春夏スーツ・ジャケットの準備も着々と!
朝夕は肌寒いですが、秋晴れの気持ちが良い日が続いておりますね。
さて、そんな秋真っただ中ではありますが、服飾業界は来年春夏に向けての準備がコツコツ進んでおります。
今日はSCBABAL社の担当T氏にお越しいただき、来春夏の生地について伺いました。
SCABAL社の春夏生地と言えば、当サロンではゴールデンリボンというコレクションが人気があります。
強撚糸=強く撚った糸、つまり耐久性の高い糸を使用し、軽さがありながらも色合いや艶やかさが他とは全く異なる雰囲気を醸し出しています。
今回ご紹介いただいたのは主に2つの生地だったのですが、ゴールデンリボンとはまた違った特徴のある魅力的なラインナップとなっておりました。
ひとつめは、COSMOPORITAN(コスモポリタン)というコレクション。
イタリア製230gの平織りの生地で、軽さと耐久性を兼ね備えた生地です。
平織りとは、経糸・緯糸ともに1本ずつ交互に交差して織りあがっている基本的な織り方です。
綾織り、朱子(しゅす)織り、などに比べスリップしにくく、特に夏素材やシャツ生地などの薄手の素材に使われています。
平織りの軽い生地は、”トロピカル”とも呼んだりします。
ドライなタッチであいまって非常に涼し気な印象をもたらしてくれるのです。
トロピカル(Tropical)
現在では梳毛の細番手で織った、比較的目付の軽い平織りのことをトロピカルまたはトロピカル・ウーステッドと呼んでいるが、古い資料によれば綾織りであっても、目付の軽い夏向きの生地であればトロピカルと言っていたようである。
つまり、トロピカルは生地の目付(重さ)に対して、特に夏向きの軽い梳毛織物の呼称であって、必ずしも平織りだけとは限らなかったのである。
トロピカルは「熱帯の」という意味であるが、英国の毛織物がインドやアジアの暑い地域に輸出されていたからこのように呼称されたという説と、熱帯でも着ることができる薄い梳毛生地であることからこう呼ばれたという説とがある。わが国ではサマー・ウーステッドという場合があるが同じものである。
メンズウェア素材の基礎知識 毛織物編 大西基之著より引用
古くは綾織りのものでトロピカルと呼んでいたんですね。
平織り=トロピカルのようなイメージがあるので意外でした、、、。
このコスモポリタンは一目でわかる明確な特徴もあります。
それは「色」です。
薄手の平織り生地というとネイビーやグレーの比較的のっぺりした雰囲気のイメージが強いのですが、コスモポリタンの無地には、何色と表現すればよいのか分からないような複雑な染色がされています。
グレーのような、カーキのような、、、
ブルーも一味違うブルーになっており、トロピカルの生地とは思えません。
SCABALの感性と言いますか、美的感覚が表れているのだなあと思います。
これは写真ではとてもお伝えしきれないので、是非実際に見ていただければと思います。
もうひとつは、IMAGE(イマージュ)という薄手の綾織りのコレクション。
目付は260g。
極端に薄いわけではないので、春夏よりのスリーシーズン着用可能と捉えることができます。
当サロンの場合、平織り生地で夏専用スーツのオーダーも多くいただいておりますが、世間的には夏にスーツを着用しない流れになってきているので薄手の綾織り生地はますます需要が高まってきそうです。
こちらも、綾織りですが非常にさらっとした表面をしております。
日本と気候の違うヨーロッパでは、平織りまでいかなくともイマージュのような薄手の綾織りの方が受けが良いのだそうです(日本は亜熱帯のようですから、、、)。
Wain Shiell というコレクションも新しく取り扱い予定です。
スーパー100‘Sをベースに、無地のみで構成されています。
バンチ名は”AURORA(オーロラ)”。
その名の通り、オーロラのような輝きというコンセプトがあり、ドルフィンフィニッシュという仕上げの技術を用いることで独特の艶が得られるのだそう。
お写真では伝わりにくいのですが、、、非常にドレッシーで耐久性も申し分なさそうです。
テラコッタのような珍しいカラーも揃っており、スーツだけでなく、ジャケットやウエディングタイシードにもぴったりです。
ということで、まだまだ冬もこれからというところですが一足早く春夏の情報をお届けしました。
入荷は1月末頃を予定しております。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2019年11月16日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
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