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穂積和夫 先生のトークショー たくさんのふしぎ タータンと男の服の話

先日、穂積和夫先生のトークショーがありました。

場所は、以前代表が記事を書いているトークショーと同じ、銀座シックスです。

みなさん、ひとくちに「タータンチェック」といっても、たくさんの種類があることはご存知でしょうか?

実はタータンチェックと呼ぶのは日本だけで、本来は単に「タータン」と呼ぶのが一般的。

スコットランドのひとたちは、タータンの色に「生まれ育った場所への特別な思い」を込めたそうです。

そんなタータンには、明確なルールが存在します。

非常に簡単なルール。

タータンのルール

・2色以上の色糸をつかい、それらの糸が直角に交わるチェック柄であること

・たて糸とよこ糸につかう糸の色と数が同じで基本パターンが繰り返されること(上下左右対称模様になる)

~たくさんのふしぎより引用~

これが、タータンの約束事です。

このルールに則れば、色糸を何本使っても良いのです。

そして、スコットランドのタータン協会に承認されれば、オリジナルのタータンとして世界的に認知されます。

伊勢丹タータンや神戸タータン

皆さんも良くご存知の、伊勢丹の印象的な紙袋。

これも実は「マクミラン・イセタン」として、正式に認定されているのです。

その他にも、神戸開港150年を記念して、神戸のイメージカラーを凝縮した「神戸タータン」や、ピンク・ブルー・レッドの3色を使用した「ハローキティ」というのもあります。

身近なところにも、以外にもタータンが潜んでいると思うと、面白いですね。

毎年世界中の国々から申請があり、今では7000種類以上のタータンが登録されているそうですよ。

今回穂積先生が出版されたたくさんのふしぎ。

本を制作したチームでも、タータンを作ったのだそうです!

<穂積和夫 先生>

 この”たくさんのふしぎ”という、すてきなタータンの本を作ったチームで、ひとつタータンをつくろうということでこのタータンが出来上がりました。

色々試作されて、手織りでおってくださったんです。

そして僕が持ってるのは僕の為のタータン。

めずらしいタータンで、これはスコットランドのタータン協会に登録できました。

こちらがその登録商、「スコティッシュ・レジスター・オブ・タータン」。

このタータンの名前は、「たくさんのふしぎ・タータン」と言います。

記念撮影をしてくださった穂積先生。

首元のマフラーが、まさに「たくさんのふしき・タータン」です。

この日は、代表が台湾スーツウォークでご一緒した、メンズウエア素材の基礎知識 著者 大西基之先生のお姿もありました。

素敵な色ですね!

サインをしていただきました!

黄緑は若葉、読者をイメージしていらして、そのまわりにこれからたくさんのすてきな出会いがありますように、という願いを込めて、明るい黄・赤・白・水色・青の格子を織り込んだそうです。

<穂積>

 わたしたちもこのタータンに、読者の皆さんへの思いを込めることにしました。

 6色の色糸を使った、特別なタータンです。

想いのこもった「たくさんのふしぎ・タータン」。

実はこの本は、小学3年生に向けて作られた本で、3年生にちなんで”3本”のラインを使っているのです。

「素敵な出会いがあるように」と、希望あふれる配色のタータン。

なんだか元気が出てきますね!!

もちろん、トークショーはタータンの話だけではありません。

話は弾み、「男の服」について。

<石津>

 女性のファッションイラストレーターはいるけど、デザイナーはいないですよね、未だに。

<穂積>

 いるんじゃないですか?(笑)

<石津>

いるのかな?(笑) ははは、いますよ。

いますけど、大体女の人がやってる男の服のデザインを見に行くと、「あ、着たこととないな」って見た途端に分かる。

良い悪いではなく、「着たことある人が書いた洋服のデザイン」と「着たことがない人の書いたデザイン」は明らかに違うから、これじゃ袖通らないだろう、とかね。

裾の長さが上着より長いってどういうことなんだろう、とかね。

確かに、若い人達のカジュアルファッションにおいては、ここ数年良く見られますね。

「裾が上着より長い」という発想は、確かに斬新です。

<穂積>

 そういうデザインよくあるじゃないですか、既製品で。

<石津>

 既製品ではありますね。でもこれからは男の服の定番ってなくなるからね。

<穂積>

 そうですよね、これからの定番はね、「その人その人がこれが定番だ!」って思うものが定番になる。

<石津>

 パリコレのメンズなんか見ていると、洋服よお前はどこへ行くっていうくらいすごいですよね。

<穂積>

 すごいなあ。

“男の服の定番”が大きく変わってきているというのは、非常に興味深いですね。

女性デザイナーの苦労や葛藤は計り知れませんが、いろんな感性が混ざり合って、変化している時代に我々はいるのです。

穂積先生のおっしゃられた、「これからはその人その人がこれが定番だと思うものが定番になる」という言葉は、ファッションの楽しさと自分のスタイルを見つけていかなくてはいけない難しさの両方が隠されているのではないでしょうか。

今、世の中の女性が着ている服って、男の服だったんです。

タータン(タータンチェック)も男のもの。

でも今では女性が着ていますよね?

<穂積> 僕はタータンはやっぱりあくまで男のものだという気がしてね

男のものをかくも大事にしてスコットランドの人がやってるっての

<石津> 女の子のものだっていうけど、みんなが着てる女性ものはみんな男ものですよ

<穂積> あーそりゃそうですよ

民族衣装などのイメージもありましたが、タータンチェックが男の服だという認識はありませんでした。

元を辿ると、全部男物。

そう、だから深いんですよね、服は面白いですよね。

<石津>女からスタートしたみんなが着るものってなにもないんですよ

女性がきて向かいから同じものをきてきても気にならないものっていうのは全部元男ものなんです

女ものとして最初からスタートしたものは前から同じ柄や同じデザインのものがきたら見つけたほうが先に隠れる、女ものっていうのはそういうふうにできてる

だから1点ずつみんな違うものが女物の良さだし、どうしてもタータンとか今日見ても女の人がきてるもので女スタートはほとんどない、セーターにしてもパンツにしてもなんにしても、そういうことからするとタータンが段々女性の方へ行くっていうのは当たり前のことですからね

・男性は周囲と同じ服を着ると安心する、

・女性は人と同じ服は好まない、

というのはよく聞く話ですが、こういう経緯があるんですね。

<石津> ジーパンが1番リレーですけどね

それからするともうちょっと男が着られるようにするってのはなかなか難しいですよね

着ることってみんなうるさいからね、段々そういう時代になってくるから同じものを着ないっていう主義は今までは女の人はみんなそうだったんですけど、男の服はそっちへ走っていきますよ

<穂積> いきますねえ

例えば今、スーツが定番というのも崩れつつありますよね。

落合陽一さんがニュースステーションに、ヨージヤマモトの服で登場する光景に違和感を覚える人もいれば、かっこいい!と言う人もいる。

ところで、この日穂積先生が着ていらっしゃったスーツ、なんと40年前のものだったそう。

<穂積> 僕なんかも今日これ40年くらい前のスーツなんだけど、スボンの裾幅24センチ上着丈も長いしさ、要するに今のメンズファッションはこれっていう1番トップスタイルと反対のやつを着たいっていう。

1番トップスタイルというのは、通勤できるユニフォーム。

あれはスタイルじゃなくてビジネスユニフォームだから上下19800円、2着でいくら。

あれはファッションとは別の世界、実用着の世界だ、と石津先生はおっしゃっていました。

<穂積>僕はビジネススーツは着たことがないんで、スーツ着るときはパーティー行くときとかいわゆる遊びですよね。

<石津> 僕はビジネススーツを街で着せるのが仕事だったもんですから(笑)

今日もテレビ見ててファッションの中に裸って入ってきましたよね、男の方もついにね。

肉体で1番魅力的な男性は誰か、みたいなランキングがあって、順位を競うのがいよいよ男性も裸という時代がきちゃった。

そうすると裸もファッションの中に入ってきちゃう。

女の人の裸って昔からファッションですからね、絵画でもなんでも、昔の宗教画の時代からファッションですから。

そうすると男のほうが何世紀遅れてるか知らないけどね。

<穂積> だいたい男は遅れてるんですよね

<石津>これからはそういう意味じゃ面白いけれどね

街を歩けば色々なファッションに溢れていますが、これからの時代、男の服もそれぞれの個性が輝く方向に変化していくんですね。

また、裸がファッションに入ってきたというのは言葉には出来ませんでしたが、私も似たようなものを感じていました。

たしかにインスタグラムやテレビを見れば、ボディの美しさを競い合う男性を見かけることがあります。

女性の裸は古くからファッションとされていて、その感性に男性も追いついてきたということでしょうか。

さて、明日は何着よう?

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ライター:その他クルー

2019年2月3日
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