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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

【解説】スーツ生地の世界を巡る旅 〜英・伊・仏の個性〜

みなさん、こんにちは。松はじめです。

さて、皆さん、スーツの生地について気になったことはありませんか?

特にオーダースーツをお考えの方なら、「どの国の生地を選ぶべきか」という疑問をお持ちではないかと思います。

ご存知の通り、生地の産地によってその特徴は大きく異なり、スーツとしての仕上がりにも差が生まれます。

そこで今日は、特に重要な三大産地の生地の特徴について、詳しくお話ししていきましょう。

英国生地 〜伝統が育んだ堅牢な風格〜

まずイギリス生地ですが、これが本当に面白いんです。

英国の生地って、一言で言うと「堅牢」なんですよ。

まるで鋼鉄のような、あるいは武将が着ていた鎧のような、そんな力強さを感じさせる生地なんです。

これは決して偶然ではありません。

英国テーラリングの伝統的な文化が、この特徴を生み出しています。

イギリス紳士たちは昔から、スーツに「威厳」と「耐久性」を求めてきました。

そして仕立てたスーツは、子に孫にと、世代を超えて受け継いでいく。

その価値観が、張りのある堅牢な生地造りに反映されているというわけです。

私も英国生地は大好きで、10年以上前に仕立てたスーツも未だ現役で活躍してくれています。

英国MARTIN Sons & Co(マーチンソン)のフランネル生地は、絶妙なカントリーテイストのハウンドトゥース柄がお気に入り。

ブラウン系の靴やシューズと合わせています。

イタリア生地 〜南欧が生んだ柔らかな魅力〜

アリストンのジャケット生地

一方、イタリアの生地は、まさにイタリア人の国民性を表すかのように「しなやか」で「柔らか」に重きを置いています。

使用される糸も細く、その糸を構成する繊維自体も細いものが多いですね。

着心地の良さを重視する南欧的な感性が、生地作りにも表れているんです。

英国生地は表記されることの少ないスーパー○○(原毛の細さを表す単位)も、イタリア生地においてはより重視される傾向にあります。

着用感も英国生地とは大きく異なり、体に馴染むような、まるで第二の皮膚のような心地よさがあります。

これぞまさに、イタリアンテイラリングの真髄と言えるでしょう。

こちらはソフトなジャケット生地で仕立てたものですが、発色の良さがなんともイタリアらしいと思いませんか?

色使いにおいても各国で特色があり、鮮やかな色を得意としているのはイタリアではないかと思っています。

フランス生地 〜デザイン感性と製造技術の融合〜

ドーメル オーダースーツ

そして、フランスの生地には面白い特徴があります。実は、フランスは生地の製造自体はあまり行っていないんです。

代わりに、「マーチャント」という形態を取ることが多い。

つまり、フランス人デザイナーがデザインを手掛け、実際の生産は他国で行うというスタイルです。

(もちろん英国・イタリアでもマーチャントはたくさんございます。)

これにより、フランスならではの洗練された感性と、他国の製造技術が融合した独特の生地が生まれるんです。

パリのエスプリが効いた、どこか艶のある生地たちは、多くのお客様を魅了してやみません。

コート ダブル 着こなし

フランス生地の代表的なポジションとしてドーメルが挙がることが多いかと思います。

なかでも象徴たるアマデウスシリーズは、生産は英国ですので力強さがありつつも、表情は英国生地にはあまり見られないエレガントさを持ち合わせています。

まとめ 〜それぞれの個性を活かして〜

このように、三大産地それぞれに際立った特徴があることがお分かりいただけたかと思います。

 - イギリス生地:堅牢で威厳のある仕立て映えする生地
 - イタリア生地:柔らかく、しなやかで着心地を重視した生地
 - フランス生地:デザイン性と製造技術が融合した独創的な生地

ボットーネとしては、お客様の体型や好み、ライフスタイルに合わせて、これらの生地をバランスよく提案させていただいています。

それぞれの国の特徴を知り、その良さを活かすことで、より魅力的なスーツ作りが可能になるのです。

さて、明日何着よう。

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2024年11月22日
オーダースーツ | オーダースーツの生地

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