スーツのディテールとマレーシアと
スーツのデザインには色々なデザインがある。
まずは衿。
上記がノッチドラペル。
よくあるスーツやジャケットの衿だ。
鉄板のノッチドラペル
シングルのコートもこの、ノッチドラペルであることが多い。
王道で、洗練されている。
ブランド毎にこのラペル幅が変わっていたり、
トレンドを表すのがこのラペル幅であったりと、
ノッチドラペルも毎年色々と変わっている。
ただ、あまりラペル幅のトレンドを追わない方が無難である。
流行を追い過ぎれば、数年ですぐに古さを感じるようになる。
そして、ネクタイの大剣の太さは、ラペルの幅に近いものを選ぶと非常にバランス良く見える。
そしてネクタイも太さで随分と印象が変わる。
参考>>ネクタイの太さの選び方
フォーマルやモードに多い、ピークドラペル
こちらの衿がピークドラペルだ、
ピークという表現は、山頂。
まさに山の頂を表現するかのように尖ったラペルが特徴だ。
写真はスーツ、スリーピースだが、セレモニー用のオーダーのフィッティングシーンである。
メゾンブランドでもこのピークドラペルをスーティングに用いるときもあるから、
必ずしもビジネススーツとしてNGというわけではないのだが、
ややフォーマルな香りが漂う衿ではある。
ピークドラペルがフォーマルなテイストが漂う理由は、
タキシードの衿がピークだからだろう。
ダブルブレストのスーツやコートの場合も、ご覧のように尖ったピークドラペルだ。
ダブルブレストのスーツもなかなか威厳がある。
近年はショート丈、かつ細身のジャケットでもダブルブレストのピークドラペル・ジャケット。
とにかくパンツが細身という傾向が続く。
ベストにも特徴がある
そして衿付きベストだ。
もともとベストには衿が付いていた。
なぜかというと、上着を脱いだときにベストは上着の代わりとなるのだ。
上着を着ていればインナーのような役割になるベストは、なかなか重宝するアイテムで、
近年オーダーのご依頼も少なくない。
このベストに衿を付けるのは、正解といえる。
衿がないタイプ
衿があるタイプ。
カジュアルでも衿付きは様になる。
スーツでも。
上着の衿の内側に衿?と思うかもしれないが、
カーディガンをイメージしてみてほしい。
結構しっくりくる。
実は意味のあるチェンジポケット
そして、ウエストのチェンジポケット。
これは好みが分かれるところだが、
ウエスト位置を高めに見せる、いわゆる足長効果が得られるという都市伝説はまんざらでもない。
チェンジというのは、お釣り入れというような解釈もあるようだが、
もともと鉄砲の弾薬入れだったようだ。
ただし弾薬を入れるということは、
フォーマルなシーンのディテールではなく、スポーティーなディテールということだ。
弾薬を入れる、それは鷹狩りというスポーツを行う際の実用面のポケットであったと考えられる。
このようにスーツというのは歴史があり、
それぞれのディテールに深い意味がある。
テーマに合わせながらも、ちょっとディテールの世界にトリップして、何か一つくらい遊んでみても面白い。
もしくは、必要あらばフィッター・コンシェルジュから最適な提案がくるはずだ。
今日久々に友人と電話をしたら、
《3月にニュージーランドに移住して、その3ヶ月後にマレーシアのクアランプールに移住することにした。》と言われた。
彼は経営者で、何でも移動するには方位が重要なのだそうで、
一発でマレーシアに行きたいのだが、方位を考えてニュージランドに住んでから、マレーシアに住むのだそうだ。
しかも、もうマレーシアに結構人脈があるらしく、
現在のビジネス以外に、マレーシアでもビジネスに関わるのだそうだ。
そんなこともあり、さらにはちょうど4月に娘さんが高校進学らしく、
昔からずっと話していた移住がついに実現するようだ。
かなり住み心地は良いようだ、
辛い食のイメージだが、日本食もあるし、クアランプールには人気ラーメン店の山頭火もある。
国境は年々薄れ、
友人の一人はシンガポールにいて、
また一人、マレーシアに渡る。
人も物も、お金も情報も、
さらにはクラウドソーシングによって仕事も様々な国に行き来する時代だなぁとふと思う。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年1月13日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | スーツ ジャケット スタイル
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