【衝撃】なぜ結婚式の服装で黒スーツを着てはいけないのか
普段スーツを着ない方であっても、避けては通れないといっても過言ではないのが、結婚式ではないだろうか。
普段スーツであっても、いざとなると何を着ようか、と悩む。
あれ、◯◯(奥様の名前)礼服どこだっけ?といつもの黒いスーツを着用すれば良いと考えていないだろうか?
黒スーツはダメだ、捨てなさいなどと言うつもりはさらさらないし、黒の方が良い場面もある。
ただ、今日はなぜ結婚式で黒スーツを避けるのもひとつか?
そもそもなぜ黒スーツを着る文化になったのだろうか?について解説しよう。
実は黒いスーツは・・・ガラパゴス・スーツ
ドレスコードとタキシード
お祝いする気持ちが大切
モーニングやタキシードの色は
ネイビーはビジネススーツでも鉄板
これからは人と被らず、さり気ないお洒落を
結婚式の服装は三者三様
最適な装いを、ジャストサイズで臨みたい
日本ではビジネスシーンでも黒いスーツを着用している文化がある。
もし外資系企業の友人がいたならばぜひその方に聞いてみて欲しいのだが、アメリカをはじめ、特にヨーロッパでは基本的にビジネススーツで黒を着ることは限りなく少ない。
この記事の後半で、実際の写真とともにお伝えするが、
ビジネススーツならネイビーやグレーが基本となり、ブラウンもカジュアルだからNGという企業も少なくない。
では黒スーツはなせ大衆化したのだろう?
実は、突き詰めると日本独自文化とも考えらる黒スーツ(中国でもよく見かける)
これは、冠婚葬祭、これ1着あれば全てOK!のようなフレーズを販売促進の目的からアパレル企業やスーツ店などが作ったともいわれている。
文明開化後、もともとは既製服は存在しなかったわけだ。
あるのは英国式注文洋服店のみだ。
そのような仕立て服は当時なかなか一般の仕事の人には手が届きにくい服で、給料の数ヶ月分以上と、非常に高価なものだった。
その後、アメリカ式の大量生産・既製服が入ってきた。
1着1着仕立てなくても、1つパターンを作って、グレーディングしてコピーアンドペーストして安くなった。
すぐさま日本にも広がって、その後、スーツ量販店というのが登場した。
こうして現代の日本では9,800円でもスーツは揃えることができるのだ。
テーマに合わせて注文洋服店に要望を言って、仕立てる、
そういう風にじっくり時間とコストをかけて服を着よう、という時代から、
コンセプトはショップが作る、こう着てください、こういう服だから!!
というような強い提案をして、消費者が気に入れば買う、そんなブランドが提案する時代にスイッチして、
さらにその後、そうやってデザイナーがデザインしたものすら、似せて大量に作らせるようになって、中国→ベトナム→バングラデシュなどと人件費の安い国で製造することで、どんどん価格は下がっていったのだ。
そのようなわけで、
結婚式には黒スーツを着るべきです!というのも、日本のアパレル業界や大量に作って売るマーケティングのような発想から生まれた、ある意味独自のスーツ文化【ガラパゴス・スーツ文化】ともいえるのだ。
実は、そもそも礼服、という言葉自体が日本的でなのではないだろうか?と私は疑問を持った。
西洋では礼装(れいそう)というような言葉がある。
きちんとした場面ではこの服とこの小物を、こう合わせる、という型があるのだ。
だから、服単体ではなくて、それを装って一つのスタイルになるのだから、礼服を着ればOKだよ、という考え方ではないのだ。
この礼装の指定が、ドレスコードと呼ばれるのだが、
例えばドレスコードに【ブラックタイ】とあればそれはタキシードスタイルでお越しください、という意味になるのだ。
ドレスコード指定にブラックタイとあったなら、
タキシードの上下を適当に着崩して装わない方が良いし、
着崩して装ったならばそれはファッションを表現することになる。
ドレスコードの話になったのだが、
ドレスコードは主催側が指定するのだ。
しかし指定されていない場合ももちろんある。
友人の結婚披露パーティーも服装の指定をされることはないかもしれない。
さて、どうしよう・・・
指定されないから何を着ても良い、というわけではない。
まず、ルールというよりも祝福する気持ちや、その方や想いを服で表現することが一番大切だ。
さて、ここで黒い服に戻るのだが、
前述したタキシードのように、黒い服は確かに存在する。
午前や日中に着る、モーニング・コート、夜の演奏会でバイオリニストが着る、テイル・コート(燕尾服)も上下は黒だ。
モーニング・コートやテイル・コートを着る場合は、ドレスコードの指定があって着るという場合が多いだろう。
内閣の組閣といえばモーニングだが、新婦の父としてもモーニング、という風潮が日本にはある。
そして、モーニングコートやテイルコート、タキシードを着る場面では、基本的にきちんとした装いのルールに基づいている必要がある。
ということで、むしろ装いが決まっているならばそれに従えば良いのだが、
その指定がない、または平服でお越しください、というような表記の場合もある。
つまり、その場に相応しい服を考え、装って行かなければならないわけだ。
ここでテーマである黒いスーツになるのだが、
単純に黒いスーツを着ることが、その場に相応しいのだろうか?という点が重要だ。
お祝いの席で、例えばカジュアルレストランウエディングがテーマの主役に対して、
黒いスーツに白いネクタイ、では浮いてしまう。
また、欧州ではどちらかといえばネイビーの方が重宝される。
先ほどのドレスコードでいえば、厳密なフォーマルと、ややフォーマルと使い分ける方が多い。
厳密なフォーマルならタキシードを着る、
そうでない場合は割りとネイビーのスーツを着る。
タイはその場に合わせるが、日本で鉄板はシルバーといわれるが、ネイビーのタイや、家族でタイの色を統一する文化もある。
先日パリに行った時に、偶然出くわしたフランス、パリ郊外の結婚披露パーティーだ。
日中のパーティーで、列席者はネイビースーツだった。
女性も割と気軽な服装が多いが、男性はシレッとネイビースーツが多かった。
CEO同席の、早朝カフェミーティングだろうか、
ビジネススーツで見かけるのはネイビーが多い。
1泊2日くらいの出張なのか、ボストンバッグ片手に高速鉄道に向かう若手ビジネスマン。
ネイビースーツで足取りは早い。
TGV(高速鉄道)の列車待ちのビジネスマン。
少しオーバーサイズだが、色はネイビー、そして無地。
ネイビースーツで女性と会話を楽しむビジネスマン。
長い長いお昼休みは、スマートフォンを持たずに会話を楽しむ。
明るめネイビーのスーツスタイルも、爽やか。
このくらいのネイビーをパーティーで着こなしても素敵だ。
石畳の街並みにも映える。
ネイビーには忠誠という色の意味があり、だから軍隊などの制服の色にも採用されているのだ。
海を見ると落ち着く人は多いのだが、安らぎを与え、誠実な印象を与えられるのもネイビーだ。
ネイビーの色のトーンを濃くしていくと、よほど日中の太陽光でなければ黒に見えるようなネイビーがある。
これをミットナイトブルーと呼ぶのだ。
ミッドナイトブルーは、その昔、現代のように照明が発達していなかった西洋で、
ろうそくの光の中でパーティーをしていたのだが、その時に黒色よりも黒く見えたという説がある。
確かにボットーネのサロンにもミットナイトブルーのスーツがあるのだが、
暖色系の照明の元だと、黒に間違われるのだ。
むしろ黒よりも深みがある。
このスーツ、黒ではないのですね?
と言われるミッドナイトブルーのスーツ。
午後の太陽光で撮影して、かろうじてネイビーに見えるが、夕刻や室内ではどこか深みのある黒に見える。
オペラからの帰り、信号待ちをエスコートする男性。
限りなく黒に近いが、非常に濃いネイビーだ。
散歩するご夫婦、旦那様は黒ではない。ミッドナイトブルーのスーツだ。
そういった意味では、ネイビーもよいが、さらにダークトーンのミットナイトブルーのスーツを結婚式の列席の場面や、スピーチを依頼された、上司の結婚式で外せない、などの場合に使えると思う。
ミットナイトブルーならば、暗黙の了解で全員が黒スーツを着ている場面でも、浮くということもない。
夜の二次会ではボウタイなどに小物だけチェンジすれば、パーティースーツのように印象をチェンジできる。
結婚式、と一口にいっても、式場も違えば、人も違う。
主役にしかり、ゲストにしかりそうだ。
どのような家柄か、上司・取引先は来るのか?というような要素でも最適な服装は変わるだろう。
それに時間も考慮しておいた方が良い。
また七里ガ浜のレストランの結婚式に出るのと、マンダリンオリエンタルホテルの結婚式に出るのとでも違う。
このようにあまり難しく考え出すと、悩み抜いたあげく、いつものスーツで良いか、となってしまいがちだが、
そうでなく、お祝いする気持ちや、相手や当日のことを考えて装っている、というプロセスも大切ということなのだ。
あくまでも基本ルールを知りつつ、その場に合わせるのが良いと思う。
そして、やはり仕立ての良い服を、ジャストサイズで着たい。
ボットーネでも結婚式、パーティーのオーダースーツを、
スーツコンシェルジュがあなたの立ち位置や見せたい印象を考慮しながら提案している。
オーダースーツは102,000円(ベスト付122,400円)から可能なので、
春の結婚式の列席に向けて必要な方は相談してみてはどうだろう。
無料相談も可能だ、
納期があるので何事も早めが良いだろう。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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