パーティーと達成感と
以前はよく、パーティーを開いていて、
SDカードを整理しているついでにCDーRの整理を始めたところ、
パーティーの写真が結構出てきた。
キュイィィィーーーン、とCDが回転している音が早朝の書斎に響いて、
あ、CDってこんな感じだったよなぁ、とふと懐かしく思った。
まだDVDがなく、松さんこれ、と渡されるデータはだいたいCDだったな、と時代の流れを感じだ。
それで、写真を整理していて、ふと思ったのだが、
女性はみな服装に重きを置いているのだが、
男性はそうでもない!!
もちろん気をつかっている、
つかっているのだけれど、
そこが最優先課題といった感じではない写真が多かった。
いい服を買っても、仕立てても、
それを装う場がなければ着こなそうという気持ちにならないし、
逆に場があっても、良い服を装ってその場に行こうという思考にならないのは悲しい。
やはり素敵な場があるのは、
素敵な人、素敵な装いがあってだし、
素敵な装いがあるから、素敵な場になるのだ。
そんな想いから、
着る場を創ろう、と思ったのがきっかけだ。
それから、この時も今も変わらないことがある。
これはこういったパーティー主催者を経験して思ったことであり、
今、仕事を通して感じることなのだが、
達成感は、人に認められた時の喜びではなくて、
自分自身のうちなる《よし!》という承認であるということだ。
頑張って頑張って、
頑張ったね!と言われることがゴールだと、
頑張っている姿を評価してもらえない限り喜びが得られない。
自分の中で、
自分が課した目標を、ストイックに追求する、
そんな終わりなき旅こそ、モノクロではない、カラフルな人生になるのではないだろうか。
このパーティーは、なんだかんだいっても看板のないレストランを貸し切って、
プロバンス地方の料理をセットして、
来ていただく方の人数を、一人調整を見誤れば赤字という要素もあったのだが、
突き動かされるように、服を着る場を創りたくて開催したのだった。
現在38歳の私が書くのも烏滸がましいのだが、
この時は20代、30代、40代前半の若い方々が集まって、色々な方がいらして大変勉強になった。
こうしたパーティーを開催して実感したこと、それは、
やり切った!
と感じることの重要性だ。
あの瞬間の達成感とワクワク感は、今も忘れないし、
これからも大切にしていきたい。
それと同時に、写真を整理していて思うことは、
自分を支えてくれたたくさんの方がいるということだった。
ご縁があってこの仕事に就くことができたわけだが、
こうして10年以上継続させていただいているという背景には、
本当にたくさんの方の支えがあるのだ、と実感した。
あの頃、点だった事柄、例えばこういったパーティーを開催したことが、
今思えば、線、あの時のご縁や経験で今のお店が・・・となっている。
現にこのときパーティを開催させていただいた看板のないレストランは、
偶然にも現在のサロンから3分のところにある。
日々、もっともっと、深く物事を追求して、
それを何か役に立つように発信する、
それが皆様への恩返しなのではないだろうか、
この10年を振り返し、ふと感じる今日この頃、
つまり、
今やっていることが今後役に立つかわからなくとも、
必ずいつしか、あぁ、こういう意味だったのだなぁとつながる日がくる。
だから、日々良い仕事をして、自分のなかで、そして仲間で達成感を得る、
そのためにまだまだストイックに努力しようとふと思った。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年1月12日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | イベント
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