クールビズのスラックス選び|素材・カラー・シルエット
日増しに春の陽気が強まり、日中には汗ばむような日も増えてきました。
この時期からオーダースーツ業界では、本格的なクールビズに向けた準備が始まります。
「ノージャケット・ノーネクタイ」が標準となる季節、全体のシルエットを決定づけるのはスラックスです。
素材、カラー、シルエットの三つの観点から、今季の最新情報もあわせて丁寧に解説いたします。
この記事の目次
クールビズ・スラックスに求められる条件

クールビズ期間のスラックスは、一年でもっとも過酷な環境にさらされます。
長時間のデスクワークによるシワ、移動中の汗によるダメージ、そして頻繁なクリーニングへの耐性。
これらすべてを同時にクリアしなければなりません。
「夏用=薄い生地」と考えがちですが、薄すぎる生地は耐久性に欠け、クリース(折り目)がすぐに消えてしまいます。
私たちが重視するのは、高い通気性を確保しながらも型崩れしにくい「ハリとコシ」を兼ね備えた生地選びです。
ただ涼しいだけでなく、夕方の退勤時までパリッとした清潔感を維持できること。
これが、ビジネスシーンのスラックスに本当に求められる条件だと思います。
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夏を乗り切るための四大おすすめ生地
ボットーネが今シーズン特におすすめする生地を四つご紹介します。
それぞれに異なる強みがあり、ライフスタイルや着用シーンにあわせて選んでいただけます。
フレスコ

強く撚りをかけた「強撚糸」を使い、網戸のように隙間を作って織り上げた生地です。抜群の通気性を持ちながら、生地自体には適度な厚みと重さがあるためシワに強く、スラックスのクリースラインが消えにくいのが最大の利点です。夏スーツ生地の中でもとりわけ長く愛されてきた定番素材で、今季も根強い人気を誇っています。
シアサッカー

表面の凸凹(畝)が肌との接地面積を最小限に抑え、物理的な涼しさを生み出します。ホワイト×ブルーのストライプが定番ですが、近年はネイビーやグレーなどの、ビジネスシーンで使いやすいバリエーションも増えています。シワが目立ちにくい特性を活かし、動きの多い日のセットアップスタイルとしても重宝しますので、カジュアルな服装でお仕事をされる方にはおすすめです。
ミスティーク(ハリソンズ)

英国ハリソンズ社が手がける「ミスティーク」は、薄くて軽いサラサラとした質感が特徴です。最上級のメリノウールをハイツイスト(高強度な撚り)に仕上げることで、薄手でありながら型崩れしにくい美しいシルエットをキープします。「軽さ=頼りなさ」というイメージを覆してくれる、実力派の一枚です。
最新ストレッチ素材(カノニコ「スーパーソニック」など)

ウール100%のような風合いを持ちながら、抜群の伸縮性を備えた生地も登場しています。
長時間の座り仕事でもストレスを感じさせず、シワにもなりにくいため、出張の多いビジネスパーソンにとって頼もしい選択肢です。
素材の進化によって、機能とドレス感が高い次元で両立されるようになってきました。
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視覚的な涼しさと品格を両立するカラー
クールビズでは、選ぶ色が相手への印象を大きく左右します。
冬と同じようにブラックやダークネイビーだけだと、どうしても重たい印象になってしまいますから、少し軽やかな色味に変更したいところです。
ブルーグレー(今季の一押し)
ネイビーほど重たくなく、ライトブルーほどカジュアルにもなりすぎない絶妙な中間色です。
視覚的な清涼感とビジネスにふさわしい落ち着きを自然に両立してくれます。
どのような色のシャツとも相性がよく、ボットーネでも今季もっともお仕立て実績の多い人気色となっています。
ミディアムグレー(迷ったらこれ)
定番のグレーの中でも、ミディアムグレーがクールビズの時期には適していると考えています。
体型をすっきり見せる効果があり、明るい色のシャツを美しく引き立てる背景色としても機能します。
まずの一本としておすすめしやすい、普遍的な選択です。
ライトトーン(ライトグレー・ベージュ・グレージュ)
より軽やかな印象を求めるなら、ニュアンスカラーの世界へ踏み出してみてください。
強い日差しの中でも涼しげな雰囲気を漂わせ、着る本人の気分も前向きに整えてくれます。
ビジネスシーンで使えるトーンの幅が広がってきた今、一本加えておくと装いに変化が生まれます。(※汗染みには注意)
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30代・40代が目指すべきシルエット

年齢を重ねるにつれ、服に求めるものも少しずつ変わってきます。
30代・40代の方々におすすめするのは、過度なタイトシルエットから卒業し、適度なゆとりを持たせた「普遍的なシルエット」です。
具体的には、腰回りに少し余裕を持たせながら、裾に向かって緩やかに細くなるテーパードラインが理想的です。
落ち着きと洗練さを自然に表現でき、生地への負荷も軽減されるためスラックスが長持ちするという実用的なメリットもあります。
「ジャストサイズが大前提、でも窮屈になりすぎない」——このさじ加減が、大人の余裕を生み出す鍵になります。
シルエットはどのくらいのゆとりが適切か迷われる方も多いです。
ご来店の際に実際にいくつかのサイズ感をお試しいただくのが、もっとも確実な方法です。ぜひお気軽にご相談ください。
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クリーンな印象を保つためのケアとディテール
どれほど素材やシルエットにこだわっても、日々のケアが伴わなければ本来の美しさは維持できません。
逆にケアができているだけで、そのスラックスは値段以上の価値を生むとも考えています。
ポイントは以下の2つです。
クリースラインを守る

スラックスの印象はセンタープレスのクリースラインで大きく変わります。
こればっかりは定期的にプレスをかけるしかありませんが、面倒くさいという方には禁じ手もあります。
ボットーネのストレッチスラックスでは、クリースラインに沿って極小のステッチを入れる仕様も選べます。
これにより、雨の日や湿気の多い日でもアイロン不要で折り目がきれいに保たれるのです。(※少しカジュアルダウンした印象になります)
着用後は必ず休ませる

汗を吸いやすい夏の衣類は、カビ対策が欠かせません。一度着用したスラックスは、1〜2日はクローゼットの外に出して湿気を逃がしてください。
着用後の丁寧なブラッシングも、繊維の隙間の汚れを取り除き、カビ予防に大きく貢献します。
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クールビズのスラックス選びは、単なる暑さ対策ではありません。
厳しい季節においてもプロフェッショナルとしての品格を保ち、相手への敬意を形に表す、そのための戦略的な選択です。
カジュアルな時代だからこそ、大きな差別化ポイントになります。
表参道のサロンでは、今回ご紹介した生地を実際に手に取ってご覧いただけます。
質感・重さ・肌に触れた瞬間の清涼感を、ぜひご自身の五感で確かめてみてください。
皆様のご来店を、心よりお待ちしております。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2026年4月10日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
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