日本製スーツ生地!コスパ最高の葛利毛織は手間暇がかかっていた
松はじめです。
以前、葛利毛織という生地の織元に行った時の模様です。
前回ご紹介した模様はこちら
たくさんの工程を経て、生地は織られているわけなんですよね。
写真メインでお届けいたします。
生地のネームはこれで織られていた
生地の端を見ると、英語が書かれていますね。
メンズのスーツ生地には、こんな風なミミというのが入っています。
ここ、どうやって作っているのでしょう?
それがこれ。
上から吊るされています。
ジャガードの機械を使って文字をいれていきます
穴がいくつか空いていますよね?
この穴で糸を上げたり下げたりしながら文字を織るんです。
まるでオルゴールみたいですね。
これを加工しているところは、今はもう尾州でも一軒しかないそうです。
その方もお父様がやられていて廃業するつもりだった。
それが娘さんが引き継いだ。
本業は別にあって、注文が入ったときだけその方が加工してくれるのです。
80年前の織機で生地が織られている
ここで経糸の上げ下げを操作しています。
丸いものがついてるところとついてないところがあります。
今、これは右上がりになっています。
これは綾織(あやおり)の織物になるのです。
綾織で、ストライプをちょっと入れて。
ここで、どんな生地にしようかなとプログラムを組むわけです。
ここでペンチを使って手を真っ黒にしながら組み立てていくわけですね。
こうして並んだ器具も、なんだかアーティスティック。
新しい織機だと、タッチパネルで出来るところもあります。
が、葛利毛織は80年前の織機。
これを今でもリペアして使ってる。
だから、やり方も当時のまま!
最後に生地を補修
補修工程。
ウールは、実は織りあがった段階では未完成なんです。
結び目を裏に隠したり、織り段ができてしまっていたり。
そこを修正していきます。
場合によっては、針と糸を使って職人さんに縫い込んでもらうとか。
きれいな状態になったら整理加工にもっていく。
整理加工工程は別工場。
こちらも見学させていただきました。
そこでは、洗ったり、起毛させたり、毛を狩り揃えて、最後プレスまでして織物として完成します。
気の遠くなるような過程です。
これが、生地の見本、バンチブック。
テーラーにはこんな見本が置いてある。
ちなみに、葛利毛織ではアパレルブランドにも生地で納めているだけでなく、コレクション系や、海外のメゾンブランドで使ってもらったりすることもあるのだそうです。
葛利毛織 フォトコレクション
社長に抹茶をご馳走になりました。
最後に、葛利毛織のいろいろな写真をご紹介します。
大判の生地が並んでいるだけでもうっとりしますね。
服になったところを想像するだけでワクワクします。
こんな子供のおもちゃありますよね。
入り口はこんな感じ。
自然光を取り込む、のこぎり屋根です。
ウール100パーセントで着物を作りたい!という着物メーカーの方もいたそうで。
高回転しています。
何をする物か忘れましたが、そそられます。
思わず押したくなる・・。
自然光が差し込む工場。
1本いかがですか?
ずらっと織機が並んでる。
インスタ映え。
こうしてる間にも着々と織られる生地。
こうやって生地が仕上がるのです。
ボットーネ一同と、仲の良い大阪のテーラーさんと縫い子さんもご一緒しました。
ということで、愛知県にある葛利毛織という生地の織元からお届けしました。
さて、明日は何着よう?
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ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2019年1月7日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
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