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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

人はなぜスーツを着るの?答えは落花生にあった!出石尚三先生に聞く、スーツ

suit

オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。

松はじめです。

服飾評論家の出石尚三先生が、銀座ファッションアカデミアという講演のなかで、どうして人はスーツを着るんでしょう?ということを解説していました。

それは落花生を見れば答えが出る!と出石先生はおっしゃいます。

一体どういうこと?

そして、どうして私たちはきちんとしたシーンでスーツを着よう!と思うのでしょうか?

解説してみたいと思います。

この記事の目次

本日は銀座ファッションアカデミアという洋服屋の勉強会だが、専門的なお話しではなくて、スーツと落花生って似てるよね!という興味深い話になったのでぜひご紹介してみたい。

この講義の講師は、スーツの百科事典の著者でもあられる服飾評論家 出石尚三先生だ。
人はどうしてスーツを着るんだろう?というところからはじまったのだが・・・。

「誰に命令されたわけでもないんです、恥ずかしくないように、、あまたある服のなかで、セーターもカーディガンもあるのに、よりによってなぜ今日、僕がスーツを着てきたのでしょうか?」

確かに。

そんな私もスーツスタイルだ。

別にジャケットでも良いし、クルーネックのニットでも、パーカーでも許される。
法律でも強制でもないのに、スーツを着ている、これは一体何を意味しているのだろう?

スーツとは、人間包装紙

和菓子があるとする。

和菓子は箱に入っていて、包装に包装が重ねられた。

ある日、お手土産としてその和菓子を買う。
お客様のところに行った。
和菓子をお渡した瞬間に、「あら、どこどこの和菓子じゃあありませんか。」と言われる。
言われなくても、おそらく思われる。

まだ開けていないのに、あぁ、あそこの和菓子なんだわ、とまずはパッケージングでわかる。

では、もし人間に包装紙があるなら?
それは着ている服なのではないだろうか。

裸よりも服って美しい

そもそも誰も裸で街は歩けない。

いいじゃないか、どうでも、着るものなんて・・・。
そう口にする人でも、何かの服を着て街を歩く。

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”izuishi.jpg” name=”出石 尚三 先生” ]服は美。裸は醜。
僕は風呂場で、俺の体なんて美しいんだろう!と思うか?というと思えませんよ。
まだしも服を着てる方が精神に耐える。

例えば、最近の若者が細いパンツを履いている。

その脚線美は美しいんでしょうか?
その美でない醜である場合に、それをトラウザーズ(パンツ)で包み隠すという意味合いを持っているんです。[/speech_bubble]

確かに、どこからどう見ても美青年で美しい肉体、そんな人がいたら別だ。
でも、服、特にスーツというものは、外側でいかに作り上げるか?ということなのではないか?
体よりも美しいフォルムをどうやってスーツで作るか?なのだ。

本当は怖い、服とスーツ

出石先生によれば、1825年に、フランスのジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランという方が味覚の生理学という本の中に、【君の食べているものを言ってみたまえ。ならば君がいかなる人物か言ってあててみよう?】とあるのだそうだ。

食べているものを聞いただけで僕は、育ち、家柄、ライフスタイルも仕事も当てられるよ、ということだ。

ところが、服は聞かなくてもわかるわけだ。
あなたが服を着た姿を、会えば見ることができるのだから。

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”izuishi.jpg” name=”出石 尚三 先生” ]ブリア=サヴァランは美食の権威(本業は弁護士)。

美食家ならぬ、美服家という方が仮にいたとします。
誰にも強制されずに、その服を着ている。
ということは、その服に意思や趣味、美学が入ってるんです。

すみません、今日赤い服着てこようと思ったんですけど、妻がこっちを着ろ、と言うもので・・・
本当はこの服じゃあないんですよ、私を見ないでください。
そういうわけには行かないんですよ。

というこうことはですよ、スーツは良識・識別服。

その人が普段どういうことを考えて、何をして、何を着ているのか?
精神的にはオープンにしてるんです。
私はこの服が良いと思うくらいの人間です、と歩いてる。
スーツは怖いです。[/speech_bubble]

言わないだけで、この人はこういう人なのか。ふーん。

そういう風に、服を通してあなたを相手に伝えている。

原点に戻って考えてみると、どんな服を着るかって大事を通り越して怖い。
私たちは、なんとなくこの人って良さそう!とか、裏がありそう・・・と判断している。
それは、見た目によるところが大きい。

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”7Q6A3743_result-860×573.jpg” name=”松はじめ” ]顔よりも面積を占めているのは、服です。
仲の良い方や属しているグループの方を見てみましょう、なんとなく同じ雰囲気の服装の方が多くありませんか?[/speech_bubble]

落花生とスーツスタイルの意外な共通点

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”izuishi.jpg” name=”出石 尚三 先生” ]落花生です。
先から割ってくださいということになっています。
薄皮もむいて。[/speech_bubble]

出石尚三先生が取り出したのは、まぎれもない落花生だった。

落花生は独特だ。
まず、花が咲く。

次に、花が地面に落ちる。

そして地中に潜って、つるになる。

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”izuishi.jpg” name=”出石 尚三 先生” ]

神様がこの植物に与えた生態なんです。
花が落ちて、薄皮に包まれて生き延びる。

花っていっぱいあるでしょう、花が落ちたら終わり。
でも落花生は生き延びるんです。
薄皮と外の硬い皮に包まれるから。

スーツに当てはめると、似てるなあと思いませんか?
僕たちは裸のまんまでは生きられないんです。

外にも出られない。
せめて下着がないといけない。

この形、良く見てもらえます?
窮屈でもなく、ルーズすぎることもない。
これをみんなわかってないんです。
ちょうどいい関係でしょう?

これがフォルムなんです。
中の豆があっての、外のフォルムでしょう。
なんの細工もないわけです。
そういう風に、天然自然よりも勝るものはないんです。
神が作った姿なんですよ。

[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”7Q6A3743_result-860×573.jpg” name=”松はじめ” ]スーツを、何気なく着てる方も少なくないと思います。
でも、スーツはどうやって洗練されたフォルムに見せるか?を何百年もかけて美しくできあがっているのです。[/speech_bubble]

世界の大統領はなぜスーツを着るのだろう?

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”7Q6A3743_result-860×573.jpg” name=”松はじめ” ]もう少し具体的な話をすると、アメリカ大統領とロシア大統領が会って会談をするとする。
なぜスーツなのでしょう?[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”izuishi.jpg” name=”出石 尚三 先生” ]

プロトコールとか何にも出ていないんです。
アメリカ大統領はすべからくスーツを着用とはありません。
それなのになぜ世界を代表する国のトップがスーツを着るのでしょう?

良識・識別は、国際社会でもほぼ同じことが言えるんです。[/speech_bubble]

そう、スーツは共通のランゲージ(言語)なのだ。
これを着ているということは、信頼に足る人だ。と相手は思う。
そんな魔法の服ではないか?

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”izuishi.jpg” name=”出石 尚三 先生” ]

スーツは着る言語なんです。
話し言葉以前に着るものでも何か発信してる。
黙ってても、発信してる。
着る、言語なんです。

言葉がなければコミュニケートできません。
けれどもコミュニケートしてしまっている。
着るということは、無言で語っている。
それは国際的にもそうですよ。

[/speech_bubble]

人はどうしてスーツを着るのだろう?まとめ

人はどうしてスーツを着るのだろう?
それは、きちんとスーツを着ている人が良識のある人だ!と思われる服だ、ということと関連しているかもしれない。

良いスーツをきちんと着ると、気持ちが引き締まる。

良いスーツをきちんと着ると、周囲の人の見る目が変わる。

あなたが思っている以上に、あなたのスーツや服装は見られている。

新入社員研修に疲れたブラックスーツの男性・女性をみかける。
みんな自分を押し殺したような同じようなネクタイで、同じようなバッグを持っている。

私は4月になると心がウキウキする。
春色のライト・ウォーム・グレーのスーツは袖を通すだけで心が晴れやかになる。それに合うシャツをコーディネートして、ピンクのペイズリーのネクタイを合わせる。この季節は過ごしやすい気候だから、とにかく持っているスーツを総動員してでもスーツを着たくなる。

毎日テーマを決めて、これとこれを着よう!とスーツを着るのだ。
オーダーサロンをやっているのだから当然、と言われたらそうかもしれないのだが。

先日、妻が息子の小学校に行った時に、こう言われたと聞いた。

「旦那さん良く見かけるよ、いつもオシャレなスーツを着ている人だよね。」

え?どこで見られてる?いつもって??

オシャレかどうか?は人が決めることだ。それにオシャレですね!と言われているということは服が浮いているよね!ということかもしれない・・・が、そういうことではなくて、私はそれを聞いて悟った、確かに見られているんだ、と。
(失礼ながらこちらはその方のことは見えていないのに。)

人間裸では歩けない。

落花生のように、そして和菓子のパッケージのように、あぁ、あの人ってこうだわ。というパッケージが服。
服の中でも、フィットした良いスーツは着こなすだけで国際的に良識ある人だ!と思われる共通言語というわけだ。

これをうまく生かして自分のものにする手はないではないか。

ということで、今日はいつもよりちょっとだけネクタイを結ぶのに時間をかけて、良いスーツで自分をラッピングしてみてはどうだろう?
クールビズに入る前に・・・。

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2018年4月19日
スーツの着こなし術 | ジェントルマンの知識

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