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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

なぜタキシードにはブラックタイなのか?黒いことには意味がある

オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。

松はじめです。

みなさんはタキシードを着ることはありますか?

タキシードを着る時には、黒のボウタイを付けなければならない!とルールにありますよね。

一体なぜ黒に決まったのか?それには理由があったのです。

今日はタキシードに黒のボウタイをつけるのはなぜか?をご紹介します。

この記事の目次

もしパーティーのドレスコードに、ブラックタイと書かれていたらこの暗号はタキシードでお越しください。という意味だ。

決して黒いタイで!という意味ではないから紛らわしい。

タキシードを着る時には、基本的には黒いボウタイを合わせることになる。

一体なぜ黒いボウタイをしなければならないのだろうか?

タキシードよりも上の正装 燕尾服

まず、黒いボウタイを結ぶタキシードよりも1つ上の正装に、燕尾服がある。

こちらは白いボウタイを結ぶ。

1930年を境に燕尾服がメインの時代からタキシードがメインの時代にスイッチした。

そしてちょうど同じ頃に懐中時計から腕時計にスイッチする。

もともとは貴族は食事をする時には燕尾服を着ていた。

お食事の時間でございます!ディナーベルを執事が鳴らすと、いよいよ燕尾服で食事がスタートする。とても堅苦しい静かな食事である。

燕尾服の時は白いボウタイ

この燕尾服の時にどんなタイを付けていたのだろう?

それは白のリネンのボウタイだった。

リネンは高級品だったので、シャツやテーブルクロスも上流階級はリネンを使った。

ホテルにリネン室という表記を見たことはないだろうか?これはまさにベットシーツがリネンだったことの名残りだ。

白いリネンのボウタイは結び直しできない

白いリネンのボウタイは、もちろん手で結ぶタイプだ。

リネンには糊をしっかりとつける。

こうすることで直接汚れにくくなるし、ハリが出る。

リネンのボウタイを結ぶ時はいつも一発勝負だった。なぜかというと、リネンだから一度結んでほどくと跡が残ってしまう。

一度結んで失敗したら、そのリネンのボウタイをその日に結ぶことはできない。新しいボウタイを用意してもう一度結ぶ。

これは、ある意味で今日この日、あなたとお会いできて光栄です。というような、まさに一期一会の気持ちを服で表しているとも言われている。

タバコ用のジャケットが登場

ところで、バリバリに糊がついたボウタイも、堅苦しい燕尾服も、リラックスしたシーンには不釣り合いだった。

食事が終わると男性だけで集まってタバコを楽しむ。

この時は燕尾服の上着だけを、着丈の短いスモーキングジャケットなどに着替えてリラックスして過ごした。男性だけで、ジョークを言い、お酒を楽しんだ。

このスモーキングジャケットがショールカラーのタキシードの原型だ。

イギリスからアメリカに渡って、タキシードという名前がついた理由が面白い。それがこちらの記事

タキシードは略式

リラックスした服は、当然着やすい。

そこで燕尾服までは着なくても良いじゃないか、という食事の場ならば、タキシードでOKとしようか、という文化が定着した。

食事の時に着た時の詳しい様子がこちら

タキシードは、略式。

略式だから、いろいろな物を簡略化した。

その一つがボウタイだ。一度結んだら洗って糊づけしなければならない白いリネンのボウタイはとても不便だから、結び直しが可能なシルクではどうだろうか?となった。

そして、白は汚れる。

結ぶ時に手が触れただけでも汚れやすい白いボウタイは、品位があるが実用的ではなかった。

そこで、汚れない黒にしたのだ。

これがタキシードを着る時にはボウタイは黒!と決まっている理由の元だ。

まとめ

タキシードを着る時に、黒いボウタイをつける。

それは、汚れにくいように。

そもそも燕尾服の略式がタキシード。

汚れやすい白いボウタイは、結び直しがきかないリネン素材。一期一会の心を表している。

でももっとリラックスして、着やすい服で食事しても良いのでは?と時代が変わったため、黒のシルクのボウタイになったのだった。

なんでも単純にルールだから!と思う前に、どうしてそんなルールがあるのだろう?と知っておくととても面白いし、応用が効くようになる。

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2018年6月20日
フォーマル | オーダータキシードの歴史

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