なぜ世界のビジネスマンは靴を見るのか?
イタリア通の私の先生が言った事。
「あいつあんな格好してっけどいいやつと、日本はボロは着てても心は錦って言うけど、イタリア人はそういうのない。
会うとまず靴見られる、彼ら(靴の良し悪し=人間性が靴で)わかるから。
それに生地見たらわかるのよ。」今日も磨かれた靴で出社しよう!
— 松 はじめ|メンズファッションTV (@matsu_hajime) October 21, 2019
松はじめです。
冒頭の写真は、英国の生地 フォックスのダグラスコルドー氏の靴です。
手入れが行き届いたセミブローグの靴はフォックスブラザーズのダブルブレストのフランネルスーツに見事に調和していました。
さて、良くも悪くも、なんですね。
靴。
靴だけではありません、時計、小物、もちろんスーツに髪。
あからさまに見るわけではありませんよ。
チラッと、視線を感じるわけです。
でもなぜ世界のビジネスマンは日本人の靴を見るのでしょう?
それにはこんな背景があります。
日本と前提が違う
靴もそうですが、身なりは大切です。
特に海外の方とのお仕事では非常に重要です。
最重要課題といっても過言ではない!と申しておきましょう。
なぜなのか?
それは、階級社会という背景が関わっています。
そもそも日本には階級社会という文化は、今はありませんよね。
あなたの会社に、私は貴族です!という方はいらっしゃいませんよね?
(もちろんお家柄のよろしい方は多くいらっしゃるのですが)
そもそも、この前提が違うのです。
ここが理解できると、服装って実は大切なんだなぁ、ということがふと気づきます。
お金持ち学校
例えばイギリスやアメリカ。
日本にいるとにわかに信じられないかもしれませんが、階級社会です。
私のような庶民が大統領になるなんて夢のまた夢の夢(おいおい日本で総理も無理でしょう・・)
極端にいえば、基本的には生まれた家次第となります。
生まれた家次第で、学校も違ってきます。
アイビーというファッションを耳にしたことはありませんか?
金ボタンのブレザーに、ストライプのネクタイ、グレーのパンツにローファー、というようなスタイルというとアイビーというスタイルです。
これは何かというと、その昔ある日本人が、
「とても素敵なスタイルですね!」と外国人に言ったところ、
「これはアイビースクールの学生たちの服装だよ」と答えたという。
そこでその方は日本に持ち帰って、そのスタイルを広めた。
これが大流行した、というのです。
その日本人というのが、石津謙介さんという方です。
もしあなたが20代なら、お父様世代に聞いて見てください。
多少なりオシャレした、ちょい悪だった、というなら知っているはず。
エリート学校スタイル
このアイビーというのは、言葉を選ばずに言えば、
お金持ちのご子息が通う、いわゆるボンボン学校様です。
羨ましい限りですが、エリートまっしぐら。
で、良い服を買い与えられている。
なんですが、学生なのでくたっと、緩く着るんですよ。
これが力が抜けててカッコいい!と映るんですよね、今でも。
本当に、今見てもこの学生スタイルはカッコいい。
雑誌で抜け感、という言葉を見ることがありますが、まさにこういうことです。
余裕があって、良い服を着ていて、でも着崩している、というような。
なぜ日本人はビトンのバッグを持つ?
話を階級社会に戻しますと、
つまり日本のように、
小学生の1つ前の席に歯医者さんの息子、後ろにビル持っているオーナーの息子、挟まれてサラリーマンの息子の私・・
というような構図が当たり前ではないということなのです。
(もちろん日本にも私立の学校はありますが・・)
イギリスのデザイナーと会った時に、
「僕は庶民の階級なんだから、相応の服装をするよ。日本人は一般人もビトンを持つね?」
というようなことを言われたことがありまして。
通訳の方のニュアンスもあるでしょうから、多少の誤差はあれど、
日本人の女性が電車に乗っていて、ビトンのカバンを持っていたって、さして違和感はありませんよね?
これが、良い悪いではなく、そもそも土台が違うということなのです。
あなたがボーイだったら?
あなたがそんな階級社会に生きていたとします。
仮に、あなたがホテルのボーイだったとしますよね。
高級なホテルに立って、お客様のお荷物をお運びする。
ここはロンドンですから、運ぶとチップがいただけます。
チップは、お客様によって異なります。
多くいただける場合もあれば、ちょっとの場合も。
生活がかかっているあなたならどちらのお客様に濃厚なサービスをしますか?
A:良い靴を履いていて、良いカバンを持っているお客様
B:クタッとした靴を履いていて、クタッとしたカバンを持っているお客様
あなたの答えは・・・
推測しましょう、
A、と考えたのではないでしょうか?
B、と答えた方はこう思われたのではないでしょうか?
いやいやいや、サービスとはどんなお客様にもばらつきがあってはなりません!
いらしたお客様には、おもてなしの心を持って、
靴とかカバンなど、見た目で先入観を持ってはいけません!!
こちらの方は、世界に誇る素晴らしい日本人ということになります。
良い靴を履いている人
つまり、ホテルのボーイもわかっているのです。
良い階級にお生まれの方は、良い教育を受けている。
良い場所に行くには、良い靴を履くものぞ!という教育を。
靴、カバンを見たら、チップの額がわかる!と考えるのかどうかはボーイのみぞ知るところです。
が、もしあなたが海外のホテルで扱われ方が悪いな、、と感じたことがあれば、もしかしたら靴のせいかもしれません。
試しに、ちょっと背伸びして、良い靴を履いて行ってみてください、もちろんしっかりクリームを入れて。
違うはずですよ、扱われ方が。
まとめ
そんなわけで、靴を見る、足元を見るという表現が日本にもありますが、
まさに靴が見られるというのはそういう国の文化、背景の違いも一因です。
日本では、スーツ離れ、という言葉や服装のカジュアル化もいろいろと騒がれます。
ですが、欧州ではまだ基本スーツ。
海外旅行者がTシャツにリュックを背負って歩いているから、世界の人たちも意外とカジュアルなんだ!と感じることもあるかもしれませんが、それは私たちが台湾旅行で観光をしよう!という時のような旅行スタイル。
特に金融街をはじめビジネスマンは、きちんとスーツを着ています。
服装は大事ですね。
最後に、イギリスに行く場合はくれぐれも黒い靴で!
この話はまた今度。
さて、明日は何着よう?
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ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2019年10月21日
ファッションアイテム | 靴
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