【保存版】シャツの襟型について徹底解説!レギュラーからボタンダウンまで
良い着こなしはシャツから
様々なデザインのシャツが日本にはありますが、一番印象が変わるのは襟型のデザインではないでしょうか。
上からジャケットを羽織っていても、Vゾーンを構成する襟は常に表に出ていますし、シルエット(タイト・ワイド)と並んでもっともトレンドを反映するポイントでもあります。
TPOによっても、選ぶべきシャツの襟型は変わってくるのですが、皆さんはそこまで考えてシャツを選んでいますでしょうか?
そこで今回は、シャツにおける代表的な6つの襟型をピックアップし、
【与える印象】【ネクタイとの相性】【TPO】の3つの観点から解説していきたいと思います。
この記事を読み終える頃には、自分にとってどんなシャツが相応しいか分かってきますよ。
この記事の目次
レギュラーカラー
まず最初に解説するのが、最もベーシックなレギュラーカラー。
襟の開きの角度が狭く、剣先の長さが長め(のものが多い)であることが特徴です。
数年前から続くクラシック回帰の流れから、ここ数年は需要も高まりつつありトレンドの襟型でもあります。
【与える印象】
トレンドの襟型とはいえ、もともとがスタンダードな襟型でもあります。
ましてや、トレンドとは対極に位置するビジネスシーンにおいて、必ずしもオシャレな印象を与えるとは言えません。
開きの角度が狭く剣先が長めの場合、洋服屋的に言えばクラシック、一般的に言えばちゃんとしたビジネスマンといったところでしょうか。
スーツスタイルにおいては決してハズレのない、実直な襟型だと思います。
【ネクタイとの相性】
ネクタイとの相性はもちろん抜群で、逆にレギュラーカラーのノーネクタイはだらしない印象を与えかねません。
開きの覚悟が狭い分、ネクタイを締めるときはプレーンノットをおすすめします。
ウィンザーノットのような、ノットが大きくなってしまう結び方とは相性が悪くなるため気をつけてくださいね。
【TPO】
普段のビジネスシーンから、結婚式などのフォーマルなシーンまで幅広く対応可能です。
基本はネクタイを締めるスーツスタイルにおいて力を発揮します。
一つ注意すべき点としては、剣先の長さが短いレギュラーカラー(いわゆるショートレギュラーカラー)の場合、若干カジュアルな、、、悪く言えば子供っぽい印象になってしまいます。
モード系ブランドでもショートの襟型は良く見られますが、あれは全体の雰囲気が洗練されて初めて活きるものです。
我々一般人は、適切な剣先の長さ(8.0cm以上)のレギュラーカラーを選択するようにしましょう。
セミワイド
前述のレギュラーカラーよりも、襟の開きの角度が少しだけ広くなった襟型です。
狭すぎず、広すぎずのちょうど良いバランスのとれた襟型で、ボットーネのオーダーシャツでも標準仕様となっております。
シャツの襟型に迷ったら、または特別こだわりがないといった方は、このセミワイドをおすすめしています。
【与える印象】
トレンド等には全く左右されず、あらゆるスーツスタイルに合わせることができますので、ネクタイを締めた時もスマートな印象を与えることができます。
細身のスッキリしたスーツにはレギュラーカラーよりもセミワイドの方が相性がいいですし、20代30代の方にはもってこいの襟型です。
【ネクタイとの相性】
レギュラーカラーと同様、基本はネクタイを締めるスーツスタイルに合う襟型です。
セミワイドの方がレギュラーカラーよりも若干開きはありますが、ここも同様にプレーンノットの結び方をオススメします。
テレビなどで見かける芸能人やニュースのコメンテーターは、何故か分かりませんがかなりの確率でウィンザーノットの結び方です。
個人的に気になるだけなのか、なんだか首元にドでかいおにぎりが付いているみたいで、、、とてもスマートとは思えません。
【TPO】
レギュラーカラーと同様に、普段のビジネスシーンから、結婚式などのフォーマルなシーンまで幅広く対応可能です。
ボットーネのオーダーシャツの場合は、2WAY仕様といって、ネクタイ/ノーネクタイの両方に対応できるようなオプション仕様をつけることができます。
簡単に言えば、ノータイの時でも襟元が折れ曲がってくしゃっとならないように補強するものです。
ノーネクタイの場合は少し開きのある襟型の方がきれいに見えますので、ひとつのシャツで2パターンの着こなしができますよ。
ホリゾンタルワイド
ホリゾンタルとは大きく開いた襟型のことです。
ホリゾンタル=水平ではありますが、完全に水平まで開いているものはカッタウェイと呼ばれています。
【与える印象】
数年前から人気のあるホリゾンタルワイドは、レギュラーカラーやセミワイドと比べやや華やかな印象があると思います。
色気もあって特に若い世代に人気があり、爽やかでジャケパンスタイルにも適しています。
【ネクタイとの相性】
一般的には襟の開きが大きいシャツには、ウィンザーノットまたはセミウィンザーノットのような結び方が合っているとされています。
確かに理論上はそうだと思いますが、私個人的にはプレーンノットで問題なしです。
ネクタイの結び方は、やはりプレーンノットが基本ですね。
その日のスーツやジャケット、全体のバランスもみて結び方も調整すると良いと思います。
また、開きが大きいため、ノーネクタイでも綺麗に見える襟型でもあります。
私がノーネクタイのクールビズスタイルで働くとしたら、このホリゾンタルワイドを選ぶと思います。
いざという時にネクタイをしても違和感もありませんし。
【TPO】
この襟型も、写真のような開き具合であればフォーマルでも問題ないと思います。
ただし、華やかな印象ではあるため、お通夜やお葬式など弔事の席では避けた方が良いでしょう。
フォーマルにも様々ありますが、あくまでも慶事の時のみ選んでくださいね。
カッタウェイ
カッタウェイは、ホリゾンタルよりもさらに開きがあり、ほぼ水平になるような襟型です。
ゴージラインが高いデザインのジャケットと相性が良く、いわゆるナポリ風の着こなしといったイメージでしょうか。
ブルーのジャケットを羽織った、爽やかなジャケパンスタイルにもおすすめです。
【与える印象】
カッタウェイはホリゾンタルよりもさらに開きがある為、より華やかな印象になります。
ビジネスシーンではあまり見られない襟型でもあるため、ビジネススーツのインナーとしては良くも悪くも少し目立つと思います。
英国生地で有名なハリソンズ社のCEOは、ネイビースーツにカッタウェイのシャツを着ていました。
このくらいさりげなく着こなせると、悪目立ちは全くしないですよね。
いつもより少しだけ、全体のバランスがどう見えるか気にしておくと良いですよ!
【ネクタイとの相性】
基本的にはホリゾンタルと同様、ネクタイをするならプレーンノットorウィンザーノット、夏はノーネクタイでも様になると思います。
個人的にはハリソンズ社のCEOのように、小さめのノットの方が美しいかな、、、と。
また、当店のお客様でクールビズ期間だけカッタウェイのシャツを着るという方もおります。
ホリゾンタルもそうですが、ノーネクタイは開きのある襟型の方が綺麗になるのでおすすめですよ。
【TPO】
カッタウェイの場合は、弔事で避けるのは当然のこと、慶事においてもベストな襟型とは言えません(NGでもありません)。
かと言ってビジネスでも最適と言うわけでもなく、、、用途が難しい襟型です。
すでにこれまでに挙げたような定番の襟型のシャツが何着か揃ってることが前提で、着用できるシーンを自分なりに探してみるのが良いと思います。
ボタンダウン
ボタンダウンとは、皆さんご存知だと思いますが、襟先がボタン止めになっている襟型です。
ボタンダウンと言うと、ポロ競技の選手が着用していたという説が有名ですが、ポロ競技から着想を得てアメリカ(ブルックス)で開発されたという説も有力です。
ボタンダウンに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【与える印象】
スーツ、ジャケパンのどちらのスタイルにも合うボタンダウンシャツですが、通常のドレスシャツよりも少し和らいだ印象を与えてくれます。
ボタンダウンと言えばオックスフォードの生地が定番ですが、オックスフォートはカジュアルな雰囲気になりますので注意しましょう。
また、衿のボタンを外すという上級者向けのテクニックがありますが、ビジネスシーンではやめておきましょう。
「ボタン、外れていますよ?」と言われるのがオチです。
【ネクタイとの相性】
ボタンダウンはノーネクタイ専用と思っている方も多いのですが、そんなことはありません。
また、ボタンダウン=カジュアルという訳でもありませんので、ネクタイを締めて全く問題ありません。
このように、レップタイとの相性も良く、季節によってはニットタイのようなカジュアルなネクタイと合わせるのも素敵だと思います。
【TPO】
ボタンダウンは、完全にフォーマル仕様ではありません。
まず、誕生秘話は諸説ありますが、いずれにしろブルックスブラザーズが開発しました。
ブルックスブラザーズというのは企業としてかなり革新的で、今のIT企業のように、NYもテーラーのみだった文化をぶち壊し、既製服をヒットさせた会社です。
例えばアメリカ出張のとき、トランクにシャツをたたむと衿がシワになる、だからボタンつけてみようか!とか、いろいろな試行錯誤があったとも聞きます。
つまり、このシャツは実用的な面も考えて考慮された、ビジネス用ドレスシャツなのです。
アメリカ色の強い襟型でもありますので、ヨーロッパでは日本のように万人受けはしません。
出張等でヨーロッパを訪れる際は、避けておいた方が無難でしょう。
タブカラー
近年急速に浸透してきているのが、タブカラーという襟型です。
剣先にタブがあり、ネクタイを締めた後にそのタブを留めることで、Vゾーンがとても立体的な表情になります。
ビシッとしたスーツスタイルと相性が良く、タブのおかげでネクタイが持ち上がるようにふわっとなるのも高ポイント。
ビジネスシャツのレパートリーとして、一着持っておくととても重宝します。
【与える印象】
時折、テレビドラマなどでも上司役の俳優がタブカラーのシャツを着ていることがあります。
古くは舘ひろしさん、田村正和さんも70年代80年代のドラマで着用していました。
決して部下役の人が着ているシャツではありません。
そういう意味でも、きちんとしている、渋い、そういった紳士的な印象を与えることができるのがタブカラーだと思います。
【ネクタイとの相性】
ネクタイの為にあるタブカラーです。
言うまでもなく相性は抜群、逆にノーネクタイではよっぽどの洒落者でない限り変な着こなしになってしまいます。
小さめのノットでコンパクトなVゾーンを作り上げ、タイピンで止めなくても立体感が出せる唯一の襟型です。
ネクタイスタイルを一段階格上げしてくれますよ。
【TPO】
もっとも力を発揮するのはビジネスシーンでしょう。
ネイビーのスーツに、ホワイトのタブカラーシャツを合わせれば、洗練された着こなしとなること間違いありません。
フォーマルシーンでも対応できますが、少なからず「おしゃれ」な要素も含まれますので(世間的には)、弔事では避けておいた方が無難です。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2024年10月11日
ファッションアイテム | オーダーシャツ
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