【オーダーシューズ】革靴の製作現場に潜入!

先日、東北地方のとある工房の視察に行ってきました。
数日前まで天気予報では晴れだったのですが、
当日は風も強く大荒れに・・・。
東京から車で出発し、栃木県を通過、福島県に入り、
そこからトンネルを抜けるたびにだんだんと雪が。
慎重に運転すること約5時間。
東北の雪深い地域で、クオリティの高い革靴を
生産し続ける工場に到着。
この記事の目次
クレイジー?な靴づくりの製作現場へ!
今回訪問させていただいた靴の生産工場は、
ボットーネのオーダーシューズ製作を依頼しているところです。
現在は国内だけではなく海外でも人気・知名度が上がり
海外からも工場見学に訪れるそう。
『なんてクレイジーなんだ!!』
その際に言われた言葉だそうですが、
みなさんは、何がクレイジーだったのだと思いますか?
革靴のクオリティの高さでしょうか?
それとも何か工程に秘密があるのでしょうか?
今日はその辺りを探りながら、海外から視察に来た業界人も驚いたという、
知られざる革靴・オーダーシューズの製作現場を覗いてみたいと思います。
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生産ラインに潜入

早速生産ラインを見学させていただきました。
いいですね、この雰囲気、臭い。
数年前に訪問した『葛利毛織』さんを思い出しました。
こちらの工場では、毎月レイアウトを変更して
作業の効率アップをはかっているそうです。


「この機械は、向こうの方にありました。」
いやいやいや、この大きい機械を動かした・・・?
軽いレイアウト変更かと思いきや、
想像よりもだいぶ大掛かりな変更を行うようです。
なるほど、「改善の心 5か条」。
有言実行ですね。


目に飛び込んできたのは、たくさんの革たち。
オーダー専用の革に加え、大手ブランドのOEM生産も行っている為、
各ブランドからの預かり分も含め全てこちらで保管されています。
圧巻のコレクションと、革のいい香りが漂います。
ここから、靴づくりがスタートするのです。
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革の裁断



こちらの機械は、靴づくりの最初の工程である
「革の裁断」を行う機械です。
スーツづくりにおける最初の工程も裁断ですが、
靴=革の裁断の場合は、人の手が必要になってきます。
スーツの場合も、生地がチェックなど柄物の時は、
柄合わせをする為に人の手が入ります。
素人には分からないですが、実は革にも向きがあり、
状態もシビアで傷や大きな皺もあったりするので、
どの位置を裁断するのか職人の目で確認するのです。
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漉き・パンチング・縫製




裁断された革は、次の工程に引き継がれます。
革を重ねる部分を削って薄くする「漉き(すき)」と呼ばれる作業や、
ウイングチップなどの穴飾りも手作業で。
オーダーシューズの場合は穴飾りの種類も多岐に渡り、
時にはイニシャルなどを掘ることもあるそうです。
作業を終えた革を見ると、
革靴のどの部分に使われるのかよく分かりますね。



靴底など、表革以外の副資材がこちら。
表革の内側には「豚の革」を使うことで、
汗を良く吸って、発散する効果がが高まるそうです。
「革靴は蒸れやすい」と良く言われますが、
内側の素材によっても変わってくるのですね。
踵(かかと)を整形するボードなど、
普段は目にすることのない部分も見ることができました。
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木型に合わせて整形



ここからは、いよいよ靴の全体像が見えてくる工程に入ります。
もくもくと蒸気が出ているこちらの機械に「木型」をセットして、
革を木型に合わせて整形していくのですが、
革靴の中には芯が入っていて、その芯を熱で柔らかく
変形させることで表革が木型に定着していくのです。
靴づくりの肝となる部分ですね。
私たちがご提案しているようなオーダーシューズの場合は、
この「木型」も自分仕様にチューニングしてからつり込みを行いますので
この段階ですでに自分の足に馴染むように作られていきます。
このあたりのポイントは別の記事でまたご紹介させていただきます。

整形が完了した靴たちが並んでいます。
この時点ではまだソールの部分が取り付けられていませんので、
ここからソールを取り付ける工程に移っていきます。
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釣り込み・出し縫い



ソールを縫い合わせる前に、靴の前部分だけ釘打ちをしています。
ぐいぐい~と引っ張って、小さな釘をトントンとリズミカルに。
ものづくりの現場では高齢の職人に頼ってしまうところもありますが、
写真のようにお若い職人さんも熱心に釘を打ち続けていました。
職人の手で、一点一点、心を込めて。




その後、ウェルトと呼ばれる部分とソールを縫い合わせていきます。
これが「グッドイヤー・ウェルテッド製法」の要であり、
「オールソール交換」という革底をまるっと交換する修理が行える要因です。
これにより、すり減った革底を安価でソール交換し、
まるで新品同様の状態に戻すことができます。
グッドイヤー・ウェルテッド製法の靴がコスパが良いといわれる所以です。
ソールとの間にはコルク挟まることで、履きこむごとに足形に沈んでいき、
より自分の足にフィットしていくようになります。
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コバ塗りと磨き


こうしてソールが取り付けられた後は、
側面を専用の塗料を使って「コバ塗り」します。
みなさんもYoutubeの靴磨き動画などで
コバ塗りの工程は見たことがあるのではないでしょうか?


最後に丁寧にクリームを塗りこんで、
革に栄養と愛情を注ぎます。
シューツリーをセットして、梱包されて全国にお届け。
最後までたくさんの人の手が加わり、
私たちがオーダーした靴が完成していくのです。
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どこがクレイジーだったのか

これが一足の靴が生まれるまでの簡単な流れでした。
スーツづくりと同じように、どんな業界においても「ものづくり」は奥深く、
実際に自分の目で見てみないと分からないことがたくさんがあります。
今回の靴づくりの現場では、想像以上に人の手が加えられており、
単なる工場生産とは全く違う世界が広がっていました。
この写真をよく見てみると、すべてが同じ靴ではなく、
3足あるものもあれば、色違いのものある。
手前のUチップは一足だけしか見えていません。

これ、実はすごいことなんです。
大量生産が当たり前のこの時代に、
これだけのクオリティで、デザインまでが全く違うものを
ハイペースで生産して続けている。
簡単にできることではありません。
小さなことでも改善を重ね、若い職人さんも育てて、
確かな技術が脈々と受け継がれながら全員が一足一足に向き合う。
そんな環境だからこそ、進化し続けているのだと思います。
これが、海外から視察に来た人が驚いた「クレイジー」の正体です。

日本の職人が一足一足丁寧に作り上げるオーダーシューズ。
ボットーネでも展開しておりましたが、
これからはより一層お客様にその品質の高さを伝え、
足元からもお客様のお役に立てるようにパワーアップしていきたいと思います。
次回のブログでは、オーダーシューズならではの
デザインや選択できる革の種類、採寸、補正などの
全体像をお伝えしたいと思います。
それではまた。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2022年12月20日
ファッションアイテム | 靴
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