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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

フォーマルのシャツ 着こなしのルール 式典スーツにシャツは何を合わせるべきか?理由も解説

松はじめです。

フォーマルのシャツ、というとどのようなシャツが思い浮かびますか?

一口にフォーマルのシャツ、といってもいろいろとあります。

着る服によって、選ぶべきシャツも異なるのです。

こちらではフォーマルシャツについて、はじめて式典できちんとした服装をしなければ・・という方でもわかるようにまとめました。

また、なぜそうなのか?も解説しています。

この記事の目次

解説 フォーマルのシャツ

フォーマルのシャツには、以下のようなものがあります。

  • 燕尾服用のシャツ
  • タキシード用のシャツ
  • フォーマルなスーツ用のシャツ

この順番にフォーマル度は下がります。

演奏をする、格式高いパーティに呼ばれた、などの場合の燕尾服に合わせるシャツ、が一番フォーマル。

結婚式に、挨拶をする、というような場合はフォーマルなスーツ用シャツとなると思います。

フォーマル度の違いとは?

まず、もっともフォーマルな燕尾服用のシャツは、

・ウイングカラーです。

衿が立っている、スタンドカラーです。

もともとは先端すら折れていませんでした。

フォーマルのウイングカラー(スタンドカラー)の意味

なぜこうなっているか?の解説ですが、

もともとシャツというのは、リネン素材。

東インド会社が登場してインドからコットンが入ってくる前、シャツはリネンでしたし、シーツもリネン。そしてリネンは高級でした。

後にインドから入ったコットン(コットンの織物)はリネンの1/3という価格です。

クリーニングが現代のように当たり前でない中世ヨーロッパ。

シャツに糊をつけてガチガチに固め、汚れはそこに吸着させます。そして釜茹でして汚れを落とすのです。

そこでハードボイルドという言葉が生まれたのですが・・・

こうしてプラスチックかのごとく硬いシャツ、首元も硬く立っていました。

先端も鋭く危険なので、自然と折れ曲がったといわれます。

毎日洗ってくれ!というリクエストから、

ある女性が考えた、合理的なシステムもありました。

アメリカのトロイ(Toray)のオーランド モンタギュー婦人。

鍛冶職人で毎日シャツを洗ってほしい!というご主人のシャツの洗濯があまりに大変で・・・

衿を切り離したのです。

それで、汚れやすい衿だけ洗おうと考えたのが始まりで、衿やカフスは別売りになっていきました。

フォーマルのダブルカフスの意味

もっともフォーマルなシャツの袖は、どうでしょう?

巷ではダブルカフスがフォーマルです!と書かれた書籍をみかけますが、誤解です。

もっともフォーマルなシャツの袖は、シングルカフです。

これも糊づけされたシャツに関係があります。

そもそも・・ダブルにすることができないほど硬かった。

折り返すのはなぜ?

それは、糊で固めるハードな時代から、柔らかい服が主流になった時代。

袖は柔らかくなりました。

そこで、これではちょっと心もとないな・・とアメリカ人はシャツの袖を折りました。

これがダブルカフスのはじまりと言われます。

するとどうでしょう、常にアメリカを少し見下した英国人としては、

「あれは本物の貴族の服ではない・・。」と思ったのでしょうか、ダブルカフ(ダブルカフス)のことをフレンチカフと呼びました。

英国とフランスはご存知の通り、良好な関係とはいえませんから、良い表現で使っていたわけではないのでしょう。

つまり、燕尾服の場合のもっともフォーマルなシャツの袖は、シングルカフです。

タキシードに合わせるシャツは?

今では、燕尾服を着る機会などなかなかありません。

夜のパーティーなら、タキシードで充分フォーマルと、英国の方からも聞きます。

前回お会いした、ある英国生地の社長は、フォーマルな場でもなかなか遊びを効かしていらっしゃいました。

そんなタキシードですが、

・衿はレギュラーカラー

・プリーツあり

・シングルカフスかダブルカフス

・色は白

これが基本となります。

本来は衿はウイングカラーではありません。

どうしてか?というと、燕尾服がウイングカラー。

それで、そこまでカッチリしていなくても良いですよ!という食事会に、タキシードだったのです。

気軽な日なので、ブラックタイで良いのよ。というのが本来の意味。

スーツに合わせるフォーマルシャツとは?

スーツに合わせるフォーマルシャツの定義は?

結論、ありません。

TPO具合を自分で考えて装うしかありません。

なので、白シャツ。

ただし、カフはどうあるべきか?

衿は?

本来は定義はありません。

どういうことか?

どうしてフォーマルの礼装のルールがあるか?

今、私たちが燕尾服だ、モーニングが、タキシードだ!

正礼装だ、準礼装だ、云々。

そういった服装のルールはどうやって決まったかご存知ですか?

そもそも、今フォーマルとされている服装は、貴族が日常していた服装。

朝起きる、ちょっとスポーツがてら、馬に乗ってひとまわり。

だから乗馬服を着ます。

宮廷に戻ると、お茶。

だからお茶の服に着替え、今度はハンティングなら機能的な服に着替えます。

夜は窮屈だけど動きやすい燕尾服でダンスをし、最後は男同士ラウンジルームでくつろぐのでゆったりした服に着替えました。

このゆったりした服はスコットランドの労働着からきていて、今のスーツと同じような形でした。

この時代の服を、結婚式の新郎や新婦、例えばウエディングドレスなど・・。

アメリカの雑誌社が定義を作った

アメリカにエスクワイアという雑誌があります。

今もありますよね。

世界でもっとも古い男性誌といわれます。

この雑誌に、ある時にドレスチャートというのが載るのです。

そもそもこの雑誌、コンシェルジュサービルなるものもやっていました。

問い合わせれば、あなたにぴったりの服装やお店をご提案!というものでしょう。

きっと今も昔も、式典の服装に悩んだ人が相談したのではないかと。

だから、担当したエスクワイヤー誌のファッションディレクターとして有名であった、オスカー・E・ショーフライは定義をまとめたのではないか?と私は思っています。

フォーマルのルール

本来、燕尾服のパンツの脇、側章(そくしょう)は太く、タキシードは細い。

ですが、わかりやすくしたのか、燕尾服の場合は2本です!と書かれています。

これを日本人も見て伝わったのでしょうか。

日本の仕立屋では、燕尾服の側章といえば2本だよ!といわれる場合があるのです。

TPOを考えて着る

つまり、本来はきっちり決まっていた部分もあれど、

ある程度TPOなどを自分で考えながら、

ふさわしい服を着ていた節もあるはずです。

それを、親から子へとしっかり教育していく。

チャートなどなくとも着ることができるのだと思います。

そして燕尾服やタキシードを着ていた時代に、スーツの着方はこうです!というルールはありませんでした。

お手本は、洒落者と呼ばれた皇太子です。

つまりスーツに合わせるフォーマルシャツとは?

まず、質の良い生地が良いでしょう。

肌に触れた時の着心地もそうですが、少ない面積だからといって侮ってはいけません。

上質なシャツは、内側からその良さを伝えます。

そんなところにまで気を配っているのだな、と相手は察します。

それから、きちんと仕立てられていること。

そして、フィットしていることです。

特にフォーマルはフィット感が求められます。

ウイングカラーか?レギュラーカラーか?

シングルカフか?ダブルカフか?

実はそんなことは後の話、ということなのですね。

まとめ

フォーマル、というだけで尻込みしてしまいそうですよね。

合っているのかな?

不安になるものです。

無理もありません、日常的にパーティーに参加する方ならいざ知らず、そういう機会は日本には少ないです。

まして、両親がパーティの服装はこうだ!と教えてくれたわけでもないでしょう。

ルールを知りつつ、背景を知れば何をどう着るか?が見えてくるものです。

もちろんボットーネのスーツコンシェルジュも、お困りのことがあればお力になります。

フォーマルの服装を楽しみましょう。

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2019年5月16日
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