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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

結婚式などのフォーマルな服装の着こなしで大切なこと ケとハレという考え方

結婚式タキシード

カジュアルウエアってのは、フォーマルウエアを着られる人が崩せる。

今、問題なのは、スーツを着ることができない人がカジュアルを着ること。
何事もやはり基本がないといけないですよね。
 
とは銀座ファッションアカデミアで主任講師を務めてくださっている出石尚三先生が語られたことだ。
まったくその通り!!と心の中で叫んでいたのは参加者の中で私だけではなかったのではないだろうか。

出石尚三 松はじめ

 
銀座ファッションアカデミアとは私のようなテーラー、それからスタイリスト、百貨店の販売員の方などが参加する、スーツをはじめとするファッションを勉強する専門的な講義。
 
その主任講師の出石尚三先生といえば、朝日新聞のウェブコラムの連載でもおなじみで、著書ボルサリーノ物語、スーツの百科事典などでも有名な作家であり服飾評論家である。
 
 
 
第1期のテーマはスーツ。
今回からは第2期で、フォーマルウエアというテーマだ。

フォーマル

 
私は主催の内田さんとのご縁で参加させていただくことができ、2期生として全6回の講義に出席することになった。
古来より日本人は、ケとハレをうまく使い分けていた。ケとは日常のことで、ハレは特別な日という、まさに読んで字のごとくのハレの日のハレだ。
朝起きる、着替える、朝食のパンを食べてコーヒーを飲み、電車に乗る。仕事に行く父、洗濯を干す母、学校に行く子、そんな感じだろうか。
 
それでハレというのはそういう日常と違う、非日常的なことをする、例えば旅行とかお祭りとか、もちろん結婚式などの式典など、ハレなのである。
 
フォーマルの服、それはハレ、ケ、その根本から考えていかなければならない、そんなところからフォーマルの授業は始まった。
タキシード ネイビーダブル
 
フォーマルウエアはケとハレと密接に結びついているわけであります。
日本語で言い出したのは、柳田國男という民族学者です。
 
 
例えば結婚式、おめでたいこと、ハレの日、こういうことを読んで字のごとくハレ。
ケというのは、日常。
 
今の時代はハレとケが、近くなっていますね。
僕は、ハレとケが分かれていたほうが良いのでは?
我々の生活もメリハリができて楽しいのでは?と思います。
 
今日は暑いけれど、ジョギングしてシャワーして、ビール飲むと美味しいですよね。
コンフォータブルな部屋でじっといて、ビールを飲んでも美味しくないものです。
人間の着る物も、ネクタイをしているから外す、という行為があり、気分が違うじゃないですか。

 
 

タキシード オーダー サロン

 
仕事においても、緊張感のある場、例えば新しい社員が入社する入社式にピリッと三揃えのネイビーのスーツを着るだけで背筋が伸びるような、そのような日と、入社8年目の平日のような、そのような抑揚が程よくある方が良いのは事実だ。
 
さて、フォーマルを考える上で、冒頭はハレとケという観点からスタートしたわけだが、やはりハレといえば服。
いつもと違うシャンとした服を着ている。それは主役もそうだし、参列する側もきちんとした服を着るだけでその場が変わる。
ハレの日においての服はとても重要で、逆にいえば服装とは空気を変えるもっとも簡単なツールともいえる。
 
そんなフォーマルウエアを装うに当たって、大切なことはどのようなことなのだろうか?
 
 
 
結婚式タキシード
 
フォーマルの服とは19世紀の服なんです。
19世紀のケ、日常着。

それが21世紀のフォーマルウエアとされている。
 
だからスーツの根源を知りたいと思ったら、フォーマルウエアしかないのです。
 
 
 
あるファッションデザイナーがこんなことを言っていました。
《私はアイデアが煮詰まると、お母さんの屋根裏に行きます。
それからお父さんの物置きに行きます。
 
昔の古い服がたくさんあり、アイデアを得られるのです。
 
もっと困った時は、おばあさんの物置に行きます。
するともっと古い服が眠ってる。
 
これは使える!というアイデアがどんどんわいてくるのです。》

 
 
着物の文化
 
これを聞いた時に、日本はかなわないな、と。
だっておじいさんの部屋といったら和服しかないかもしれないでしょう。
 
話を戻しますが、僕たちがスーツを着るときに迷ったなら、そのオリジンはフォーマルウエアです。

 

着物

 
私の父は背広を着て仕事をしていた。だが、その父、つまり祖父はというとどうだろう?さらにその父であるひいおじいさんは?
基本的には和服なのだ。
 
だが西洋はおじいさんもそのまたおじいさんだって洋服なのだ。
そして、それは20世紀を飛び越えて19世紀に巻き戻してみたって洋服なのだ。
 
そのような洋服を着ているのだけど、洋服をどのように着れば良いのだろうか?という基本を私たちは教わることがない。
 
このことは私たちが開催しているメンズウエア素材の基礎知識&背広の着こなし講座でも、大西基之先生が語っていることだ。
袖が2つあって、着る方法を教わらなくても着ることができてしまう。だから黒のスーツをとりあえず着て、白いネクタイで結婚式に行ってしまうのだ。

ボットーネ 講義

 
つまり、西洋の、洋の服なのだから、きちんとルールを学ぼうよ、そしてそのルールを知りながらどう外すか、ということがまたオシャレなのでもあるのではなかろうか。
 
冒頭の出石先生の、スーツを着ることができない人がカジュアルを着るということの危機感とは、基本を知らずに格好だけらしくしても、オシャレとはいえないというようなことであると思う。
 
さて、そのようなわけでスーツを着こなす、とかファッションを学ぶということが大事になってくるのだが、辿っていくとフォーマルに行き着くということだ。
 
何事も上を知っておいて損はない、いくらでも下にはいけるだろうから。

スーツのフィッティング

そしてその現代のフォーマルというのは、19世紀でえば普段着だったということだ。
考えてみたならば面白い、19世紀の普段着を堂々とコスプレしても、奇異に映るどころか素敵!と賞賛される。
 
ならばぜひきちんと学んで、素敵なフォーマルの装いを楽しんでみたならばハレの日がもっと楽しくなる。
フランス料理もルールやマナーを覚え使いこなせば怖くない、食事を通してもっとコミュニケーションを楽しめるようになる。服装も同じで、基本を抑えれば怖くない。

出石先生の講義はまだまだ続く。

・例えばタキシードには衿にシルクが貼ってあるが、これは、俺は・・・ぜ、ということ。
・フォーマルの一番のポイントは、・・・を超えるってこと。
・どうして朝と夜で着る服、身につけるアクセサリーが違うの?
・ドレスコード、ホワイトタイよりもさらに上があった!?
・タキシードを着るこつ、それは・・・・・するだけ!

などなど、目から鱗の講義。
上記の内容はまたこのブログでもお伝えしていきたい。

 
 
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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2017年7月9日
TPO | フォーマルシーン

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