちろん基本的なケアも大切だろう。

だがシャンプー1つとっても、どんな香りか?というのはとても大事なのではないだろうか?

服装、着こなしは深い。

今回は着こなすということへの意識と、匂いへの無関心ということが語られたわけであった。

ということで、匂いから意識してみようか?

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2018年12月7日
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