【実況】カフリンクスのオーダー工房へ行ってきた
オーダースーツは昔からある注文式の洋服だが、オーダー靴などファッションアイテムだけでなく、注文住宅もあれば、自動車やパソコンのオーダーもある。
色々なオーダーメイドができるなか、なんとカフリンクスのオーダーなるサービスを発見。
ご縁があったので実際にオーダーして、制作風景まで取材させていただいた。
本日はカフリンクスのオーダー体験について紹介したい。
ボットーネ表参道サロンの緑の裏門を出て、青山方向を向いて、アンティーク時計店の角を曲がる、
するとわずか3分でSORAと書かれた看板と、工房が併設された店舗がある。
店舗の脇にも、何やら小さな工房が・・・
ここでは、例えばジュエリーに彼と彼女がオリジナルのネームなどを、自分たちで掘ることができるのだ。
自分たちの指輪を自分たちで作った、というのはなかなかの記念になるのではないだろうか。
この工房を知ったのは、こちら有限会社SORAの丸山社長が、ご紹介でボットーネサロンにいらしてくださったこと。今度は私たちも一同で押しかけた、というわけだ。
ソラさんは結婚指輪を中心に、特に素材にこだわったオーダーメイドのジュエリーショップ。
店舗に併設された小さな工房とは別に、2階に本格的な工房も併設されている。
緑が調和する明るい店内に、存在感のあるリングたち。
「今、試作中なんです、カフリンクス・オーダーも。」
と、奥の個室でこっそりとまだ製作途中のカフリンクスを拝見させていただくことに。
ケースを開けると、シンプルなものからエッジの効いたものまで、色々なカフリンクスが飛び出してきた。
シャツに通して止めるときに回転させるタイプのカフリンクスだと、既成のパーツを使用しなくてはならない。
だが、そこをも素材にこだわりたい、という理由から、バーベル型を採用して自社工房で様々な金属で制作できるようにしたのだそうだ。
↑これがよく見かける回転式。
留めるところがT字になっている。
とういことで、早速オーダーを。
「この子、デジタルと手作りを融合させないといけないから、面白いんです。」
機械を前に、目を輝かせそう語るのは商品企画課 チーフの南さんだ。
物作りは、指先の感覚が大切、
この感覚だけは、他のどんな数値でも目でも、指を越えられない、指には何かがある、
そんなお話をお伺いさせていただきながら、オーダーの工房を案内していただいた。
ジュエリーも、カフリンクスも、まずは金属を磨くところから始まる。
スーツをオーダーする場合の、生地にあたる。
今回はジルコニウム(Zr) という素材を選択。
ロットではない、1個だけのオリジナルの制作スタートだ。
丸い金属が出てきた。
先端は、シャツを通す部分のようだ。
この先端の部分にも指定した文字などを入れることができるという。
事前に、カフリンクスにはBOTTONEのBマークを入れて欲しい、と依頼していたので、
カフリンクスの形状になった金属に、ロゴマークを入れる。
この機械の刃はなんとも細い。
針のような刃物が先端につけられていて、円を描いて動いていく。
先端は2ミリしかないというから、とにかく繊細だ。
こうして荒削りを行い、今度は1ミリの、さらに極細の先端の刃物が登場した。
色々なタイプの刃がある。
こうしてカフリンクスはさらに削られてその輪郭を表し始めた。
ちょっと無理をさせてしまえば、この先端はすぐに折れてしまうようで、
かといって弱すぎてはあまりにも時間がかかりすぎ日が暮れてしまうのだ。
絶妙な力加減を日々追及しているそうで、もちろん削る対象によっても変化する。
職人としては、この金属なら、このくらいの強さが最適、というポイントを発見した時は、
きっと爽快感でいっぱいだろう。
とても共感する部分が多い、やはり、物作りは楽しい。
そうこうしているうちに手渡されたカフリンクス、もう出来た、まさか?と思ったら、
これは事前にテスト用にアルミで作ったものだそうだ。
これが完成品で良いのでは?というほどの仕上がり。
工房を一回りさせていただくと、これからリングになる材料が綺麗に収められていた。
今回はカフリンクスのオーダーだが、カフリンクスよりもリングはさらに精密なのだそうだ。
こうして切削されたのち、色をつけ、完成だ。
そしてこだわりはこれだけではなく、
「ケースだって、一つの物として作らなければ、と思いまして。」
なんと、カフリンクスを入れるためのケースすらもこの機械で削っていたのだった。
手作りよりもかえって難しそうだが?
「はい、手作りなら間違えても修正しながら作っていくのですが、
この子(機械)の場合は、少しのズレも許されない、修正が効きませんから。」
ケースもぴったり。
袖口から覗くカフリンクス、ジルコニウムという金属はさり気なくも存在感があり、
それでいて主張しすぎない仕上がりだ。
光沢具合も調整できる。
マットにも、光輝かせることも、自由自在。
オーダーの自由度も高い、
形やデザインを変えることはもちろん、今回のように刻印を入れることもできる。
まさに世界に1つだけのオリジナルだ。
私の手書き文字が刻印された。
ピノとは、イタリア語で松である。
ピコとは何の関係もないのでご注意を・・・
最後は、丸山社長と記念撮影を。
こうして金属を選び、色や光沢を決め、今回はロゴを入れる依頼をして、
それで制作工程から見て追っていったわけだ、
こうなると完成品を見るのもひとしおである。
それから、SORAの皆様の物作りに対するこだわりも伝わったのだが、
目が輝いていたことが印象的で、何時間でも居たくなる居心地の良さだ。
オリジナルカフリンクスのオーダーメイド、
結婚式などのセレモニーはもちろん、大切な人への贈り物、記念日に素敵ではないだろうか。
もちろん自分へのご褒美にも。
まずは店舗へ相談してみてはいかがだろう。
ボットーネのブログを見た、といえば、何か特典があるかもしれない?!
- 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-11-1
03-5772-8333
mwss@sora-w.com
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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