スティーブ・ジョブズはスーツを着ていた!黒のタートルネックだけではなかった理由
スティーブ・ジョブズというと、アップル創業者であり、一度はアップルを追い出されつつも返り咲いた、伝説の経営者といっても過言ではありませんね。
ジョブズというと黒のタートルネックに、ジーンズというスタイルを連想させるのは私だけではないはずです。
しかし、実はスーツも着たことをご存知でしたか?
それも、とびきり上質なスーツを。
なぜスーツを着たのでしょう?
いつ?
そして、どうして普段はスーツを着なかったのでしょう?
結論 スティーブ・ジョブズがスーツを着ていた時
まず、結論から言うとスティーブ・ジョブズがスーツを着ていたのは、
・投資家や金融関係者と会う時
でした。
・ブリオーニ(イタリアの高級スーツ)
を着ていました。
投資家への印象は事業の行方を左右するといっても過言ではありません。
スティブジョブズは、その日会う相手を考え、自己表現としてスーツを着たのでしょう。
スーツの方が戦略的に有利、という判断もあったのかもしれません。
世界的に、スーツではなくてTシャツにジャケットでも良いではないか!という風潮は確かにあります。
ですが、スーツの方が良い場合も多々あります。
スティブジョブズはいつもタートルネックにリーバイスを履いて、服装に考えを割く時間と労力を少なくし、経営に集中した!と聞くこともありますが、時には戦略的に服装を組み立てていたことになります。
スティーブ・ジョブズの服に対してのこだわり
またいつも同じ服、というと服装に気をつかっていない!というイメージもあるかもしれません。
ですが、私はそうは思いません。
あれほどの洗練されたアップル製品をリリースしたスティブジョブズが、服装に無頓着だったとは考えづらいです。
実際にスティブジョブズは黒のタートルネックをイッセイミヤケに発注したといいます。
それも、数百枚とも言われています。
1980年代に、彼が憧れていた企業であるソニーの厚木工場を訪問したときのことです。働く従業員たちがISSEI MIYAKEのデザインのユニフォームを着用している光景を見て、こう質問したそうです。
「なぜ、従業員たちが同じ服装で働いているのか?」
それに対して、創業者の盛田昭夫氏による「制服を着ることでソニーの一員ということを実感することができるんですよ」という言葉に、彼は深く感銘を受けたそうです。
それが縁となり、ジョブズはニューヨークのISSEI MIYAKEのブティックで黒に近い濃紺のタートルネックのTシャツをまとめ買いしました。これが彼自身のユニフォームとなります。
一流に見える服装術 たかぎこういち著より引用
ジョブズは日本で禅を学んだと言われますが、こうした考えも服装に現れたのではないでしょうか。
シンプルながらも、芯やこだわりを感じます。
ある年、納品していたタートルネック素材製造が中止になったそうです。
しかし、その後お気に入りのタートルネックは廃盤商品となってしまいました。当時の様子をISSEI MIYAKEの元メンズデザイナーであった滝沢直己氏によると、販売が終了していたので特別注文で作ることにしたそうです。全面に1本の縫い目が入ったタートルネックのTシャツです。ジョブズは「このラインがあるとすごく落ち着く。素材も色もパーフェクトだ」と評価していました。
その後、仮縫いを終え、仕上げたタートルネック数百枚がアメリカへ納品されました。ところが、すぐに返品されてしまったのです。同じ色、同じ加工でも素材の風合いが微妙に少し違ったそうです。
一流に見える服装術 たかぎこういち著より引用
似たものを作って納品したそうです。
それを、
「違う!」とジョブズは返品したと。
そのくらい服の細部にこだわっていた方なのです。
職人肌の滝沢氏は、ジョブズの指摘についてテキスタイルデザイナーと話し込み、素材から作り直しました。
タートルネックは再度納品されると、ジョブズからお礼とともに「これこそ、自分が求めていたものだ」とあらためて数百枚のオーダーがきたそうです。ジョブズが服装にも完璧を求めることが伝わる逸話です。
一流に見える服装術 たかぎこういち著より引用
スティーブ・ジョブズも知っていた洋服のパワー
スティブジョブズは銀行に行く時にスーツを着たと言いましたが、他にもスーツ姿が残っています。
例えば、第1回ウエストコースト・コンピュータ・フェア。
1977年、ジョブズはスーツ姿でブースに立っています。
マッキントッシュ発表の際はボウタイ(蝶ネクタイ)姿ですし、タキシードも着ています。
TPOによって服装、印象というものを考えていたのだと思います。
シーンや、見せるべき印象、あるべき姿、気候、それに精神性、、
装うということは深いです。
洋服、服装にはパワーがあります。
あなたの服装を見た、偶然会った方は、あなたの見た目情報を受け取ります。
それで無意識に判断しているわけです。
なるほど、こういう人なのかな、と。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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