フランネルのスーツはビジネスでも着れる?時期はいつまで?
この記事の目次
フランネルのスーツはいつまで着れるのか?
最近もご納品が続いているフランネルのスーツ。
「フランネルかっこいいけど、冬しか着れないからなあ、、、」
冬スーツの代名詞といっても過言ではありませんが、オーダーする際にこんな風に悩んでいる方がたくさんいらっしゃいます。
確かにせっかくオーダーしたスーツですから、できるだけたくさん着用したいですよね。
お気持ちはよーーーーく分かります。
実際フランネルの着用期間は、
●11月~2月がメイン
●3月は気候的にはまだまだ切れる、でも気分としては…?
となると思います。
まさに今現在(11月末)はフランネルスーツが丁度良いですし、もう少し寒さが増してくるとフランネルスーツの上からコートを羽織れば最高に暖かいはずです。
3月はまだまだ寒い日もありますが、季節としてはもう『春』ですから、冬に着ていた物は少しずつ出番を少なくし、春らしい爽やかな服装を楽しみたいところ。
ですので3月は、着れるけど、少しずつ春の準備を!って感じです。
・
・
・
ビジネスシーンにおけるフランネル
「普段の仕事で着るからな、、、」とフランネルをためらってしまう方がたくさんいらっしゃいます。
でも、冷静に考えてみると『フランネルがビジネスNGな理由』って何がありますかね?笑
派手な色のスーツだとすれば、「相手にマイナスな印象(軽い、チャラい)を与えてしまう」とかあると思うのですが、フランネルのスーツを着ていてマイナスな印象を与えてしまうことなんて絶対にないと思います。
柄が気になるようでしたら、無地のフランネルでも当然たくさんの魅力的な生地の中から選べます。
無地のネイビーやグレーのフランネルでしたらビジネスでも100%OKだと思いますし、礼装のルールとしても「フランネルはNG」なんてことは絶対におきません。
つまり、フランネルがダメな理由なんて無いんですよね。
とはいえ、会社のルールだったり雰囲気だったりは人それぞれでしょうから、結局は皆様にゆだねるしかありません。
ですので服屋としては、「フランネルは絶対OKだと思いますよ!」と堂々とお伝えしています。
あとは皆様次第なのです。
・
・
・
初のフランネル、初のダブル
これまでに何度もその魅力をお伝えしてきたフランネル。
今シーズンも何着もご納品させていただきましたが、初めてフランネルに挑戦される方は皆「結構しっかりしてますね…。」と最初は驚かれます。
ご納品の際は、私共フィッターの全身チェックに加え、立ち座りやデスクワークの姿勢など実生活での着用シーンを想定して着心地を確認しています。
そうこうしているとあっという間に15分20分と時間が過ぎるのですが、「なんだかもう馴染んできた気がします!笑」と、最初に感じていた違和感がなくなる方が多いのです。
よほど極端な物でない限り、生地は違えどスーツはスーツ、ジャケットはジャケットです。
身体に合っているものは着用していくにつれてどんどん自分に合うように育っていき、それは生地がハードであればあるほど実感できます。
それはイタリア生地とイギリス生地の違いでもあり、革好きの男性がどんどん武骨でハードな革製品に惹かれていくように、スーツも「オールシーズン」という枠から飛び出すと今までと違う景色を見ることができます。
・
・
・
その季節にだけ楽しめるもの
「使用期間が短いから安物で良い」
そんな考えが一般的になっているように感じます。
実際私もそういう部分は確かにあるのですが、服に関して言えば、そうでないことを知っています。
コンビニのビニール傘ではなく、例えば英国製のフォックス・アンブレラの傘を持って家を出ればたとえ雨の日であっても気分は高まり、きれいな色の薄手のセーターは、春や秋の装いをよりおしゃれにしてくれます。
これば一例にすぎず、もっと身近なことであれば「季節毎に服を変える」これだけでも全然違うのです。
私がたまに見ていたYoutuberがいるのですが、その人は何事も効率重視だそうで、服装に関して一つのこだわりをもっていました。
効率重視=服装、、、その行き着く先は一つしかありません。
誰もが一度は聞いたことのある、スティーブ・ジョブスの習慣です。
「服はいつも同じ」ってやつ、効率重視でなかったとしても、ミニマリズムの世界では服の固定化はよく出てきます。
(ちなみにスティーブ・ジョブスは固定化した服には相当こだわっていました。)
正直、あまりにもつまらないなと思ってしまいます。
私なら絶対にしない。
年中シャカシャカのパンツに黒のTシャツかロンT、冬にはその上から黒のダウン。
本人たちはそれが理にかなっていると思うのでしょうが、近くの人が毎日同じ服装って私は普通に嫌ですけどね…笑
とまあ、この辺の感じ方は人それぞれ。私が変わっているのかもしれません。
これからの季節は色々重ね着もできますし、カシミアやキャメルなどの素材は秋冬にしか着れないものです。
でも、『その季節に着られるもの』には理由があり、それが実用性であろうが昔からの名残りであろうが、経験した人にしか味わえない豊かさを感じさせてくれます。
春はコットン、夏はリネン、秋はウール、冬はカシミアと、定番の素材は、化学繊維にはない良さ(見た目・着心地・体感)があるのです。
・
・
・
冬のスーツはフランネル
ということで、冬のスーツの代表格、フランネル。
こちらのスーツは、イタリアCANONICO社のフランネルですが、十分な厚みのある本格的な生地でありながら、コストパフォーマンスもかなり良く毎年非常に人気があります。
●色:チャコールグレー
●柄:チョーク・ストライプ
ただのストライプでないんです、チョーク・ストライプ。
名前の通りチョークで引いた線のように、かすれているのが一番の特徴で、これがフランネルと抜群に相性が良く、『フランネルといえば、チョークストライプ』といっても過言ではありません。
普通のストライプよりも幅が広いことが多く、パッと見では派手に見えるかもしれませんが、線が掠れていると意外と所長が抑えられるんです。
フランネルは着用していると毛並みが多少潰れてくるので、ストライプは余計目立たなくなります。
かっこいいな!と思った方は是非チャレンジしてほしい柄です。
今回のお客様は、ジャケットはダブルで仕上げています。
ダブルとなる更に挑戦的なオーダーになると思いますが、最近は服装の縛りがほとんどない企業も多く、ボットーネのお客様でもダブルにする方が増えています。
細身の方がダブルをきると、スマートでカッコいいですよね。
「憧れてて、自分もいつかは…と思っていたんです」と、欲しいけど、遠慮していた方が今年は一歩踏み出していただきました。
皆様これからの季節ガシガシ着用してほしいと思います。
水牛ボタンに足元はシングル仕様。
この辺はお好みでいいと思います。
特にご希望がない場合は私共で「こういうのはどうでしょう?」としっかりお客様のライフスタイルに合わせてご提案させていただきます。
手入れのされた、きれいなホールカットのシューズ。
フランネルは本当に暖かいので、まだコートは必要ありません。
気温に合わせてマフラーをするくらいでも十分に暖かい。
重厚なコートもかっこいいですが、フランネルの上から着用するのであれば、少し薄手のコートでもちょうどいいと思います。
それはそれで、妄想が膨らみますね。
これから色々な着こなしを楽しんでいたけると嬉しいです。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2023年11月25日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
おすすめ記事
- スーツをクリーニングに出す時の注意!ドライクリーニングが臭う?結論 ドライクリーニングでは汗が落ちにくい ドライクリーニングとは、石油系溶剤を使用…
- 3分でわかる初めてのオーダースーツの打ち合わせの流れ!既製服との違いの講義をしましたオーダースーツ作りはコンセプトを話し合うことが出発点 オーダースーツを仕立てよう、と…
- ブルックスブラザーズ展に行けなかった人のためにブログでご紹介!200年の歴史とボタンダウンやアメリカのスタイル2018年11月30日まで文化学園服飾博物館で開催されていたのが、ブルックスブラザー…
- オーダースーツのユニークな裏地をご紹介さて、その他ユニークな裏地はいろいろあるのでご紹介します。 スーツというと西洋が起源…
- スーツ好きが集う!台湾スーツウォークはアジア最大級のファッションイベントだったスーツで歩くイベント? 台湾スーツウォークとは、スーツやジャケットなどを装って台北の…
- トレンチコートなどのギャバジンという生地の正体トレンチコートは何語? もともとトレンチコートは英語でありますが、フランスでも…
- アリストン スーツ生地(ナポリ)の社内はこんな感じだナポリのマーチャント、ARISTON(アリストン)はここ数年メンズ雑誌でも取り上げら…
- ボットーネでオーダースーツを作った結果!をお客様に率直に聞いてみたW様のご職業は、弁護士なのですよね? W様:はい、弁護士をやっています。 普段は毎日…
- スーツのお台場仕立てとは?東京のあの場所と関係があった一体どうしてまた、お台場という名前なのでしょう? あの東京のお台場と何か関係が? あ…
- タキシードはなぜディナージャケットと呼ばれるのか?燕尾服から変わったカウズ島での食事の話エドワード7世が仕立てたスモーキングジャケット 1860年、英国皇太子(エドワード7…