秋冬カジュアルなら迷わず『コーデュロイ』
これまで何度も『秋冬はフランネルだ!』と言い続けてきた当ブログですが、「カジュアルなら」という条件付きでフランネルと双璧をなす生地があります。
誰もがご存知『コーデュロイ』です。
2023年もいつのまにか10月に。
あと3ヶ月で1年が終わるなんて信じられません・・・
この頃は朝晩はひんやり寒さを感じつつも、日中はまだ半袖でも過ごせるような気候です。
徐々に秋が深まってきていることを感じますが、この時期でもまだ半袖短パンの人もいますし、一方でライトアウターを羽織っている人もチラホラ見かけるようになりました。
どちらの方がおしゃれに見えるか…と言われれば、迷わず後者。
お洒落なんて旬(季節)が過ぎてしまうと急に取り残されてしまいますから、少し先取りするくらいで丁度いいんですよね。
全く関係のない話ですが、お笑い芸人のコットンさん。
キョンさんはTikTokで人気ですが、元アナウンサーである相方の西村さんはX(旧Twitter)で『服装予報』のようなことを発信されています。
天気予報だけ見て厚いのか寒いのかピンとこなかったりしますから、ちょうど今の時期頼りになりますよ。
「僕を信じてください」と言っているので、たぶん信じていいと思います。
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この記事の目次
コーデュロイはシアサッカーのような立ち位置?
ということでコーデュロイですが、個人的には夏でいうシアサッカーのような立ち位置の服かな?と思っています。
必須アイテムではないけれども、あると季節感があって素敵、でもビジネスでは着れない感じ。
また、数千円で買えるよな若者向けのセットアップとして、今はどこでも売っています。
ですから、こういうセットアップをオーダーで作るというのは非常に贅沢なことだと思います。
良い生地で仕立てたコーデュロイは使い込んでいくごとに味わいが増し、革製品のエイジングのように「育てる楽しさ」があります。
毛並みがあるので、ダメージを与えないように慎重になってしまいがちですが、あえて細かいことは気にせずガシガシ着用しましょう。
その方がコーデュロイもきっと喜んでくれるはずです。
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コーデュロイは畝の太さをよく見よう!
『メンズウェア素材の基礎知識』によると、コーデュロイとは、、、、
“コーデュロイ(Corduroy)”
日本ではコール天といわれる緯パイルの織物である。パイルのループになった部分をカットすることで経畝を作ることができる。
太い畝を鬼コールや太コールと呼び、中コール、細コールと畝の太さによって呼び分けている。
太い畝の隣に細い畝を並べた親子コールと呼ぶ物もあり多種に及ぶ。
多くは綿素材が中心であるが、近年パイルをカットする技術の向上により、ウール・コーデュロイも市場性を持つに至っている。
服を作る時点では毛の流れと逆方向を上にして、いわゆる逆毛を基本として裁断する。
このことによって、見た目に色が深みを増し白茶けることを回避できるのである。
コーデット・ベルベッティン(Corded Velveteen)ともいう。
メンズ・ウェア素材の基礎知識[毛織物編](大西基之先生 著)より抜粋
ひとくちにコーデュロイといっても、細畝・太畝によっても仕立て上がりの雰囲気は全く違うものになりますし、コーデュロイらしい独特の野暮ったさをいかに表現するか、もしくはあえてドレッシーな雰囲気にするのか、、、嬉しい悩みが付きものです。
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細畝:モダンで上品な雰囲気に
イタリア産のコーデュロイ生地によくみられる細畝のタイプは、ベルベット素材のような雰囲気もあり、コーデュロイながら非常にドレッシーな雰囲気になります。
こんな雰囲気なら、レストランで食事に行ったり、綺麗目のスラックスに合わせたりと、街中で装うのにもぴったりです。
野暮ったい雰囲気が粋なコーデュロイですが、細畝ならここはあえてネイビーなどのダークトーンを個人的に推したいと思います。
綺麗目にシャツで合わせてもよし、ハイゲージのタートルネックニットも最高の組み合わせ。
コーデュロイ自体が結構存在感がありますから、他のアイテムはできるだけシンプルにすると良さそうです。
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中畝・太畝:カントリーテイストで普段着に
畝が太くなってくると、英国産コーデュロイがいい雰囲気を出してくれます(写真はイタリア:アリストン)
タイトフィッティングよりは、少しゆとりを持たせ、カーキ系などのアースカラーを中心に選びたいところですね。
ニットをインナーに合わせるなら、ハイゲージではなくミドルゲージ、ローゲージの方が中太畝のコーデュロイには良く合うと思います。
こう見ると細畝とはだいぶ雰囲気が変わりますね。
コーデュロイは使い勝手も抜群に良く。スリーピースで仕立てれば、ジャケット、ベスト、パンツとそれぞれ別に着ることもできるし、もちろんスリーピーススタイルで着てもトラディショナル。
クタッとした感じがコーデュロイの特徴で、着こんでいくとさらに味が出るので色々な着こなしを楽しみながら育てていくのがいいですね。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2023年10月8日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | ファッションアイテム
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