ダブルスーツの魅力!スマートな着こなし方を解説
11月に入り、秋の終わりが近づいているかと思いきや、日中はまだまだ暖かい気温が続いています。
この時季にしては記録的な暖かさのようで、冬服の出番はしばらく回ってこなそうですね。
ここ数日は合物(春・秋)として仕立てたダブルのスーツを着ています。
ダブルのスーツって一見着こなしが難しかったり、ハードルが高いように思われがちですが、
実は色々と万能に着ることができます。
この記事の目次
ダブルスーツのスマートな着こなし方
まずは基本に忠実なタイドアップ。
ダブルのスーツはそれだけで十分なインパクトがあるので、コーデネートはあまり考え過ぎず、ごちゃごちゃさせる必要はありません。
体を包み込むようにして着るダブルはVゾーンが狭めなので、白シャツにネイビーのネクタイを合わせるなどのシンプルな合わせが最も引き立ちます。
インナーに柔らかな印象のニットを合わせるのもダブルスーツの定番コーデネートです。
ニットを合わせることで適度にカジュアルダウンすることができ、かっちりとした雰囲気で貫禄あるダブルのスーツを良い意味で肩の力を抜いて着ることができます。
ダークトーンのニットが比較的簡単に取り入れやすいですが、あえて明るい色を挿し色として添えるのもgoodです。
ダブルはいつもより少し勇気がいる
普段から着慣れているシングルのスーツとは違い、あまり着慣れていないダブルのスーツとなるとご納品の際の緊張感も違います。
オーダーいただいた時点で「すでにダブルのスーツを持っている!」という方は少なく、
ほとんどのお客様がこれが初めての挑戦となります。
少しだけ”背伸び”をしたスーツとでも表現しましょうか、着慣れるまでの初めのうちは「自分に似合っているかな?」「大胆すぎやしないかな?」とご不安に思われることもあるでしょう。
ですが、スーツはそのくらいで丁度良いと思うのです。
シングルのスーツがいくつかある中にダブルのスーツが一着あると、おそらくそのスーツを着る日の朝は、いつもと少し違った気持ちになるのではないでしょうか。
「このスーツを着ていると、通勤時の気分が違う!」
そうして少しずつ着用回数を増やしていくことで、いずれもっと自然なにダブルのスーツを着ることができます。
自然に、ちょっとだけ堂々と着ることができれば、逞ましい印象のダブルスーツも馴染んで見えるようになり、そのスーツは本当の意味であなたのものになっているはずです。
仕事の成果、回りに与える印象、美的感覚、姿勢、所作、もしかしたら他の部分にも良い影響を与えることになるかもしれません。
緊張感を持って、少しだけ背伸びした服を着るというこは、自信を新しいステージに連れていってくれるものだと思います。
表情の違うダブル
ダブルのスーツにもよく見るといろいろな表情があります。
クラシカルで貫禄が出て見えるダブル、現代的なスマートなダブルとがあり、どちらも体にフィットさせるのは大前提として、細かな部分をほんのわずかに整えるだけで全く異なる雰囲気になります。
襟幅
ダブルスーツの場合、襟の形は先が尖ったピークドラペルになり、この襟の幅がスーツ全体の印象を大きく左右します。
体型や骨格によって設計するわけですが、例えばこのような太めのピークドラペルに仕上げると、逞しく迫力のある印象になります。
仕事で今までよりも責任のあるポジションについた、昇格して管理職についた、となればこのくらい太めの襟だと相応の貫禄が出て見えますよ。
反対にやや細めのピークドラペルに仕上げることで、精悍な顔つきになりすっきりとした見た目になります。
形はどちらも基本的に同じでありますが、襟は顔に近い位置にあるので印象を左右しやすく、ほんの数センチ整えることでこんなにも違った印象になるんです。
ダブルのスーツに初めて挑戦される方にとっては、襟にインパクトがあると着にくく感じることがあるので、少しスマートにするといいですね。
打合いの距離
あまり注目したことがないポイントかもしれませんが、ボタン間の距離(横)も大事です。
打合い(ジャケットの重なる部分)を標準的なバランスで整えると、ダブルのスーツらしいクラシカルで貫禄ある雰囲気に見えます。
こちらも反対にややコンパクトにすると、現代的な雰囲気と言いますか、ダブルスーツ特有の重厚感をやんわりと軽減することができます。
それぞれ単体で見ていたらきっと気づかないくらい細かなポイントですが、こうして比較してみると全然違いますよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ダブルのスーツは着こなしが難しいと言われがちですが、それはまだ着慣れていなかったり、ダブル特有の貫禄ある雰囲気がまだ似合わないと感じる原因だと思います。
Vゾーンが狭い分、着こなしはシンプルな合わせを意識することがポイントです。
スマートな表情で仕立てることで初めてダブルのスーツに挑戦する方でも少し気楽に着れるので是非参考にしてみてくださいね。
ライター:その他クルー
2023年11月10日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | スーツの着こなし術
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