新パターンで仕立てるストライプスーツ|マーリン&エヴァンス
みなさん、こんにちは。クルーの林です。
店長の中之丸に続き、久しぶりに自分のスーツを作りまして、私も新パターンで仕立てましたのでご紹介させていただきます。
元々ブラウンのスーツを仕立てたいなと思っていたものの、なかなかピンとくる生地に出会えずにいたのですが、今回は完全に一目惚れをして勢いで作ってしまいました。。。
ブラウンにワイドピッチのストライプ、ツイード生地でクラシックな雰囲気のスーツは、これまでの自分のワードロープにない新鮮な1着で、仕上がりを今か今かと楽しみにしていました。
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英国羊毛のツイードコレクション
今回仕立てたスーツはイギリスの”マーリン&エバンス”という生地のツイードコレクションから選んでいます。
日常的にスーツを着る上で、艶のある柔らかなスーツを好む方もいれば、艶は控えめでカッチリとしたスーツを好む方もいるかと思うのですが、私は後者で『耐久性は高いけど、そこまで分厚くない生地』が好みで今回はまさにストライクの生地が見つかりました。
生地の細かい話をしますと、300gmsの平織りというクオリティで、一見して夏物のようにも思えるのですが、『シェットランドウール』というイギリス産の羊の毛を使用しており、非常に分厚くハリコシがあって長いシーズンの着用が可能です。
(正直夏はめちゃくちゃ暑かったです)
この『シェットランドウール』はスコットランドの遙か北にある荒れ狂う風にさらされたシェットランド諸島で育てられた羊で、厳しい環境を耐え抜いた強度が高く、非常に弾力性のある羊毛です。
よくあるスーツ生地には『オーストラリアメリノ』という種類の羊を用いていて、こちらは逆に大切に大切に育てられた羊で、柔らかく滑らかで綺麗な羊毛。
同じ羊と言ってもそれぞれの種類によって特徴があって、仕上がりも全く違うんです。
そして、実際に着てみるとわかるのですが、ものすごくハリコシがあって、1日中着ていても一切シワになる気がしません。
この素材のもう一つの特徴が「アンダイド」といって環境に配慮したサステナブルな無染色ウールという点です。
羊から刈り取った毛を糸にする過程の中で、汚れや脂を落とすために洗ったり、色を出すために染めたりするのですが、このマーリン&エバンスの生地は、紡績や織りの工程で染料や科学物質が使用されず、仕上げ工程にも天然石けんが使われていて、環境に優しい素材なのです。
サステナブルな素材でありながら、シェットランドウールの風合いをそのままに、無染色で仕上げており、素材本来の温かみが感じられる1着になりました。
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新パターンで仕立てたスーツ
ボットーネではいくつかのパターンを展開しており、お客様のお仕立てのイメージやご要望に合わせて、適切なパターンを用いてお仕立てさせていただいております。
ここからはスーツのディティールを見ていきます。
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スーツのディティール
ジャケットはシングルで仕立てるなら3つボタン段返りにする、といつも決めていて、今回も変わらずに仕立てました。
襟幅を12cmとかなり太く設計したのですが、全体的にクラシックな雰囲気でとても気にっています。
新パターンスーツの特徴の一つにゴージラインの傾斜があり、スーツの顔ともいえる襟のカーブが非常に味のあるいい雰囲気です。
そしてここ数年はベストなしでスーツを着ることが多かったのですが、正統派に着たくなり、今回はスリーピースにしています。
あまりベストは見えないですが、vゾーンは5つボタン、ポケットを4つにして古き良きクラシックなスーツをイメージしてみました。
パンツは1タックにして腰回りに適度なゆとりを残し、股上も深めに設計、最近流行りのサイドアジャスター仕様も取り入れてみました。
このアジャスターはデザイン性だけでなく機能的にも優れていて、グッと引っ張るとウエストのフィット感を高めてくれます。
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わたしのコーディネート
私はこれまで上下別々のジャケパンスタイルや、スーツにニットを合わせてカジュアルに着ることが多かったのですが、最近はスリーピーススタイルでビシッと着ることが多くなりました。
今の時期だとベスト付きでスーツを着るのが気温的にもちょうど良く、ようやくサロンまでスーツを着てこれる季節になって毎朝のコーディネートを考えるの時間を楽しんでいます。
この日はベージュ×オレンジのストライプが入ったタブカラーシャツにブラウンのニットタイを合わせて着ていましたが、全体の色数を絞ってトーンオントーンで着るのも今の気分です。
久しぶりに自分のスーツを作ったのですが、早速次はどんなスーツを仕立てようか、こんな色柄のシャツも欲しいな、と洋服欲が上がりっぱなしです笑
先日いつもお世話になっている生地屋さんが今季おすすめのネクタイやポケットチーフの提案をしてくださり、こちらも自分用にいくつか購入させていただきました。
秋冬に向けてのスーツも今仕込みをしているところなので、またご紹介させていただきますね。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2024年10月18日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
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