ワクワクする季節の到来
表参道ボットーネです。
春が待ち遠しくなる今日この頃。
今月はスーツやコートのご納品が続き、
ご紹介いただいたお客様との新しいご縁に恵まれております。
『ご紹介』=『信頼の証』
ご期待にお応えするべく、一層気を引き締め一着入魂で進んで参ります。
オーダースーツ店にとって、これからの時期はワクワクしながら過ごすことになります。
なぜかというと、年に2度しかない『新作生地入荷』の時期だから。
私たちにとって、生地とはまさに商品そのもの。
ひとつひとつの生地をじっくりみて、お客様のお顔を思い浮かべながら確認していきます。
これは何より重要で、楽しくもある作業。
ここは手を抜けません。
「花屋に務めたなら花の勉強をするのに、洋服を扱う人間は、勉強しなくとも売れるから、
意外と知らないんだよね、素材のこと。」
ボットーネで『メンズウェア素材の基礎知識講座』を開催してくださった大西基之先生のお言葉。
・
・
・
・
ところで最近、お客様がこんなことを言っていました。
「オーダースーツ屋さんて意外と結構多いですよね、調べてみて思いました。」
オーダースーツ店、多いですよね・・・はい、本当に増えました。
いつしか歯医者のように「コンビニより多い」なんて言われる日がくるかのような勢いです。
増えてくれば当然、消費者は選びにくいですよね。
「安ければいいの?」
「採寸箇所が多ければいい?」
「生地を豊富に取り扱っているところ?」
「仕立てがいいところ?・・・そんなの分からないよ!!」
そんな声が聞こえてきそうです笑
オーダースーツってすごいんです。
何がすごいかって、フィッターは紙に寸法を書けばスーツが出来上がってしまうから。
採寸して、紙に数値(寸法)を書き、ノッチドラペル?ピーク?…とデザインに〇印をつける。
そして、海外縫製などの早いところで2週間、
国内の質の良い工場であれば1か月~1か月半待てば、自分で設計したスーツが簡単に出来上がってしまいます。
普通に考えて、ものすごいことですよね。
スーツのことたいして知らなくても、生地のことよく分からなくても、
メジャーで測ることさえできれば誰にでも作れてしまう。
でもそんな化けの皮はいつか剥がれて、長続きはしないでしょう。
だから私たちは生地のことひとつとっても学び続けなければなりませんし、
数あるオーダースーツ店の中からボットーネを選んでくれお客様の為により良いスーツを、
スーツの先にある体験を、感動を、成果を・・・お客様と一緒に共有していきたいと思っています。
今年に入って、お客様からのご紹介で表参道サロンにお越しいただいた新規の方が5名以上いらっしゃいます。
テーラー冥利に尽きる、本当に嬉しい出来事です。
「出来上がるのが楽しみです!」
「最高です、本当にオーダーしてよかった!」
オーダーいただいた時、スーツが完成してご納品の時、ありがたいお言葉をたくさんいただきます。
そんな言葉の飛び交うサロンであり続けたいです。
・
・
・
・
と、話が脱線してしまいましたが、生地って大事です。
生地だけではなく何事もバランスですが、洋服を扱うからには、まずは素材。
これがパソコンや車ではこうはいきません。
プラスチックがどうとか、それよりも大事なのは性能で、
車などは最終的に色を決めて注文というケースも一般的ですよね。
洋服は違います、とくにオーダースーツなら。
色、柄、風合い、洋服の善し悪しを決めるうえで重要な『見た目』の要素は素材で決まりますし、
最近は目には見えない機能性を持った生地も多くなってきています。
それなのに、本物の知識を学べる場所は限られているのが現状(というかありません)。
だから私たちは素材の神と言われる大西基之先生をお呼びし、素材の知識を正しく学ぶことにしたのです。
・
・
・
・
生地の入荷は年に2回と言いましたが、具体的には2月と8月が目安。
2月には次の春・夏に向けた生地が、
反対に8月には秋・冬向けの生地が入ってくるんです。
日本における春夏は、がっつり『クールビズ期間』と被るわけですが、
何も生地すべてが極端な春夏仕様な訳ではなく、実際は半分近くが春・秋・冬の3シーズンで着れるようなもの。
明確な定義はありませんが、スリーシーズン用の生地と言えば『ちょっと薄手』くらいの感覚ですから、
むしろ秋冬用では分厚いと感じる人もあり、春夏生地からの方が選びやすい。
発色もきれいなラインナップになりますので、見ていて楽しい生地ばかりですよ。
これから順次ブログで入荷状況をお伝えしていきたいと思います。
・
・
・
・
そして、新作生地とは違いますが、一点物の生地たちもサロン内に展示することにしました。
着分といって、一人分のスーツのお仕立てに必要な分を確保しておりますので、
バンチブックよりも大きくて仕上がりの雰囲気が分かりやすいというメリットもあります。
オーナーの松が長年溜め続けていた面白い生地が揃っていますよ。
・
・
・
・
既存の顧客様向けの特別オファーもございますので、お馴染みのお客様には順次メールにてご案内させていただきます。
「届いてないよ!!」と思われた方、すみません、来てくれるかなぁと気を遣ってしまっただけです。
久しぶりのお客様も、またお会いできますことを楽しみにしております。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2022年1月26日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | ライフスタイル
おすすめ記事
ミットナイトブルーとは?黒より黒い生地を!ウィンザー公の無謀な注文1920年ごろのお話しです。 ウィンザー公は、ある色を考えました。 考えた、というよ…
タキシードのスタッドボタン(黒いボタン)は一体何のために付ける?タキシードを着る際に、当然ですがシャツを着ます。 あれ? シャツのボタンが黒い? 海…
アルスターコートとは実は大人気のコートだった ざっくりいうと、アルスターコートはこんなコート ■特徴 ・長い丈、ダブル ・アル…
サルトリアイタリアーナ出版!長谷川喜美さんのトークイベントでイタリアサルトのスーツ事情や裏話を聞いてきた銀座シックスの蔦屋書店へ まずは表参道から銀座へ移動。 普段世田谷区でのんびり過ごし…
服は第二の皮膚服は第二の皮膚とはよくいったものだ。 第一の皮膚は、生まれ持った皮膚。 これは持っ…
スーツをクリーニングに出す時の注意!ドライクリーニングが臭う?結論 ドライクリーニングでは汗が落ちにくい ドライクリーニングとは、石油系溶剤を使用…
警告!靴にはシューキーパーを!キーパーの効果とおすすめスーツを着る。 ぴりっとした気持ちで1日を過ごしただろうか、あるいはもはや慣れてリラ…
フォックスブラザーズのフランネル スーツ!生地の歴史をダグラス・コルドー氏トークショーでお伺いしたモノ作りに敬意を!ダグラスコルド氏 これまでずっとファッション業界に関わってきたとい…
部下の結婚式に列席の服装(男性)スーツはどの組み合わせが正解?結婚式の服装についての質問 専門家の方に教えて頂きたいことがあり、メールさせて頂きま…
《保存版》タキシードはどうして生まれたの?誕生秘話に迫るいざ結婚式を控え、衣装選びがはじまると、もちろんドレスも大切ですが、その横に並ぶ人間…