納得!ウールはどうしてシワにならないの?クリンプとクセっ毛と

オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。
最近はもっぱら2プリーツのオフホワイト。
ウールシルクリネンのジャケットに、リネン(麻)のブルーのシャツで、ニットタイ。

ダブルブレストはジャケットも良いけれど、
クライアントS氏とショールカラー・ダブルベストについて打ち合わせ中である。
実はクルーの中之丸も同じだった。
ショールカラー・ダブルベストを誂えているところ。
私もショールカラー・ダブルベストを誂えようと思っていたところ。
偶然同じデザインが重なった、こういうこともあるのだなあ、まるでちょうど電話をかけようと思っていたら電話がかかってくるかのような、不思議な気持ち。
そんな今日この頃、まもなく夏季休暇に入る方も少なくないようで、ボットーネ表参道のサロン予約が急に増えてきたのだった。
まだまだ暑く湿度も高いけれど、秋に向けての打ち合わせは本格化しているのである。
ところで暑く湿度が高いことが手伝って、自分自身の髪がまったくまとまらない。
クセっ毛の私にとって最大の難所は、湿度の多い季節。
どうしたって夕方にはクルクルになってしまう。

さて、クセっ毛といえば、羊の毛もクルクルとしているけれど、これがウールのスーツがシワになりづらいことに繋がっていることはご存知だったであろうか?
反対に、コットンやリネンのジャケットなどはすぐにシワになる。
何が違うのだろう?
クルクルっとしている、ウールの繊維の縮れた状態、これをクリンプという。
実はこれがウールの特徴であるし、ウールが優れているのもこのクリンプがあるからなのだ。
まず、このクリンプがあるから空気をたくさん含むことができる。

空気をたくさん含むので、暖かさを保つことができるのだ。
それから、弾力が生まれる。
要するに癖っ毛の私、ドライヤーで伸ばしてもすぐに毛はくるっと戻ろうしてしまうわけなのだ。
だから織物にした時、その戻ろうとする力でシワになりづらいし、シワが元に戻ろうとしてくれる。
さらにいえば、自然なストレッチ性もこのクリンプのお陰なのだ。

メンズ素材の基礎知識&セビロの哲学 講義より 講師:大西基之先生
ビジネスで出張に行くならば、シワになりづらいスーツはとても重宝するし、
吊るしておいただけでスッとシワが元に戻るスーツは登板回数が多くなるけれど、
ウールってのは本当に優秀なのだ。
そんなウール、クリンプは多ければ多いいほど良い。
どうやってクリンプが多くなるのだろう?
メンズウエア素材の基礎知識 大西基之 著より抜粋

つまりこういうことではないか。
大量に飼われている羊より、家族経営の広い牧場で大切に大切に手間暇かけて育てる。
飼料にもこだわる。
こうしてクリンプが多い羊が誕生するのだ。
何事も手間暇かけた方が良いものになる、ということは、羊さんも同じ。
ということは?
原料が安い、良い原料じゃあないから加工するのです。
メンズ素材の基礎知識&セビロの哲学 講義より 講師:大西基之先生

ちなみに冒頭のジャケットはウールとシルクとリネンだけれど、こちらはリネン。
夏素材のリネンなどにはこのクリンプがない。
だから空気を含まない。
ということで保温性が少ないから、ウールと比較すると涼しいということなのだ。
・・・

そしてこれがウールなどの繊維の拡大図。
ご覧のようにウロコのようなものが見える。
このウロコ、スケールというのだが、このスケールがあるからしっかり絡まり合う。
さらにウールにはこんな特性も・・・
(ウールは燃え広がりにくい) だから消防士も基本的にはウール。
カーテンもウールのカーテンは燃えにくい。
表皮の表面に油があるから、撥水性があって汚れにくい。
本当はウールは雨もはじくのだよ。
メンズ素材の基礎知識&セビロの哲学 講義より 講師:大西基之先生
良いウールは撥水性があるのだ。
このように、ウールとはとっても優れているのだ。

ということで、私もストレートパーマでもかけて真っ直ぐにしようか、と思っていたクセっ毛であったが、良いところがないわけでもないのだなと思った今日この頃であった。
さて、明日は何着よう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・ こちらは先生の書籍。
ぜひともアパレル、ファッション関係に携わっている方に読んでいただきたい一冊。
販売の方なら正しい商品知識がついてお客様からの信頼が上がるし、
企画、バイヤーなどの方も復習・再確認という意味でも読んでおけば一目置かれるはず。
もちろんテーラー、スタイリスト業の方は、ダイレクトにその知識を生かして成果に結びつけられるだろう。
大西基之先生の師匠の幻の著書がこちら
セビロの哲学―男性のおしゃれ (1968年)
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年8月11日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | 背広紳士の知識
タグ:スーツ, 素材, 講義, 大西基之先生, 生地, こだわり
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