昔のシャツは合理的!取り外しできる衿と袖口 デタッチドカラー

その昔、シャツはあまり洗いませんでした。
そこで、汚れやすい襟と、袖口は取り外し式。
身頃とは別に、襟も、袖口も売られていて。
すごく合理的!
今だと袖口がほつれたけどまだ使えるシャツなんか、捨てるしかない。気分によって襟型変えてもいいし。
今の時代にも合ってると思うんだけど。
— 松 はじめ|メンズファッションTV (@matsu_hajime) November 17, 2019
松はじめです。
その昔、シャツの襟と袖口は取り外し式だったのです。
結構良いと思うんですよね。

まず、こちらシャツの衿だけが売られている!
これ、デタッチドカラーといいます。
要は、取り外しできる衿。
さて、もともとは取り外し式ではありませんでした、どうして取り外したのか?
そもそもシャツは毎日洗うものではなかったのです。
以前、長澤均さんにお会いした時にお話しお伺いいたしましたが、貴族のシャツは、半年に1回洗う。
それも、船で。
洗濯船という、階級の違う人々が洗っていたのです。
この当時のシャツなんですが、高級とされていたホワイト・リネン(麻)がシャツの素材。
そもそも、いま、ワイシャツと呼ばれるものは、3000年以上の歴史をかけて出来上がったもの。
本当に昔はただの一枚の布だったわけです。
その始まりの素材は、リネン(麻)でした。
19世紀までコットンは、市民の布地だったのです。
コットンになるのは後の時代で、インドから安いコットン(キャリコ)が入ってきたので、今のようにコットンがメインになったんです。
上流階級の肌着はすべてリネン。 こんなところにも身分の差が出ているわけです。
高級素材ベッドシーツもリネンでした。
だから、今でもリネン室というのがホテルにありますよね、これが名残りです。
さて、シャツは毎日洗濯できない、しない。
それで、汚れがつかないように糊付けをしました。
そのため衿などは板のようにガチガチに固かったのです。
あんまりにも糊ガチガチなので、これを落とす時に釜茹でにしたという話もあるようで、どうやらこれがハードボイルドという言葉の語源とも言われます。
こんな風に、洗うといっても一苦労だったシャツ。
アメリカのトロイ(Toray)のオーランド モンタギュー婦人は、鍛冶職人の奥様。
旦那は、シャツは毎日洗って着たい派でした。
いやはや、そんな几帳面なご主人のシャツ洗濯はあまりに大変。
そこで、モンタギューさんはあることを考えます。
衿を切り離しましょう。
汚れやすい衿だけ洗えばいいじゃない!と考えたのです。
これがきっかけに、製品化がスタートして、シャツは衿取り外し式になったと言われています。
この後に接着式の衿になっていくわけです。
ということで、今日はシャツにフォーカスして、お気に入りのクレリックシャツでも着てみましょうか。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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