スーツの歴史!イギリスのブリティッシュスーツの元はラウンジコート
松はじめです。
英国紳士が着用するスーツスタイルといえば、ブリティッシュ・スタイルと呼ばれますが、
イギリスは、スーツ発祥の地。
今でも存在するイギリスのテーラー街、サヴィル・ロウという場所がありますが、この言葉が訛って背広という言葉が登場した、というような話まで存在しますが、
サヴィル・ロウで最古のヘンリー・プールというテーラーは1846年に店を構えたということですから、150年以上も今のスーツが存在していることになります。
今では、スーツを持っていない、という方はなかなかいらっしゃらないと思います。
仕事でも、冠婚葬祭・式典でも、良いレストランで食事をする日も。
スーツを着用するということは、一つの信頼に直結しているといっても言い過ぎではなくくらいに、国際的な服といえるのがスーツですね。
本日はそんなスーツの歴史、イギリス発祥のスーツについて解説していきます。
なぜスーツという名前なのか?
みなさんなぜスーツと呼ばれているか、ご存知でしょうか?
スーツを英語表記するとSUITとなります。
スーツは、実は原型はスートなのです。
例えば、靴はシューズといいますよね、これは2つで1足になるため、複数形になっているのです。
つまり、スートの複数形ということで、スーツとなったわけです。
現代のスーツの場合で考えると、スーツのジャケットとパンツ、上下2つを揃えて1つの服になる、1揃いの服ということです。
ホテルのスイートルームも一揃いの意味
スーツと良く似た響きを発する言葉に、スイート・ルームがあります。
例えばホテル。
ある程度のホテルになりますと、スイートルームがあります、
みなさまはお過ごしになったことはありますでしょうか?
スイートルームのスイートというのも、ベッドルームとリビングが1つの部屋となっているということから、スイートと呼ばれているようです。
スーツはラウンジコートが元になっている
そのスーツの歴史を辿ってみます。
まず、そもそもの前提としてスーツは寛ぐための服だったのです。
最初のスーツは、ラウンジコートと呼ばれていました。
これは1830年代に市民権を得たもので、ラウンジルームで、くつろぐための目的をもった服です。
現代で寛ぐ服といいますと、
極端にいえばジャージのような家着、ユニクロのフリースとでも申しましょうか。。
スーツはゆったりしたスコットランドの労働着がベース
さて、当時の王侯貴族は非常に窮屈な服を何度も着替えていました。
夜の食事の時やダンスの際は、長いテーブルに燕尾服というタイトな服を着て食事をしています。
堅苦しい場面が終わって、ようやく男性だけで歓談をする、寛ぐ場。
それがラウンジルームという場所でした。
せっかくラウンジルームなので、は寛ごうじゃないか、ということで、ゆったりとした服が着られるようになりました。
このゆったりした服は、スコットランドの労働着で、作業がしやすいようポケットがある、サイズがタイトではない服だったのです。
後のイギリスのスーツ、ブリティッシュスタイルを考えると、考えられませんが、最初のスーツというのは労働着だったためゆとりがあった、これが休むためには良かったということでしょう。
このラウンジコートが登場した時の様子は、こちらの記事でもご紹介しています。
スーツの流行はゆったりしたり、タイトになったり
オーダースーツも既製品のスーツも、一時期は非常にタイトなシルエットがトレンドでした。
それが今度は、メンズの服でもカジュアルを中心にルーズなシルエットやゆったりとした服が流行るようになります。
トレンドというのは女性ファッションが先行して、その後にメンズ・カジュアルに取り入れられる傾向があります。
そうして最終段階で男性のスーツスタイルに入り込んでくるわけです。
タイトフィットであったり、ルーズフィットだったり、これがぐるぐると循環するのがファッションです。
タイトでくるぶし丈のスーツ・スタイルだってミユキ族と呼ばれるスタイルに似ているわけですが、昔も今も、ゆったりしたりタイトになったり、メンズファッションも忙しい日々は変わらない、というわけです。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2023年8月21日
スーツの着こなし術 | ジェントルマンの知識
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