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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

タキシードや燕尾服の衿のシルク 拝絹(はいけん)は元は・・だった!

Ginza Fashion Academia

出石尚三先生の講義、Ginza Fashion Academia2期生として学ぶ日々を綴っているのだが、
前回はフォーマルを装うということは、まずケとハレということから考える思想に始まって、洋の服を着るのだから西洋のルールを知り、基礎を固めていこう、ということをお伝えしてきた。
いよいよ講義もヒートアップする。
実際にフォーマルの服とは19世紀の貴族の、ケ(日常)の服であったということで、それを現代のハレの日に着るのだから面白い。そして、それはとても現代の服と関係している。
タキシードの衿には拝絹(はいけん)と呼ばれるシルクがあしわられているけれど、実はこの拝絹にもいろいろな背景があった。

・・・
燕尾服

燕尾服など(の衿)はこのようなデザインになっています。

英語ではフェースドラペルと呼ぶのですけれど、
 
これは、ここまで裏地だったのですね。
裏地のところを返すと、昔の裏地はこうなっていたじゃないか、俺は古いぜ!ということ。
だからこれは一例だけど、フォーマルを辿れば色々なことがわかるのです。
 
 
 
 
ショールカラー ブラックタキシード
タキシードで、ピークドラペル、ショールカラー、いろいろありますが、衿は最近はシルクサテン。

あれも、裏地ってことなんです。
こうなってて(もともとは上衿が詰まっていたジェスチャー)裏地が出ちゃった!というのがオリジン。

 

タキシードをリメイク

現代でもタキシードの衿には、拝絹(はいけん)と呼ぶシルクサテンなどを付けることが基本となっている。
 
その拝絹のシルクというのが、要するに裏地がめくれてこのようになっている、というのだ。
確かに昔の仕立て服などは、裏地にシルクを使った。
非常に綺麗だし、高級だ。
私も1着だけシルクの裏地のジャケットを持っているのだが、表生地よりも高かったということがある・・・。
 
そのようなわけでシルクが高級が故に現在は化学繊維で合成繊維のポリエステルや、同じく化学繊維で再生繊維のキュプラという素材がほとんどであろう。

オーダースーツ 裏地提案

 
私は仕立て服を提案する際に、裏地はポリエステルよりもキュプラの方を提案することが多い。キュプラは化学繊維というイメージから天然のものではないイメージなのだけど、実は天然の木のチップを溶かして、それをトコロテンのように押し出して糸にしていく。
強度も高いし、コストもシルクに比べるとうんと安い。
 
そんなシルクが表に見えている、フェースドラペルは裏地だった、俺はクラシックな装いをしている!という表現だったのだ。
・・・

裏地選び

 
僕なんかが若い頃の裏地ってのは、よく、シルクが多かったですね。
今は、強度と値段の問題から、キュプラとか。
 
強いですよね、表地よりも強い。
昔は張り替えたのですけれど。
 
表はウールで、裏シルク、そうなるとシルクの方が擦り切れてしまう。
取り替えやすいように、お台場って。
今は裏地とりかえる人いないよね。お台場どうすんのよ。って(笑)

ですから、フォーマルウエアは決して古いわけではなくて、現在の服と関連がありますよ。
今のスーツの、お父さん、おじいさんと考えてみては?
 お台場仕立て

都心に住む:東京ソモソモという企画の中で、弊社が取材を受けた時の記事。
お台場というと東京のベイエリアのあのお台場のことなのだが、実はスーツのお台場と深い関係があるのだ。
こちらは・・・またいつか。

タキシードの衿にも、テイルコート(燕尾服)の衿にもシルクがあしらわれている。
中世ヨーロッパにおいて、高級なシルクを贅沢つかっている、というアピールであったかもしれないが、出発点は裏地だったようだ。
ちょっと知っていると面白いのでは?

 
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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2017年7月9日
フォーマル | オーダータキシードの歴史

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