江ノ島のBar d(バード)というバーへ 喧騒から離れた異空間で飲むシングルモルト
そのバーは、東京から1時間ほど足の伸ばした神奈川県の江ノ島にある。
江ノ島といえば海水浴にマリンスポーツなど海を連想する。
また水族館に温泉などの施設も充実していて、家族連れやカップルにも人気のスポット。
そんな江ノ島エリアに、大人の雰囲気が漂うバーを発見した。
ぜひ新宿から特急ロマンスカーに乗って訪れたいバーである。
江ノ島のBar d(バード)というバー
Bar dと書いて、バードと読む。
バードの入り口にはBar dと書かれた洒落た外壁。
小田急・片瀬江ノ島駅の脇の川沿いに、一軒家の1階のバー バードは佇んでいた。
江ノ島 Bar dのチャージは500円。
オープンはバーとしては早めの15:00からになっている。
Bar dのエントランス。
ボトルが並んでいるディスプレイも、どこか江ノ島の海を感じさせる。
それではBar dの中へ。
Bar dの店内は江ノ島とは思えない雰囲気
Bar dの中へ一歩足を踏み入れると、江ノ島とは思えない空間が。
1枚板のバーカウンターに並ぶウイスキーやリキュールの手前には、ホワイトディナージャケットを着たバーテンダー。
まるでガンジス河のような江ノ島の賑やかな海辺からは、まったく想像もつかない江ノ島のバー。
隠れ家という言葉で集約してはいけないくらいの、本格的なバー。それが七里ヶ浜ではなく、まさか片瀬江ノ島駅という数々のランドマークの入り口の脇に、ひっそり存在していたのだ。
バーカウンターの背後には、存在感のあるラウンジチェアが並ぶ。
Bar dの店内は暖かみのある木の床。
忙しく国道を走るトラックやミニバンたちの音も、4人組のサーファーの笑い声も聞こえてこない。間違いない、大人の江ノ島の聖地と呼ぶに相応しいバーだ。
入り口付近から見たバーカウンター。
そして私がもっとも驚き好きなところは、Bar dのターコイズブルーの壁面。
ターコイズブルーとアンティーク家具が調和した空間は、見た事がない・・・。この色彩感覚。江ノ島の夕暮れ時に光が差し込んだ壁と家具の陰影が想像できる。
奥のランプもムーディー。
さりげなく飾られた楽器。
ミッドセンチュリーの家具が良く合う空間。
そしてテラス席もあるので、夕暮れの心地よい海風を感じながら一杯、というのも一つ。
ということで、リバーサイドに座る。
Bar dにはメニューがない
なんとメニューはないとのことで、私はタリスカーをオーダー。
フランスでオペラを観た時のガルニエ宮の、トマトレッドの壁面と対照的なターコイズブルーの壁を眺めていると、樽の香りがふわっと届いた。
タリスカーの注がれたグラスは曇り一つなく、ジャズの広がるバーの店内で、カランと音を立てて氷はグラスをノックした。
The Whislky Fair TALIMBURG 24y 1984-2008 52%
TALIMBURGと書かれているタリスカー。心地よい余韻。
タリスカーを飲むようになったのは、友人の影響だ。
27歳の時に、やけにバーが好きな友人は私を連れ回した。彼はメニューを開くと、いちいち私に解説をした。このバーのこのメニュー、このシングルモルトは云々といった説明に始まり、グラスが運ばれてきて、口に含んでからはグルメ番組の実況中継のようだった。
私は1つ決めるとほぼ同じものを頼むのに対して、彼は常に新しい挑戦を忘れなかった。
こうして彼の口に含まれた酒たちを、私は飲んでもいないのに彼の説明で味わうことができた。彼は、俺は酔うためには飲まない。味わうために飲む。と言っていたが、味わい続けて最後は私が肩を貸すことになる。
ある日彼は、グレンチェックのスーツが欲しい、と言ったので、私は彼のスーツを誂えることになった。生地選びはウイスキー選びのようにスムーズにはいかず、悩みに悩んだ挙句に最初に良いと思った生地に戻って、決定した。
細かなディテールは私が提案した。彼は1つ要望を言った。ネームに、オーバンと入れて欲しいと。それはスコットランドのハイランド地方に蒸留所がある、彼のお気に入りのウイスキーであることを知った。
彼は私にはまだオーバンは早い、と思ったのだろうか。それとも私の好みを観察していたのだろうか。個性的でスパイシーなタリスカーを勧めてくれたというわけだ。
まとめ
江ノ島にある本格バー Bar d(バード)は、都心からわざわざ特急に乗ってでも行きたいバー。
こんな素敵なバーが江ノ島に出来ていたとは、という感じ。
カクテル、ウイスキーなどを中心のラインナップで、お酒が良くわからない方でも親切・丁寧にバーテンダーが教えてくれる雰囲気だった。
素敵なジャケットを羽織って行ってみては?
Bar d お店情報
神奈川県藤沢市片瀬海岸2-8-15
TEL:0466-53-9099
定休:水曜
営業時間:15:00~24:00
パリ逆輸入!表参道の餃子バー ギョウザバーコムアパリのオニオングラタン餃子が看板メニュー
オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。
火曜はボットーネ・クルー3人での7月を振り返るミーティングという名の食事会。
7月はみなでいい仕事ができた、一緒の釜のメシを喰おう、という日である。
ちなみに会社のことをカンパニーというけれど、これはもともとパンを一緒に食べる仲間を意味するのだそうだ。
7月はお陰様でたくさんの方の服に携わることができ、大西基之先生に来ていただいた講義も大盛況であったようで、美味しく楽しい食事会となった。
こういう食事は良いな、と思った。
さて食事会と書いたものの、今回の3人は私を含む男性。
イタリアンは畏まっているし、居酒屋というのもつまらない。
青山学院大学の脇にある、パリから逆輸入 餃子バーなるものを発見したので行ってみることにした。
そういえば青山学院大学、通称アオガクは気まぐれで学食に行ったことがある。
外部の人間でも入ることができるのだ。
GYOZA BAR Comme a Paris (ギョウザバーコムアパリ)というお店。
オープンキッチン、両サイドの壁カウンターと中央の大きなテーブル、餃子にシャンパンやワインと合わせる、というフレンチスタイルのようだ。
ところで餃子といえばこのような焼き餃子をイメージすると思うのだけれど、中国に行った時に、基本的には水餃子が食されていることに驚いた。水餃子の余ったのを、焼いてお菓子のような感覚で提供するのが焼き餃子で、中国で焼き餃子が基本のメニューにないお店も珍しくなかった。
ということを考えると、日本式餃子は焼き餃子なのだろう。
まずは野菜餃子。(やはり焼き餃子だ)
3種類のソースが登場。
手前の赤いソースはガーリック入りのトマトソース。
真ん中の緑はハーブにビネガーを合わせたソース。
奥の黒は黒ゴマと香辛料を合わせたソース。
オニオングラタン餃子は看板メニューのようだ。
ところで餃子は中国発祥ではないのだろうか?
中国>日本>フランス>日本ということなのかもしれないが、焼き餃子が中心ということはやはり日本独自進化が伝わっていると解釈してそれほど間違いはなさそう。
餃子以外のメニューもある。
マッシュルームのオイル煮。
「これが一番美味しい」と満場一致だったのがこちら。
パリも餃子も関係なかった。
ところでパリ、フランスといえばやはりファッションの国であることに変わりはないし、日曜日に歩くと結構お店も閉まっているのもフレンチ・スタイルかなと思ったけれど、フレンチ・カフというものをご存知だろうか?
フレンチカフというのは現代のシャツのダブルカフ、ダブルカフスのこと。
袖が2重になった袖口のことだ。
反対に袖が2重になっていない、いわゆる一般的なシャツの袖はシングルカフ、シングルカフスと呼ぶ。
そのフレンチカフ、ダブルカフスはフォーマルの場合に着ることが多いと思うのだが、もともとはシングルカフだったのはご存知だろうか?
19世紀、また20世紀初めもジェントルたちは基本的にシャツの襟はガチガチに固かった。
固ければ固い方が良い。
それで襟もそうだけれど当然袖口も固いのだ。
固いわけだからダブルカフスにする必要などなくて、シングルカフスにカフリンクスをしていた。
なのだけれど、時代が柔らかいソフトな襟の時代になって、袖も柔らかくなった。
これでは袖口が心もとないから、2重に折り返して強度を出したのだ。
ただし、フレンチカフというのはアメリカ英語なのだそうだ。
アメリカ人がフレンチと表現するは、ちょっと略式、、と少し軽く見ている。
ということで、この夜はパリから上陸したフレンチ餃子バーだけれど、フレンチカフにはせずに仲間との食事を楽しんだのだった。
さて、明日は何着よう?
バール ア ヴァン パルタージェ 表参道ヒルズのワインバーでランチ
表参道ヒルズの3階には飲食店が集中している。
白を基調とした、ガラス張りの明るい外観、こちらがワインのお店、正統派フレンチをタパスサイズで、というコンセプトのバール ア ヴァン パルタージェ 表参道ヒルズ店だ。
こちらはボットーネのサロンからも徒歩2分、以前ラーメンゼロという店舗だったところにできたワインバーだ。
今日はランチ、ディナーなど何度か活用させていただいているバール ア ヴァン パルタージェのランチのレポートをしてみようと思う。
本店は大阪だ、
大阪の店舗名はle comptoir(ル・コントワー)といい、コントワーとはカウンターという意味だそうだ。
ウェブサイトによれば、オープンキッチンを大きなカウンターで囲んでおり、シェフとも会話できるとのこと。
なんだか大阪っぽく暖かい感じがするが、表参道ヒルズ店はどうだろう。
それにしても、表参道にはなかなかサクッとワインを飲めるお店というのが少ない。
そしてグラスで数を揃えていて、なおかつバール ア ヴァン パルタージェは結構遅くまで営業していて、それも重宝するワインバーになる要素の一つだ。
表参道ヒルズ店の3階、
バール ア ヴァン パルタージェの入り口にはこんな張り紙が。
軽く、ワイン1杯どうですか?
そう言われると一杯いきたくなるもの。
ちょっとグラスワインを飲むのに立ち寄るのも良いのではないだろうか。
bar à vin PARTAGER
FRENCHI TAPAS & WINE
と書かれた白い看板。
店内も光がいっぱいに入っていて、とても明るい。
バール ア ヴァン パルタージェの前を通りかかったときに、《遅めのランチですか?》と気軽に声をかけてくださったスタッフの方がいたのがきっかけで入店した。
入店すると、スタッフの方は気持ちが良い声と笑顔で迎えてくださった。
ワインの奥で万遍の笑みなのは、バール ア ヴァン パルタージェ表参道ヒルズ店の店長の遠山さんだ。
クレリックシャツが良く似合う方。
私がカウンターに座ると必ず挨拶に来てくださり、時には結構話し込む。
「今度の金曜に、これを開栓しようかと。」
店長の遠山氏は伝えたくてたまらない、といった表情で話してくれた。
このワインはメルローが主体で、まろやかながら成熟感たっぷりなのだそうだ。
こういったワインがグラスで飲めるワインバーは表参道では珍しい、いや、ワインバーとしても珍しいのではないだろうか。
20食限定 シャンパーニュもセットに!
たっぷり野菜のワンプレートランチだ。
シャンパーニュ、白ワイン、赤ワイン、生ビール、サングリア、ソフトドリンク、コーヒー、紅茶から一つ選べるようだ。
その他のランチメニューはこちら。
ということで、やはりお得で人気のたっぷり野菜のプレートランチ 1500円を頼んでみる。
こちらがこの日に出てきたプレートのランチ。
スープ、サラダ、パン、メインなどが盛られてくる。ドリンクはもちろんワイン、シャンパーニュも選択可能というところも嬉しい。
この日は偶然開栓されていた、ランチでは出していないワインをいただいたのだが、この1杯のワインだけで1,500円は元をとってしまったように思う。
料理は手抜きなし、しっかり調理されていて美味しい。
ちなみにこちらがワインリストだ。
充実。
こちらは夜に来店したときの模様だ。
まずはお通し。
だいたいの方向性を伝えれば、ぴったりなワインをセレクトしていただける。
ワインや料理の素晴らしさはもちろんだが、
私もついつい足を運んでしまう理由、それは、バール ア ヴァン パルタージェで働く人々の人柄だ。
遠山店長をはじめ、全員からにじみ出ていて、
人が好きな方ばかりなのだと感じるのだ。
なんと、ここのところはご新規がガラガラという日でも、リピーターで満席近いという状態があるそうだ。
表参道ヒルズで何かイベントがある場合や、明治神宮への初詣の参拝など、特別な行事などであれば新規で満席になるわけだが、これは他店も変わらない。
そうではなく、何もない平日にもリピーターが増えているのだそうだ。
これはやはりこのカウンター越しの楽しい会話、お客との近い距離感にリピーターがついてきているのではないだろうか。
確かに、東京・表参道では珍しい、バーとも違う商店街のような距離感だ。
そういうのが嫌いな人もいるかもしれないし、私もそこまで会話を重視していなかったのだが、バール ア ヴァン パルタージェの場合はとても気持ちが良いのだ。
12月、最初に私に声をかけてくださったスタッフの方から、クリスマスカードが届いた。
バール ア ヴァン パルタージェは表参道ヒルズという好立地にあるワインバーでありながら、商店街のような距離感で会話を楽しめる、ホスピタリティに溢れるお店だ。
もちろん大阪から東京初上陸で、その上陸の地が表参道ヒルズだったようで、気合いも入っている。
飲食店が早めに閉店してしまう表参道で、閉店時間が遅めというのも大きいのではないだろうか。
何よりも、非常に高価なお店でサービスが行き届いていても、心が通っていないと興ざめするもの。
純粋に顧客のために、と追及するお店は肌で感じるものだ。
バール ア ヴァン パルタージェは表参道ヒルズにありながら、フランクな距離感が楽しいおもてなしの心に満ちたお店だ。
bar à vin PARTAGER(バール ア ヴァン パルタージェ)
http://www.partager-omotesando.com/
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目12番10号 表参道ヒルズ
TEL:03-6434-9091
ジャンル:ワインバー・フレンチバール・ビストロ
営業時間:11:30〜23:30
定休日:なし
最寄駅:表参道