靴・シャツ選びのポイントは?ニューヨーク30年ケン青木氏に聞く
こんにちは、松はじめです。
先日、ニューヨークから帰国された青木さんに、ビジネスシーンにおける靴の選び方や考え方についてお話を伺う機会がありました。革靴は日本の伝統的な文化にはなかったアイテムだけに、その使い分けや選び方に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回は、グローバルなビジネスシーンで通用する靴の考え方について、青木さんの貴重な知見をシェアしたいと思います。
東京で増えた「紐靴」という選択

青木さんが東京の街を歩いていて感じたのは、紐靴を履いている人が明らかに増えたということでした。かつては「銀座靴」と呼ばれる紐なしのスリップオンタイプが主流だった時代もありました。接待などで座敷に上がったり降りたりする際に、紐靴は不便だという考え方があったからです。
しかし今では、紐靴を綺麗に履きこなしている方が増えています。これは非常に良い傾向だと青木さんは評価されていました。なぜなら、ビジネスシーンにおいては「紐靴が基本」だからです。
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なぜビジネスでは紐靴なのか
欧米では家の中でも靴を履く生活スタイルが一般的ですが、紐靴には重要な意味があります。それは「タイアップ」という概念です。
まず靴下をきちんと上げ、そして紐をしっかりと締める。この一連の動作を「タイアップ」や「プルアップ」と呼びます。軍隊でも紐靴が基本とされているように、紐を締めるという行為には、気持ちを引き締め、仕事モードに切り替えるという意味が込められているのです。
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黒と茶色、使い分けの本質

ビジネスシューズには大きく分けて黒と茶色がありますが、この使い分けにも明確な理由があります。
ロンドンでは、仕事用の靴は圧倒的に黒が多いそうです。一方、茶色の靴はカジュアルな印象が強く、スエード素材も含めて「カントリーサイド」、つまり田舎や休日を連想させるアイテムとされています。
これは英国のアッパークラスのライフスタイルに由来しています。彼らは田舎に本宅を持ち、都市部にタウンハウス(アパートメント)を所有し、平日は都市で働き、週末は田舎の本宅に戻るという生活をしています。この「タウン&カントリー」という概念が、靴の色使いにも反映されているのです。
ちなみに、ニューヨークでもマンハッタンのアパートメントは非常に高額で、ワンルームでも月3,000ドル(約33〜34万円)もするそうです。それでも資産価値が上がり続けているため、投資としても魅力的だとか。
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どのくらいの価格帯の靴を選ぶべきか
では、実際にどの程度の価格帯の靴を選ぶべきなのでしょうか。
会社で役職についている方であれば、グッドイヤーウェルト製法の革底の紐靴が推奨されます。この製法はアメリカで発明された靴底の縫製技術で、耐久性に優れています。
価格帯としては、アメリカ製にこだわらなければ150〜200ドル程度から購入可能です。アメリカ製の牛革のものであれば、300〜400ドル程度が相場となります。
興味深いのは、靴底の素材による階層の違いです。エグゼクティブクラスの方は革底を選び、ミドル以下のクラスの方はゴム底を選ぶという、暗黙の了解が今でも存在するそうです。社内でのヒエラルキーや役職に応じた装いが求められるのは、日本もアメリカも同じなのです。
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シャツのディテールが語るもの

靴だけでなく、シャツのディテールにも階層が表れます。
立場のある方はフレンチカフ(ダブルカフス)のシャツにカフリンクスをつけることが求められます。このスタイルには胸ポケットがないのが一般的です。最近の日本の既製品シャツも胸ポケットがなくなってきていますが、これも同じ流れと言えるでしょう。
また、袖口の調整ボタンにも意味があります。袖に2個のボタンがついていて調整できるタイプは確かに便利ですが、上級管理職の方はオーダーメイドのシャツを着用しているため、手首のサイズも正確に測定されています。つまり、調整ボタンは必要ないのです。
こうした細かいディテールを「見ている人は見ている」というのが、グローバルなビジネスシーンの現実なのです。
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ネクタイの締め方にも流儀がある

ネクタイについても興味深い話がありました。
いわゆる「ディンプル」と呼ばれるくぼみをつけるかどうか、結び方を左右非対称にするかどうかなど、細かなスタイルの違いがあります。しかし、英国のビジネスマンの多くは、ルーズには締めません。きっちりと上まで締め上げるのが基本です。
だからこそ、仕事が終わってネクタイを緩めるときのギャップが生まれるのだと青木さんは指摘されていました。日本ではメディア関係者などがルーズに締めた「こなれ感」を演出することもありますが、本格的なビジネスシーンでは、締めるべき場面ではしっかりと締めるのが鉄則なのです。
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まとめ:装いは自分の立場を示すもの
今回の青木さんのお話から学んだのは、ビジネスにおける装いとは単なるファッションではなく、自分の立場や姿勢を示すコミュニケーションツールだということです。
紐靴を選び、きちんと紐を締める。フレンチカフのシャツにカフリンクスをつける。ネクタイはしっかりと締め上げる。こうした一つ一つの選択が、あなたのプロフェッショナリズムを物語るのです。
グローバルなビジネスシーンで活躍するためには、こうした「装いの文法」を理解し、実践することが大切です。細部にまで気を配った装いは、あなたの仕事に対する真摯な姿勢を雄弁に語ってくれるはずです。
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2025年12月13日
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