日本人が気を付ける服装や動きとは?ニューヨーク30年在住 ケン青木さんに聞いてみた
こんにちは、松はじめです。
今日は特別なゲストをお迎えして、非常に興味深いお話を伺うことができました。ニューヨークで30年間、洋服に関わるお仕事をされてきたケン青木さんです。長年の経験から見えてきた、日本とニューヨークのファッション文化の違い、そしてビジネスシーンで本当に大切なことを教えていただきました。
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0.3秒で判断される世界
ニューヨークという街は、とにかく忙しい。誰もが時間に追われ、瞬時の判断が求められる環境です。青木さんによれば、アメリカ、特にニューヨークでは「見た目で0.3秒でその人を判断する」という文化があるそうです。
第一印象というのは、ドアを開けて「失礼します」と入った瞬間に決まってしまう。よく「ネクタイが一歩先に入ってくる」なんて言われますが、まさにその瞬間に「この人は仕事ができそうか」「相性は良さそうか」といった判断が下されているのです。
日本では「人柄」や「中身」を重視する傾向がありますが、アメリカのビジネスシーンでは、まず見た目で判断される。特に会社の上層部になればなるほど、その場で重要な判断を下さなければならない場面が多いため、パッと見の印象が極めて重要になってくるわけです。
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Vゾーンが語るあなたの全て

では、具体的にどこを見られているのか。青木さんは「Vゾーン」の重要性を強調されていました。正面から写真を撮られたとき、最初に目に入るのがこのVゾーン、つまり顔周りからネクタイ、シャツの襟にかけての部分です。
特に重要なのが、ネクタイの結び方とシャツの襟の角度です。青木さんが使う「ゆる分」という表現は少し適切ではないかもしれませんが、要するにクラシックでトラディショナルな、オーソドックスなスタイルを指しています。
ここで一つ、プロフェッショナルなポイントを教えていただきました。ネクタイの「ゴジラライン」と呼ばれる、ネクタイの結び目から出る両サイドの角度と、シャツの襟の開きの角度をほぼ合わせること。これが人間的に落ち着いた、安定した、知的に見えるポイントなのだそうです。
そう考えると、あまりにも襟が開きすぎたワイドスプレッドよりも、仕事の場においては、ミディアムスプレッドと呼ばれる100度から110度程度の開きが理想的。この角度だと、上着の襟とほぼ平行になり、バランスの取れた印象を与えることができます。
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軍服から続くクラシックスタイルの意味
クラシックなスタイルというのは、実は19世紀の軍服がルーツになっています。今私たちが着ているスーツは、軍の礼服から発展してきたものなのです。
興味深いのは「胸襟を開く」という日本語の表現。これは文字通り、胸元のボタンを外して、くつろぎと誠実さを表現するという意味があります。軍服は5個ボタンが多く、そのうち2個を外すと残りは3個。これが現代の三つボタンスーツの原型になっているというわけです。
ボタンの数が多い方が古い時代のデザイン。時代とともに、よりリラックスした、しかし威厳を保った形へと進化してきたのが、現代のビジネススーツなのです。
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ネクタイは名刺代わり

さらに興味深かったのが、ネクタイに関する話です。例えば、英国のケンブリッジやオックスフォードといった名門大学には、それぞれのカレッジごとに異なるストライプの柄があります。つまり、ネクタイは「名刺代わり」としての役割も果たしていたわけです。
右上がりと右下がりのストライプについても、アメリカとイギリスで違いがあります。イギリスのストライプは右上がり、アメリカのものは右下がり。これには諸説ありますが、青木さんが聞いた話では、兵士が左側に剣を持ち、それを抜いて振り上げたときの流れが右下がりになる、という説があるそうです。
こういった細かい歴史や意味を知ることで、ただ服を着るのではなく、自分が何を表現しているのかを意識することができるようになります。
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ボタンダウンシャツの真実

ビジネスシーンでよく議論になるのが、ボタンダウンシャツの是非です。青木さんによれば、ボタンダウンの誕生には明確な背景があります。
イギリスの服は基本的に貴族階級のもので、社会的な威厳を表現するために、背筋を伸ばして胸を張った姿勢でフィットするように作られています。対してアメリカの服は、より実用的で快適性を重視。さらに、当時のシャツの襟は非常に硬く、皮膚の薄い白人にとっては首に傷ができるほど不快なものでした。
アメリカ人は元々貴族ではなく、自分の努力で地位と収入を得る文化です。そんな彼らにとって、形式的で不快な硬い襟は我慢できないもの。そこで生まれたのがボタンダウンシャツでした。1896年にブルックスブラザーズが販売を始め、20世紀のアメリカの成長とともに、アメリカのエリートを象徴するアイテムとなったのです。
ここで注意すべきは、公的な立場にある人がボタンダウンを着るということは、「プロアメリカ」つまりアメリカを支持しているというメッセージにもなり得るということ。プライベートであれば快適性を優先して良いのですが、ビジネスシーンでは相手との関係性を考慮する必要があります。
アメリカ企業との取引が多い方なら、ボタンダウンとストライプのネクタイは有効に活用できるでしょう。しかし、そうでない場合や、より格式を重んじる場面では、ボタンダウンを控えた方が良いこともあるということです。
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まとめ – 細部に宿る誠実さ
今回、青木さんから学んだのは、ファッションは単なる見た目ではなく、自分がどう見られたいか、どんなメッセージを発信したいかということを表現する手段だということです。
日本人にとっては馴染みの薄い、ボタンダウンやワイドスプレッドの細かな違い。しかし、こういった細部に気を配ることで、第一印象は大きく変わります。特にビジネスシーンにおいては、0.3秒で判断されるという現実を理解し、Vゾーンを整え、自分が何を表現しているのかを意識することが重要です。
もちろん、これはプライベートではなく、あくまでビジネスシーンでの話。公の場で誠実さと信頼を伝えるために、ファッションという言語を使いこなす。そんな視点を持つことで、あなたのビジネスライフはより豊かになるはずです。
ニューヨークで30年間培われた知見を、ぜひ明日からの装いに活かしてみてください。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2025年10月22日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
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