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スーツを仕立てたお客様

スーツはやっぱりスリーピース

最近は、11月・12月にオーダーをいただいた方の納品が続いております。

こちらの生地、原毛はスーパー100です。

最近はスーパー130~160の非常に細い原毛を使った生地が多数流通しており、スーパー100と聞くと「あれ?少し素材の質が悪いのかな?」と感じる方もいるかと思います。

もちろんスーパーという表記は、素材の良し悪しを判断する上では非常に重要なフィルターとなるのですが、「スーパーが高ければそれだけで良い生地」ということでは決してありません。

例えば、英国のマーチャント:ハリソンズは、スーパーの表記がないコレクションも多く存在します。

これはある意味で「スーパー(原毛の細さ)は特別重要視していない」と言えると思います。

ぬめりのある独特な輝きがあり、一般的な無地の生地でありながら華やかな表情を持っています。

ほのかな青みも、太陽のもとではより一層美しく表れることでしょう。

痩せ型なS様、先日素敵なポロコートをオーダーいただきましたご縁から、今回はスリーピースのスーツ。

まだお若いS様ですが、普段からオーダースーツを着用され、身だしなみには人一倍気を遣っていらっしゃることがご来店時の装いから一目で分かります。

手足も長くうらやましいお身体でありますが、細身であるが故のサイズ選びの難しさも色々ご経験されてきたことと思います。

フィッティングはテーラーによって様々あると思いますが、私なりにS様のスタイルの良さを引き出す形でお仕立てさせていただきました。

ジャケットは丸みのある表情でありつつも、バストやウエストはメリハリを付けて立体感を出しました。

胸のボリュームが欠けてしますと、のっぺりした雰囲気になってしまいますので、適切なゆとりに加え、副資材もボリュームを持たせています。

ウエストラインはもともと細身のお身体をされていますので、適度な絞りで充分です。

あくまでビジネスで着用するものですので、無理のないフィッティングにすることで落ち着いた印象を与えることにも繋がります。

やや細身のスラックスはノークッションでフレッシュさを。

ベストはVゾーンの深さも理想を追求しました。

イメージ通りに仕上がり、大満足のご納品です。

これからリモートワークも増えるとのことでしたが、週に1・2回出社する際はこちらのスーツでビシッと決めて、リラックスとはまた違った装いをお楽しみいただければと思います。

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続いては初めてオーダーいただきましたY様。

吟味された上で最終的にご選択いただきましたのは、グレーベースのチェック柄の生地。

バーガンディのチェック柄は、生地そのもで見ると一見派手かな?と思いましたが、スーツとして仕上がると、落ち着いた色味で丁度良いバランスです。

お仕事中はベスト姿になるということで、襟付きのベストでご注文いただきました。

裏地はチェック柄の色を拾って同じバーガンディのお色味です。

先ほどご紹介させていただいたS様同様こちらのY様も非常に痩せ型、さらにイカリ型でもあり、既製品のジャケットでは余計なシワが出てしまうことでしょう。

肩周りのフィッティングはサイズ感だけでなく、袖付け、肩パットの種類、アームホールなどあらゆる要素が関わってきます。

「スーツは肩で着るもの。」という言葉の通り、見た目の印象だけでなく着心地にも直結するような重要な役割を担っているのです。

お召しいただいたY様も着心地に大変ご満足いただけました。

「早く仕事にいきたいな!」と嬉しいお言葉まで。

洋服ひとつでその日の気分、モチベーションは驚くほど簡単に変わります。

お気に入りの服を着て出かけた日は気分が良いですよね。

Y様にとってそのようなスーツとなりましたら何より嬉しく思います。

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今回ご紹介させていただきました2名のお客様は、どちらもスリーピースでご注文いただきました。

スリーピースはやっぱりかっこいいですし、ベストは利便性も兼ね備えた気が利くアイテムでもあります。

ベストは不思議なもので、ジャケットを脱ぐとジャケットの代役となります。

上にジャケットを着ていればインナーのような役割になりますから、温度調整という意味でも重宝するんです。

ベストを着用することで、胸元が引き締まる=Vゾーンが狭くなります。

ネクタイを締めていれば結び上がりに立体感を持たせることも出来ますし、スリーピースで装うだけで非常にエレガントに見えます。

もともと、スーツはラウンジコートという「くつろぐ服」でしたが、当時の考えでは上着を脱いで過ごすなんてもってのほか。

なぜかというと、上下だけのスーツで上着を脱いでしまうと、シャツ=下着姿になってしまうからで、

昔の貴族はこれをとても恥ずかしいことと捉え、シャツから見えているボタンすら宝石で隠したほどでした。

ベストが与える印象は、今も昔も変わらず「きちんとしている」ということなのでしょう。

いつもと違う特別感を出すということも、ベストがあれば簡単に演出できてしまいます。

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▼ベストについての詳しい情報はこちらの記事でご確認ください。

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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2021年1月22日
クライアント | スーツを仕立てたお客様

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