スーツを着こなすために、仕事でオトコを磨くことも大事
松はじめです。
「素敵なスーツですね。」
もしあなたがそんな風に服のことを褒められたのなら、こう解釈するとわかりやすい。
「スーツは素敵ですね。」
本当に一体になっている時に、スーツが素敵ですね!とか、ネクタイが素敵です!という表現はでてこない。
誤解を恐れずにいえば、何かを褒めるということは、そのポイントが目立っているということだと思う。
パッと目についた、だからそれをとっさに褒める。
ミッキーマウスのネクタイなんて、もっとも褒めやすい。
「うわ、ミッキーですか!かわいい〜それをうまく合わせられるのは・・・さんくらいですよ〜。」
もしそんな風に言われた経験があったなら、浮いているというメッセージかもしれない。
人は褒めやすいポイントを褒めるから。
スーツが素敵ではなく、その方が素敵
反対に、褒められない時はどんな時だろう?
1:褒めるところがない
2:肯定も否定も、発言しづらい状況
3:突出した部分がなく、調和している
当然、3のようになれたら素敵だ。
でも人は、承認欲求というのがある。要は、認められたいのだ。褒められると嬉しい。
ところがその人に服や小物が溶け込んでいる、ということになると、褒められることはない。
その人自体が素敵で、オーラを放っていて、服と調和している状態なのだ。
かくなる私も業界のファッションの達人ともいえる諸先輩方にお会いすると、はっとする。
素敵なスーツ!と思う間もない。
違う、スーツが素敵なんじゃない。
その方が素敵なのだ。
服だけではない。佇まい、言葉、そういうもの。
そこに良い仕立てのスーツ、しっかりコーディネートされたネクタイ、磨かれた靴が加わっている。
ただ良いスーツを着てるぜ!というのではなく、一体になっている。
あぁ、これが着こなすということか・・・と。
スーツの着こなし力を上げるには?
着こなし力を上げるために、今日からできることはなんだろう?
体を鍛えること?
確かに、着る人のボディが締まっていた方が服は美しい。
雑誌を読み漁ること?
服が好きな人間としては楽しいが、でもそこに答えはない。
ではなんだろうか?
私は、若いうちは、
・目の前の仕事に、全力で取り組む事
も1つの要素ではないかと思う。
チャレンジを忘れない
いろいろなステージがあるだろう。
20代は、とにかくがむしゃらに仕事に向き合える唯一の時だ。
ここでしっかり仕事の実力という意味での貯金をしておかないと、後が怖い。
30代は、その貯金を元にさらに精進する時だ。
ようやく、これが自分の得意・不得意ということが見えてきて、失敗は20代よりは少なくなる。
40代は、それらを形にしていよいよ伸びる時。そして出費も最大限な時。
子供を学校に行かせ、部下を教育する、もっともお金もかかるが仕事も遊びも面白い時だ。
50代は、まだわからないが、先輩の話を聞くと50代からがスタートだ!と思う。
これまで培った人脈や信用を元に、もう一勝負していらっしゃる先輩は少なくない。
仕事と着こなし
さて、こうして考えてみると、オトコを磨くもの、それは仕事でしかない。
1日の3分の1近くを仕事にあてていて、人間関係で摩擦もするし、悩み、もがき、そして成長する。
うまくいけば嬉しいし、達成して仲間で飲んだり、あるいは一人でガッツポーズする。
難しい仕事に挑戦するのは、今の自分からしたら気が重いかもしれない。
でも、時には大風呂敷を広げて突き進む。
悔しさを味わいながら、うまいものを食べて忘れて、翌日がきて、また今日を生きる。
こうやって魅力溢れる人になっていき、仕立てのスーツはますますその輝きを増すのではないだろうか?
内面は素晴らしいのに服装に無頓着なのは?
逆もある。
仕事もしっかりできる、内面も素晴らしい。
家族にも、部下にも優しく好かれる人。
オトコが、オトコに惚れる、そんな人はなかなか少ないだろう。
で、そんな素晴らしい人格者で、服が・・・それかぁ。
これは残念だ。
なぜかというと、物凄く損をしている。
そんな風に見えないのだ。もちろん極端な話、会って、話して、あぁ、見た目はこんなでも内面は素晴らしい人なんだ!ということもある。こんなことはたくさんある。
だが、第一印象で敬遠されてしまうかもしれないと思うと、広がっていたかもしれないご縁も広がらない。内面が素晴らしいのに、服装に対してあまりに無頓着な人が多い、それが日本ではないだろうか?
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
おすすめ記事
スーツウォーク 2日目は大西基之先生はじめ中村達也さん、鴨志田康人さん、鈴木正文さん、吉國武さんらが登壇した講演スーツウォーク1日目の様子 スーツ好きが集う!台湾スーツウォークはアジア最大級のファ…
似合うスーツの5つの要素!服がぱっと輝く瞬間松はじめです。 週末は予約でいっぱいのサロン。 今日は似合うスーツ、似合う服とは何か…
心斎橋リフォーム 評判の修理店の出版パーティ 内本久美子さんの元に服飾業界の重鎮たちが銀座シックスに到着すると、最上階の13階へ。 そこには、内本久美子出版記念パーティ会…
部下の結婚式に列席の服装(男性)スーツはどの組み合わせが正解?結婚式の服装についての質問 専門家の方に教えて頂きたいことがあり、メールさせて頂きま…
ホンブルグを調べてみた結果!ドイツ名の中折れハット、チャーチルとイーデンも愛した帽子イタリアではロッビアという 1910年代のイタリア資料。(フレチェットという帽子メー…
フェルト帽子の最高峰 ビーバーハットはボルサリーノ以外にもおすすめブランドがあったなぜ良い帽子を持つべきなのか? 顔を良く見せよう、変化をつけよう、と思った時にできる…
スーツのベストがあるメリット!着こなしや種類を解説ベストと聞くと、どんなイメージだろう? なんとなくしっかりしたイメージ? ベストの魅…
人はなぜスーツを着るの?答えは落花生にあった!出石尚三先生に聞く、スーツ本日は銀座ファッションアカデミアという洋服屋の勉強会だが、専門的なお話しではなくて、…
ブートニエールを結婚式で付ける意味は?ブートニエールとは、ジャケットの襟穴に付ける一輪の花。 これは、もともとはプロポーズ…
初公開!ハードボイルドの本当の語源オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。 8月に入った。 小雨も手伝…
関連カテゴリーの人気記事 週間ランキング
-
1
おしゃれな服屋に入りづらい!服屋が語る店員の気持ちと飛び込むメリット
-
2
岸田総理のスーツスタイル
-
3
なぜヨーロッパに行く時にボタンダウンシャツを着てはいけないのか?結婚式は?ビジネスは?徹底解説
-
4
スティーブ・ジョブズはスーツを着ていた!黒のタートルネックだけではなかった理由
-
5
英国人の結婚式の服装と日本人だからタキシード文化を残せるのではないか?と思った話
-
6
服装は引き算?シンプルな上質ネイビースーツに滲み出るセンス
-
7
イタリア人は知っていた スーツにはハイソックス(ロングホーズ)を!あなたのスネは不快感を与えている?
-
8
なぜ皇室の即位の礼の服装は、燕尾服とモーニングが混ざっているのか?
-
9
仕事がデキる人は知っていた!気分が乗らない時は服の力を借りてキャリアアップ