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スーツを仕立てたお客様

魅力を引き出すグレースーツ(トム・フォード風)

健康的で、魅力を引き出してくれる服?

ある服飾業界の重鎮の方が『スーツは健康に良い服である』とおっしゃっていました。

ジャージやTシャツに比べると明らかに窮屈ですし、背筋を伸ばさないときれいにも見えない、勢いよくしゃがんだりするとお尻が破れることもある。

実に不便な服ですが、それが『だらしない』とは対極にあり、結果として健康に良いというお話でした。

極端かもしれませんが、一理あると私も思っています。

そしてスーツとはその人の素直な姿、ありのままが現れる服なのです。

同じようなスーツを着ていても、同じ印象にはならない。

人は皆それぞれ個性があり、唯一無二の魅力を秘めていますから、それを最大限に引き出してくれるようなスーツが求められていると思うのです。

40代・50代の方に着てほしいグレースーツ

無彩色であるグレーは、味付けのされていない食材のようなもので、素材の良さをどう活かすかは作り手次第。

作り手は私達でもあり、お客様もその一部を担っていただきます。

こだわりはあるけれども決してこれ見よがしなものではなく、スーツは素材の良さやシルエットの美しさなどを追求し、着ている人自身の魅力が内側から出てくるような、そんな服を一緒に作り上げていきたいのです。

グレーのスーツはまさにその象徴だと思います。

ネイビーのように定番色ですが、見え方って全然違うんですよね。

生地について

今回ご紹介させていただくスーツ、生地はLoroPiana(ロロ・ピアーナ)の『365』というデイリーユース向けにリリースされている新しい生地の中から、ミディアムグレーを選択されました。

M様には春夏向けのライトグレーのスーツを以前ご納品させていただいており、今度は秋・冬・春と3シーズン着用するスーツということで、見た目からも季節感漂うライトグレーから一段階濃いイメージで。

様々な生地をご覧いただきましたが、ロロ・ピアーナの生地には唯一無二の光沢があり、M様の今回のイメージにぴったりということでした。

ネイビーに比べると、どこか着こなしの難しいイメージのあるグレーですから、生地自体の存在感が少しくらいあった方がいいかもしれませんね。

グレーとブラックの2色の糸が交互に織られており、階段のようなギザギザの模様が浮かび上がります。

その見た目から『シャーク・スキン』と呼ばれている柄(というか織り?)なのですが、これによりグレーののっぺりした雰囲気をなくり、キリっと凛々しい表情をつくってくれます。

40代・50代の方にかっこよく着こなしてほしい、そんな生地ですね。

デザインについて

昨年初めてオーダーをいただき、そこから数着お仕立てさせていただいており、大まかなデザインやパターンというのは徐々に確率して着ています。

その中で、少しずつアップデートを重ねながらも、ひとつテーマを持たせて一着のスーツをつくっています。

今回のテーマは『ラペルのベリード』でした。

ベリードとは、紳士服の世界では『弓なりにカーブした襟』のことを挿すのですが、代表的なブランドで言えばトム・フォードが挙げられますね。

※ボットーネでは、過去何度もトム・フォードからデザインや雰囲気を取り入れたスーツやコートをお仕立てしてきました(まさに、今現在もトム・フォード風のスーツを製作中)。

ジャケットの顔と言える襟の雰囲気は、スーツそのものの印象を決定付けるといっても過言ではなく、ある程度の限度はあるものの、できる限りお客様のイメージ合うように調整しているポイントでもあります。

今回はどんな設計をしたかというと、『ラペルの終点から〇mmのところを〇mm広く』のようなイメージ。

かなりいい感じに仕上がりました。

M様にもご満足いただけまして何よりです。

先の尖っているピークドラペルは一般的にはビジネス向けとはされていませんが、ここ数年で市民権を得つつあると思っています。

派手なステッチとか極端なシルエットなどなければ、ピークドラペルだからと言って何か違和感があるかというと、実際そんなことは無いんです。

ケース・バイ・ケースではあると思いますが、ある程度年齢を重ね、レギュラーとして着用しているスーツも何着かお持ちであれば、ピークドラペルもありだと思います。

単純に、めちゃくちゃかっこいいですしね。

仕上がりの全体像

それでは、ご納品の際にお写真を撮らせていただきましたのでご覧ください。

全体的に細めのフィッティングながらも、出せ所はしっかり出して(ゆとりをとって)いますので窮屈感はございません。

この辺りはお店の価値観やフィッターの好み・センスにより様々なフィッティングがあると思いますが、私共はベーシック・スタンダードといった言葉がしっくりくるような仕上がりを目指しています。

その方が、その人のお人柄を表すような、本来スーツとしてあるべき姿に近づくと思っているからです。

スーツの主張・個性が強すぎると『あのブランドのスーツを着ている人』と見られてしまいます。

若い頃はそういう風に見られてもOKだと思いますが(むしろ見られたい?)、30代以降はちょっと痛いですよね…。

ですのでトムフォードのようなデザインと取り入れるとしても、あくまでスタンダードの範疇を外れないような塩梅で調整させていただきます。

そうすることで、紛れもないボットーネのスーツでありながら、お客様の個性が反映された特別な一着となるのです。

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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2023年10月20日
クライアント | スーツを仕立てたお客様

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