涼し気なスーツたち
ベーシックなネイビースーツ。
控えめな光沢、自然なフィッティングは着用している人自身を輝かせてくれます。
主役は服ではありません。
ホーランド&シェリーのストレッチシリーズの生地です。
20代のT様、スマートな細身のスラックスに、ストレッチ要素をプラスして「美しさ」と「快適さ」を両立させる設計にしています。
前回のスーツは春夏向けのフレスコ生地でしたから、今回は春、秋、冬とスリーシーズンご着用いただけますようお見立てしました。
安心感を与えてくれる一歩下がったスーツが、人前に出ることも多いT様のお人柄を表してくれることでしょう。
・
・
・
・
・
盛夏用のスーツが明確に「必要」である人はずいぶんと少なくなりました。
しかし、一部のご職業の方、作業服としてではなく「投資価値のあるビジネス服」としてスーツをとらえている方にとっては数年前から変わらず「必要」なアイテムであり続けています。
薄手の平織り生地で、サラサラと気持ちのいい触り心地ながらも、強撚糸でテンションをかけて織られているからシワにもならないという、まさに清潔感の塊のようなスーツが完成。
名作、ハリソンズ・オブ・エジンバラのミスティークコレクションです。
エイジング加工されているグレーのナットボタンが良い味を出してくれています。
光沢のあるツイル生地ではアンマッチですが、平織りのマットな質感にはもってこいのボタンだと思います。
N様にご着用いただきました。
初めてのスリーピースでのオーダーでしたが、クラシックな装いを好まれるN様は「衿付き」のベストでご注文。
薄い生地を使っていますが、アイロンワークを駆使した贅沢な仕立てにより、ふんわり空気を纏っているかのような立体感があります。
ラペルのロールも美しい。
一般的には少し明るめの色かと思いますが、夏ですからね、夏。
これだけ爽やかで清涼感のあるスーツを、当たり前のように着こなす。
この日はたまたま着ていたサックスブルーのシャツ、ネイビーのネクタイと全身ブルーで統一されていますが、それぞれのトーンが違いますし、ネクタイで引き締めている為くどい感じが全くしませんね。
スーツをちゃんと着るって、こういうことだと思います。
インスタグラムのストーリーように動画撮影にも快く応じてくださいました。
いつも心躍るような素敵なスーツをオーダーいただき、本当にありがとうございます。
・
・
・
・
・
お次はこちらのカーキのスーツをご紹介させていただきます。
フォックス・シティという、先程のハリソンズ;ミスティークに比べると、同じ平織りですがずいぶんと厚みがあるタフで育てがいのある生地です。
写真で見るよりも、肉眼の方がもう少しグリーンっぽい感じです。
ザラザラとした独特な触り心地ですが、着こんでいくごとに柔らかくなっていきますので長い年月をかけて楽しんでいただきたい一着です。
ハリのある生地と、柔らかい仕立て。
芯地は使わず、でもふんわり立体的に。
アウトポケットをつけてカジュアルな雰囲気にしており、仕立てや生地感ともマッチしています。
こちらのスーツもエイジングナットボタンを使いました。
枯れた木の葉のような色味が、カーキの生地にとてもあっています。
フォックスブラザーズの生地には草木染めの雰囲気があり、カントリーテイストのアイテムと相性がいいことも重要なポイントです。
名作、パラブーツの『ウィリアム』、最高の相棒ですね!
厚みがありややポテッとしたフォルムのパラブーツは、きれいなスーツとは相性が良くありませんので、今回のスーツのようなややカジュアルなテイストを含んだ、セットアップやジャケパンに合わせるのがベスト。
オーダーいただいたH様、初めてのご注文でしたが、やや攻めたスーツとなりました。
シャツはこの日着ていらしたオックスフォードのボタンダウンシャツ、いい感じですね!
この生地は素材感もありますので、ジャケット・スラックスをそれぞれ単品で使うこともできますので汎用性抜群です。
デニムパンツと合わせてチェックもしましたが、バッチリの組み合わせでした。
ビジネスに、プライベートに、色々なコーディネートを愉しんでくださいね。
素敵なご注文、誠にありがとうございました。
・
・
・
・
・
H様の履いていらしたパラブーツのウィリアム。
革の質にもよりますが私のイメージとしては『雨でもへっちゃら!』な靴の代表格です。
これから梅雨のシーズンも近づいてきますから、服の方も色々と準備やケアをしておきたいところ。
私は今季カノニコ者の撥水加工がされたスラックスを一本オーダーします。
こういうのが一本あるととても便利。
まだ、ギリギリ間に合いますから「梅雨のシーズンに何を着ようか?」とお考えの方は是非。
ケアもしっかりしておかないと、後で痛い目に・・・。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2022年5月3日
スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様
おすすめ記事
フォックスブラザーズのフランネル スーツ!生地の歴史をダグラス・コルドー氏トークショーでお伺いしたモノ作りに敬意を!ダグラスコルド氏 これまでずっとファッション業界に関わってきたとい…
なぜ最初に揃えるスーツがネイビーなのか?オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。 今日はネイビ…
葬式の服装 男性のスーツは黒ではなかった?喪服のマナーと心(男性編)結論 世界的な葬儀スーツは濃紺やチャコールグレー まず結論を申し上げます。 世界的な…
スーツを着こなすために、仕事でオトコを磨くことも大事松はじめです。 「素敵なスーツですね。」 もしあなたがそんな風に服のことを褒められた…
服は着るだけでは半分でしかない星野先生は、ジェントルマンってものを教えたかったんだろうな、 「センターをつまんで、…
スーツをクリーニングに出す時の注意!ドライクリーニングが臭う?結論 ドライクリーニングでは汗が落ちにくい ドライクリーニングとは、石油系溶剤を使用…
服は第二の皮膚服は第二の皮膚とはよくいったものだ。 第一の皮膚は、生まれ持った皮膚。 これは持っ…
スーツ&ジャケットの着こなしの秘訣 カラーコーディネートのポイント 松はじめです。 「必要なのはお金じゃなくてセンスです」とはLEONの有名なキャッ…
タキシードはなぜディナージャケットと呼ばれるのか?燕尾服から変わったカウズ島での食事の話エドワード7世が仕立てたスモーキングジャケット 1860年、英国皇太子(エドワード7…
スーツに合う男性の帽子として持っておきたい中折れハット トナックのノーブルをかぶってみた秋冬のスーツ・ジャケットスタイルに合わせたい男性の帽子といえば、中折れハット。 まず…