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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

グレンチェックの色に隠された皇太子のこだわり

松はじめです。

私が着用しているスーツ。

いわゆるチェック柄です。

日本ではグレンチェックと呼ばれることが多いです。

が、実は、もっと高貴な柄の名称があるのです。

その名も、プリンスオブウェールズ!

この柄には深い意味があります・・・

この記事の目次

グレンチェックとは?

まずグレンチェックですが、スコットランドのグレンアークハート渓谷一帯で織られていた柄といわれています。

ネス湖
ネス湖の美しい光景に目を奪われますが、この近く。
ネッシー発祥の地ですよね。
地名にちなんで、グレンチェックとの名称がついているわけです。
 

グレンチェックの正体は喪服

グレンチェック柄は一体どんな意味を持っていたのでしょう?

実は、これはタータンの一種で、喪服だったようです。

そもそもタータン(日本ではよくタータンチェックという)は、赤いチェックをイメージする方が多いですが、いろいろあります。

スコットランドでは、領主ごとに違うチェック柄を着ていました。

さらに、闘いで勝ったらチェックを1つ増やしたり、

分家ができたらチェックを1本増やしたり。

そんな風にどんどんチェック柄が増えていったのです。

なんと今では170柄以上ある。

そのタータンの中に、モーニングタータンという、喪服のチェックがありました。

これがグレンチェックの正体だったのです。

グレンチェックにピンクやブルーのチェックが入ると・・・

グレンチェックスーツに、ピンクか水色の大判のチェック(オーバーペーン)が入った柄があります。

これは、プリンスオブウェールズチェックという柄です

とても服好き、洒落者の英国皇太子はこの柄を着ていました

19世紀末、ビクトリア女王の長男、エドワード7世は、服のことしか頭にない!というくらい服好きだったそうです。

まるで私のようですが、まるでレベルが違うでしょうね・・。

皇太子なのに街に出かけて、フラッとテーラーに行って仕立てる方だったそうです。

皇室から突然陛下が歩いて南青山に来た!とならば大ニュースですよね。

さて、エドワード7世、素敵なグレンチェック柄を目にすると、着てみたくなったのです。

ところが、もともとスコットランド喪服。

喪服を意味している柄をそのまま着るなんて、ちょっとナンセンスだな。

と、色(ピンク)チェックをプラスします。

なかった柄なのですから、織らせたんでしょうね、生地の段階から。

そんなわけで、英国皇太子の着ていたこの柄、プリンスオブウェールズチェックというのです。

グレンチェックはさらに進化した

さて、その孫はまた考えました。

孫・ウィンザー(彼も当然英国皇太子)も、プリンスオブウェールズチェックを見て、着てみようと思ったわけです。

でも、おじいちゃんがピンクを入れたんだ。

ならば僕はブルーのチェック柄を入れてみよう。

こうして、ブルーのチェックが入った柄が生まれます。

こちらも皇太子ですから、

やはりブルーのバージョンもプリンスオブウェールズチェックです。

イタリアではガレス

 
ファッション業界で素材の神と呼ばれ、私の先生である大西基之先生によれば、イタリアではこの柄をガレスと呼ぶのだとか。
ガレス(Galles)はウエールズのこと。
正確にはプリンチペ・ディ・ガレスとなります。
 
不思議とさらに高級感が増すのは気のせいでしょうかね。
この日の大西先生はグレンチェックのジャケットをお召しでした。
何でもサラリと着こなしてしまう、素敵なお方です。
 

イタリアではガレス

ということで、グレンチェックにカラーチェックが入ったスーツやジャケットは、

プリンス・オブ・ウェールズ・チェックと呼ばれます。

それは洒落者皇太子の注文。

さらに孫も、別の色で。

男性のファッション、スーツやジャケットには歴史と文化が詰まっています。

柄を1つとっても、語れますよね。

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2019年10月22日
ファッションアイテム | オーダースーツ

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