夏だ、ベージュだ。
こらから夏を迎えるにあたって、コーディネートに夏らしさを取り入れるには『ベージュ』を使いこなすに限ります。
リネン、コットンの素材であればさらに季節感を加速させ、ジャケットという一見暑そうに見える服であってもどこか涼感漂う粋な雰囲気を醸す。
色、素材、どちらも欠かせない夏らしいピースであり、着る季節が限定されるからこそ、思う存分楽しみたいですね。
ウール・シルク・リネンの3者混の生地は、夏のカジュアル素材定番の組み合わせ。
薄い・軽いを突き詰める夏素材においては、スーツ生地でもどこか平面的な、、、奥行きがない生地も多くなってしまうのですが、複数素材を混ぜ合わせ、染色も工夫された生地は表情が豊かになります。
ウール・シルク・リネンはジャケット生地を中心に良く見かける配合ですが、この生地は薄手に織られている為スーツ用に使っても問題なし。
ベージュカラーにワントーン濃いブラウンのストライプをあしらった贅沢な生地は、イタリアの生地業界では『王様』といっても過言ではないLORO PIANA(ロロ・ピアーナ)です。
2.0cm幅のストライプは一見すると派手な印象を持ってしまうと思いますが、こうした淡いトーンの生地であればいやらしさはさほどありません。
ネイビーやブラックに、はっきりとした幅広のストライプとは全く別物として考えるべき。
M様のサマー・スーツが完成しました。
見てお分かりかと思いますが、こちらのサマー・スーツはビジネス用途ではなく完全にプライベートでお召しになる想定のものです。
プライベート・スーツ(ジャケット)は、一切の制限なく、自分の思うがままに、ただ好きな色味や柄の生地でお仕立てすることができる贅沢な服ではないでしょうか。
その季節らしい素材や色味で、皆がTシャツ・短パンの中で際立つスーツの存在感。
多少のやせ我慢は必要ですが、涼しい顔をしてこんなスーツを着ていたら最高にかっこいいですよね。
ちょっと崩して、インナーはTシャツやポロシャツでもいいでしょうし、より季節感を愉しむなら是非リネンシャツに合わせていただきたいところ。
M様であれば、そこからさらにタイドアップするお姿までイメージできてしまいます。
そこはM様らしさであり、今回はリネンシャツもホワイトとサックスブルーで2着お仕立てさせていただきましたので、それぞれの着こなしを楽しんでほしいと思います。
どれも一般的な『普通』のデザインですが、スーツの生地自体が主役級ですから、このくらいのバランスがいいですね。
良い素材で料理をするときは、あれこれ味付けしないで素材の味を活かす、料理と同じです。
最近Youtubeで水彩画の先生の動画をよく見るのですが、季節の花や風景を色鮮やかにとらえ、さらに主役と脇役を区別して描いていく。
そうすると写真にはない、水彩画だからこその魅力があふれてくるそうです。
なんだかファッションも似ているような、似ていないような。
料理も、絵も、ファッションも、本質は同じなのでしょうか。
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続いては、以前ベージュのフレスコスーツをご納品させていただいたK様。
この日はベージュ・フレスコ・スーツに合わせるシャツとして、トーマスメイソンのロンドン・ストライプシャツのお渡しです。
やや太目のロンドンストライプ、ブロック・ストライプが正式名称ですね。
シャツ単品で見ると派手に見えるかもしれませんが、無地を中心とした控えめなスーツとネクタイで合わせれば程よいアクセントになりますよね。
ネクタイはグリーンのシルク素材、ジャケットを着ていると見えませんが、サスペンダーもグリーンで統一されており、見えないところにもK様のこだわりが感じられます。
ブランドはお聞きしませんでしたが、一目で質が良いネクタイであることが分かります。
シューズはブラウン・スエードのローファーに、ソックスも同色で合わせてつながりをキレイに。
素足ではないところがK様らしいですし、私も大好きなスタイルです。
スエードは冬用だと勘違いしている人がとても多いのですが、、、
まったくそんなことはありませんし、防水スプレーをすれば普通の革よりも水を弾きやすくもなりますのでこれから梅雨の季節にもぴったりなんです。
ブーツ類だと確かに秋冬感はありますが、爽快なローファーであればより通年使いやすいですね。
この太ロンストシャツ以外にも、イタリア・カンクリーニの生地で細めのロンストシャツもオーダーいただいたのですが、写真を撮り忘れてしまいました・・・。
ロンスト3連チャンです。
さすがです!笑
ベージュの色味の効果もあいまって、しっかりスーツを着ているのにどこかリラックスした雰囲気もありますね。
あまりに美しい後ろ姿に、思わずシャッターを・・・。
今くらいの気温が一番気持ちよくスーツを着れますね。
真夏までの間、3つのシャツと共に着こなしを楽しんでくださいね。
この度は素敵なオーダーをありがとうございました。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2022年5月23日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
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