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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

夏スーツ、素材選びで失敗しないために

こんにちは、ボットーネ表参道です。

日差しが少しずつ力強さを増し、表参道の街角でも軽やかな装いの方が目立ち始めています。

日本の高温多湿な夏は、ビジネスマンにとって最も過酷な季節ですが、そんな時期だからこそ「装いの力」が試される時でもあります。

「夏って何着ればいいですか?」というお声は、実際に多くのお客様から寄せられます。

「薄ければ涼しいのか?」「シワはどうすればいいのか?」

——そういった疑問に、専門家の視点からお答えします。

夏スーツに求められる「機能美」

夏用スーツ選びで最も大切なのは、見た目の涼しさと実際の快適性を両立させることです。

「オールシーズン」として販売されている生地は、実は夏か冬のどちらかの快適性を優先して設計されていることが多く、本当の意味で夏に向いているとは言えないケースも少なくありません。

また、「生地が薄ければ涼しい」というのも、実は思い込みです。

生地が薄すぎると耐久性が落ち、クリーニングの頻度が上がる夏場にはすぐにダメージが蓄積してしまいます。

着心地として、ピタッと張り付くような、べたべたした不快感もあるかもしれません。

私たちボットーネが提唱する「失敗しない夏スーツ選び」の鍵は、通気性・シワへの強さ・見た目の品格、この三つのバランスを見極めることにあります。


夏の定番「フレスコ」が信頼される理由

私たちが夏場に最も信頼を寄せている素材が「フレスコ」です。2本または3本の強撚糸を撚り合わせた糸で織られており、網戸のように生地に隙間があるのが特徴です。

一見すると少し厚手に見えますが、着てみると風がよく通り、体にこもった熱が逃げやすい構造になっています。生地にハリとコシがあるため、仕事で動き回ってもシワになりにくく、一晩ハンガーにかけておけばある程度形が戻ってくるのも嬉しいところです。

天然のウールが持つ、自然な復元力です。

このフレスコ、毎日スーツを着用される方、出張が多い方には、特におすすめしたい素材です。多少厚みがあっても、思っている以上に涼しく感じるのが面白いところで、実際に多くのお客様から支持を得ています。


「トロピカル」と「モヘア混」——軽やかさと風格のある選択

より軽やかさを重視するなら、「トロピカル」と呼ばれる平織りのウールが定番です。細くて軽量な糸を使用しており、さらりとした肌触りが日本の夏の気候によく合います。色の発色も美しく、夏のビジネスシーンで清潔感のある印象を与えてくれます。

ただ薄いだけだと、ピタッと張り付くような不快感がありますが、これらのトロピカル生地は「強撚糸(きょうねんし)」という張りの強い糸が使われる為、そのような不快感が軽減されます。

クラシックな雰囲気を好む方には「モヘア混」も選択肢に入ります。アンゴラ山羊の毛であるモヘアは、独特のシャリ感と上品な光沢があり、生地が肌に張り付きにくいため涼しく感じられます。

ただし、モヘア特有のチクチク感が苦手という方もいらっしゃいます。最近ではウール100%でモヘアに近い質感を再現したハイブリッドな生地も登場しており、快適性がぐっと上がっています。


シワと実用性のバランス——混紡素材という選択肢

「リネンやシルクの風合いは好きだけれど、シワや繊細さが心配」というビジネスマンには、複数の素材を組み合わせた「混紡(三者混・四者混)」が現実的な解答となります。

たとえば、リネンにウールを組み合わせると、リネンの清涼感はそのままに、ウールの復元力でシワを多少抑えることができます。それぞれの素材の欠点を補い合うことで、ビジネスシーンでも使える「実用的なエレガンス」が生まれます。

ただし、完璧にシワを抑えることはリネンにおいては不可能なので、あくまでもカジュアルな職場での着用に限る、という条件付きです。

また、意外な落とし穴が「コットン100%」です。夏らしいイメージを持たれがちですが、通気性はそれほど高くなく、どちらかといえば春や秋向けの素材です。夏に着用するなら、後述するシアサッカーのように、織り方で工夫されたものを選ぶのが正解です。


カジュアルシーンに映える「シアサッカー」と「リネン」

クールビズやジャケパンスタイルが許容される場面では、より季節感を楽しめる素材が活躍します。

「シアサッカー」は、表面の凹凸(しぼ)が最大の特徴です。この凸凹によって肌との接地面積が少なくなり、汗をかいてもべたつかず、物理的に涼しさを感じられる構造になっています。もともとシワのような質感があるため、アイロンがけを気にせずラフに扱えるのも実用的です。

「リネン100%」は、夏の素材として長い歴史を持つ選択肢です。吸湿性と速乾性に優れており、着ていて気持ちが良い。シワは避けられませんが、それを「味わい」として受け入れられる方にとっては、夏の一着として申し分のない贅沢さがあります。

今年は既にリネン100%のスーツを仕立て始めており、お客様の着用事例としてまたブログでご紹介できればと思います。


コンシェルジュが勧める「色」と「仕立て」

素材が決まったら、次は色と仕立てで全体を仕上げます。

夏にお勧めしたい色のひとつが「ブルーグレー」です。ダークネイビーほど重くなく、明るいブルーほどカジュアルになりすぎない、その絶妙な中間にある色です。誠実な印象と涼やかな雰囲気を自然に両立してくれるため、夏のビジネスシーンにとても馴染みます。単に明るめのブルーだと、青みが強くてちょっと若い印象になりがちなんですよね。

仕立てについては、芯地や肩パットを極力省いた「アンコン仕立て(軽量仕立て)」が夏には必要な工夫です。ただし、素材が軽くなるほど縫製の技術が如実に出るため、熟練の職人による立体的な仕立てが不可欠。その辺りがUNIQLOなどの安価なスーツ(ジャケット)との明確な違いになります。

最後にもうひとつ。夏はスーツだけでなく、シャツのサイズ感も重要です。特にネックサイズが合っていないと、どんなに素材や仕立てにこだわっても、全体の印象が締まりません。スーツとシャツはセットで見直すことをおすすめします。

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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2026年4月7日
ファッションアイテム | オーダースーツ

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