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ステンカラーコートについて 実は和製英語だった!?

1月も後半となり、冬服のご納品はピークを迎えました。
 
さて突然ですが、皆様は「バルマカーンコート」ってご存知でしょうか?
 
この名を聞いて、デザインがすぐに思い浮かんだ方は相当な服好きといえるでしょう。
 
もっと馴染みのある呼び方を使うと「ステンカラーコート」。
皆さんご存知の、こちらのコートです。↓
 
 
 
 
実は「ステンカラーコート」とは和製英語で、正式には「バルマカーンコート」といいます。
その他にも「バルカラーコート」と言ったりもして、色々な呼び方のあるちょっとややこしいコートです。
 
スコットランドのとある地名から「バルマカーンコート」と呼ばれるのですが、どのような特徴があるかご存知でしょうか?
 
本日は、そんなステンカラーコートについてご紹介させていただきます。

バルマカーンコート(ステンカラー)のご納品

今シーズン最後となるコートのご納品でした。

バルマカーンコートのベルテッド仕様です。

生地はカノニコ者のウールメルトンを使用しましたが、スーツにも使えるような比較的薄手の生地ですので非常にライトな仕上がりとなりました。

メルトンというよりも、フランネルですね。

このコートの特徴でもある「ラグランスリーブ」の特徴を活かす上でも、そして今年は特に暖冬でもありますから、薄手の生地を使用したコートは最もふさわしいのかもしれません。

ラグランスリーブのステンカラーコート

お客様は撫肩の特徴をお持ちですが、ラグランスリーブの落ち感が綺麗に出ますね。

リラックスした表情が非常に優雅です。

ラグランスリーブのステンカラーコート

ベルトは2種類ご用意させていただきましたので、このようにきちんとベルトで留めてもいいですし、ラフにギュッと結ぶ感じも粋で良いですね。

ビジネス・プライベート、その日の服装など踏まえて切り替えるはちょっとした楽しみになります。

おそらく誰も気づかない、でも自分だけは拘りのあるスタイルで。

ラグランスリーブのステンカラーコート

春先まで着用可能なコートでございます。

これから長くご愛用いただけますと幸いです。

男のオーバーコート

コートって、知れば知るほど面白いんです。
 
男性用のコート、オーバー・コートというアイテムは婦人物以上に元もとの基本形といえる種類が豊富にあり、多くのコートが戦場での必然性から派生したものであったり、漁師が着ていたあるいは狩猟用としてのウエアであったりと、極めて実用的なルーツを持つものが多いのです。
 
 
例えば、トレンチコートには戦争が大きく関係しております。
 
 
 
 
刀で斬り合う戦争から鉄砲で打ち合う戦争に変化したことで、溝(トレンチ)を掘って戦うという戦法が生まれ、それに合わせて考えられたコートが”トレンチコート”だとされています。
 
▼トレンチコートについてはこちらの記事で詳しく解説しております。
 
チェスターフィールドコートは、1840年頃にチェスターフィールド伯爵が着ていたコートがもとになっている、というのも有名な話ですよね。
 
 
 
▼チェスターフィールドコートについてはこちらの記事で詳しく解説しております。
 
 
 

ステンカラーコートって?

和製英語でステンカラーと呼ぶくらいですから、カラー(襟)にその特徴が表れており、襟越(襟の後ろ)が高く、前は低く折り返す形になっています。
 
文章にすると少し分かり辛いですが、下の写真のような襟のことです。
 
 
バルマカーンコートの襟
 
 
他のコートにはない表情ですよね。
 
もちろんスーツの上に羽織っても大丈夫ですので、ビジネスマンにもよくご提案させていただいております。
 
 
比翼のステンカラーコート
 
 
フロントのボタンは、比翼といってボタンが隠れて見えないようにしている仕様もステンカラーコートらしいポイントです。
比翼でない仕様も多くありますが、よりクラシックな印象ですね。
 
 
 
Pコート
 
 
実はポケットにも大きな特徴があります。
 
チェスターフィールドコートにはスーツと同じフラップ付きのポケットがついており、ポロコートにはフレームドパッチという独特のポケットがついているのですが、ステンカラーコートには「マフポケット」という縦型のポケットがついております。
 
このポケットのメリットは明確で、ポケットに手を入れやすいこと。
少し細かく言うと、「ポケットに手を入れた状態でも、背筋がピンと伸びてだらしなく見えない。」ということです。
 
 
もともとはピーコートに用いられたポケットなのですが、そこにはイギリスの海軍が関係しておりました、、、。
 
▼詳しくはこちらのブログでも解説しております。
 
 
袖付けも主に二種類あり、通常のセットインスリーブ(スーツのように肩先から袖が始まるタイプ)もあれば、ラグランスリーブという襟元から斜めに切り替えがあり、肩と一続きになっているようなものもあります。
 
 
 
ラグランスリーブだと少し柔らかい印象になりますでしょうか。
 
 
 
 
シルエットにもステンカラーコートらしい特徴があり、ウエストがぐっと絞られたシルエットではなく、ゆったりストンと落ちるシルエットが基本となります。
 
これは、ステンカラーコートにはフロントダーツがない為であり、ベルテッドとの相性が良いのもそこに起因します。
逆にチェスターフィールドコートにはダーツ(絞り)が入っていますので、バストからウエストにかけてのシルエットがメリハリのあるラインになるのです。
 
ですから、細身のステンカラーコートがほしい!というご要望にはどうしてもお応えし辛いところがございます。
 
 
 
 
ウエストをベルトでキュッと絞り、裾にかけて広がっていく優美なシルエットも作り出せます。
ガウンを羽織っているかような、ラグジュアリー感のある着こなしです。
 
 

まとめ

オンでもオフでも使い勝手のいいステンカラーコート、いかがでしたでしょうか?
 
当サロンでスーツやジャケットを仕立ていただいたことのあるお客様におかれましては、そのジャケットのパターンをベースに更に精度の高いオーバーコートをお仕立てすることもできます。
 
今回はステンカラーコートについてご紹介しましたが、男のオーバーコートはまさに一生物といって差支えないアイテムです。
当サロンでは様々なオーバーコートのオーダーを受けまわっておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
 
 
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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2025年1月24日
ファッションアイテム | オーダーコート

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