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癖強制募金とカレーと

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特に誰に会うわけでもない企画会議は、リラックスしたスタイル。
寒さも手伝ってドルモアのケーブル編みクルーネックが離せない。
オフホワイトとグリーンの2色はどちらも重宝している。

この時期にスーツのインナーにクルーネック・ニットを着ている人がいるが、これは辞めた方が良い。
クルーネック・ニットを合わせるのは、ツイードやコーデュロイなどのカントリー・テイストのジャケットや、ブレザーなどでスクールテイストに合わせるのが良い。

昨日はこれから開校するメンズ素材アカデミー(仮称)についての企画を作るべく、書斎に籠る。ほとんど1日缶詰というのは久々で、私は考えをまとめるのに時間がかかる性分のため、だいたいまとまったのは夜中の2時くらいだった。

しかしバラバラだったパズルのピースが組み合わさり、
一つの絵が見え始めると目の前がクリアになって、
だからだろうか、
今日はふと、あることに気づいた。

《あれ?あの言葉言っていない・・》と思ったことから、あるクルーの大きな変化があった。

ボットーネでは、会社にあるミネラルウォーターを購入した場合、
冷蔵庫付近に置いてある貯金箱に150円を入れることになっている。
そしてこの150円は募金となる。
熊本やネパールなど、その時々の状況によって貯まった金額を募金する。

これともう一つ続いている文化が、
癖(くせ)強制募金である。

癖強制募金とは、
あるクルーの悪い癖が露呈したとする、
それを指摘されたならば200円、となるのだ。

200円を入れる際には、
《ありがとうございます》と感謝の言葉を言うのも暗黙のルールだ。
これは托鉢に似ている。

ダレスバッグ

街角に立っている僧侶の持っているお椀に、お金を入れても、
僧侶は感謝するわけでもなく、
むしろこちらがありがとうございます、と言うのだ。

世の中のために役に立てた、
ありがたい、というわけだ。
そうして周り周って行いは自分にかえってくるという。

癖強制募金もある意味似た側面がある。
まず、200円を困っている方の役に立つことができる。
そして、自腹を切って200円を出し続ける悔しさから、
癖は強制されるのだ。

あるクルーは、昔からどうしても《自分は・・》と自分のことを言う癖があった。
ビジネスでは自分はご法度、
私は・・である。

しかし、これがなかなか治らない、染み付いた悪しき習慣は。
そこで癖強制募金の対象になり、
多い時は1日5回(1000円)を募金することになった。

そうこうして気がつけば1ヶ月半が経ち、
今日ふと、
《あれ?最近ネパール(当時はネパール募金という名目であったため)は最近入れていないね?》と声をかける。

すると、あ!という顔でこちらを見ていた。
なんと、45日続けた習慣によって悪しき癖が完全に治ったのだ。

オーダータキシード
《そういえば他にも言葉遣いがとても丁寧になったね、周囲にも言われるのではない?》と聞いてみたところ、

また、あ!という顔をしてクルーは言った。

《最近、両親に、え?と言われることがあります。》
という。
朝、暖かいコーヒーを、
自身がちょうど一階に降りるタイミングで淹れてくれる両親に、
《ありがとうございます》と、ふと敬語で感謝の言葉が出るというのだ。

《最近、当たり前のことに感謝できるようになりました。》
というクルーは、ここのところ率先垂範してトイレ掃除をしている。

《以前は、少しでも早く出社して掃除をして、
松代表や小寺マネジャーに褒めてもらうことが嬉しかったのですが、
最近、変化がありました。》という。

褒めてもらうことではなくて、
自分自身のなかでトイレ掃除を徹底してやる、
やったときに、よし!やったぞ、という仕事に対しての満足感が生まれた、
というのだ。

45日前にスタートした、
癖強制募金だったが、
仕事に、チームに、両親に、
当たり前に思えていた様々な事柄に感謝できる心が生まれたのだ。
そしてこれは彼自身にもともとあった才能なのだ。

気づかずに周囲に流され、漫然と生きてきた、
それがこういうテーラーで、ダイレクトにクライアントの評価を受け、
何事も妥協せず、厳しくまっすぐな環境に身を置いたことで、
本来の自分自身を取り戻したのだと思う。
一つ一つ、そしてまだまだこれから。しっかり良い仕事をしよう。

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横浜、元町・山下公園付近に立ち寄ると、必ずといっていいほど立ち寄るランチは、
ケロッグアンドカリーで、
店内はいつも賑わっており、サラダ・デザート付きで大盛り込み1000円に、横浜の暮らしやすさを連想せざるを得ない。
表参道ならば1350円といったところだ。

横浜 元町 ケロッグカリー
クルーは焼きカレー。
12月も半分を過ぎ、今年も残すところわずか、
悔いのない毎日を生きよう。

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2016年12月17日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | Other

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