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チェスターフィールド伯爵が着たチェスターコートの正体

 シングル チェスターフィールドコート

オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。

本日はコートの中でもポピュラーな、チェスターフィールドコートについて。チェスター、チェスターフィールド、コートの名前は知っている方も多いと思う。

ビジネスで着ることはもちろん、カジュアルのコートとしても着ることができる。
それから、チェスターフィールドはなんとフォーマルのシーンにも対応できる、なんとも守備範囲が広いコート。

チェスターフィールドコートは1着あれば大変重宝するコートといえる。
スーツの上から羽織るコートとして持っている方も多いのでは?

そんなチェスターフィールドコートはどうやって誕生したのだろうか?
もともとの特徴は?

 
冬のコートの中でも、定番のチェスターフィールドコート。
なんとなく、チェスターフィールド伯爵が着たコート、と知っている方もいらっしゃると思います。

でも、最初はどんなコートだったんでしょう?
どうしてチェスターフィールド伯爵はこのコートを着たんでしょう?

前ボタンは見えない比翼仕様が正式!とか、上衿にはベルベットがあるものが正しい!という説もありますが、本家本元の歴史を追えば答えがわかってくるかもしれません。

今日は、私が服飾評論家の出石尚三 先生から、銀座ファッションアカデミアという講義でお伺いしてきた、チェスターフィールドが最初に出来た時について書いてみます。

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チェスターフィールドコートは1840年に誕生

そもそも、チェスターフィールドコートはいつ登場したのか?
それは、今私たちが着ているスーツの前のラウンジジャケットの時代だ。
時代でいうと、1840年あたり。

今、街で売られている服は、ブランドの名前がデザイナーの名前になっていることがある。
例えばシャネルは、ココ・シャネルというデザイナーがいたからシャネルという名前になっている。

こういうことは昔も珍しいことではなかった。
このチェスターフィールドコートも人の名前からきていて、チェスターフィールド伯爵が着ていたコートなのだ。

服飾辞典には、第4代チェスターフィールド伯爵にちなむ、と書いてあることがある。
少しマニアックな話になるのだけれど、本当は第6代チェスターフィールド伯爵が着ていたコートだ。

まず、チェスターフィールドコートが出来るちょっと前、どんなコートが流行っていたのだろう?

 チェスターフィールド伯爵が着ていたから、チェスターフィールドコート

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チェスターフィールドコートはどうやって生まれた?

 まずは、チェスターフィールドコート登場の前(Before)

<Before>
1829年、チェスターが出る前の、とても長いコート。
まだチェスターフィールドコートの原型は誕生していない。

この図では、コートの内側にもコートを着ているではないか!

こういうことはよくあった。
特別寒い日には、コートの上にコートを着るのだ。

コートの上から着るコートは、大きくて長くないといけない。
コートから下のコートがはみ出しているのはおかしいから。

 チェスターフィールドコートが出る前の時代、コートの上にコートを着て防寒していたのは日常的

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そして、9年後、チェスターフィールドコートになる直前にコドリントンというコートが登場

1838年頃に、チェスターフィールドの前身というべきコートがありました。
それがコドリントン。コドリントンというのも人の名前 サーエドワードコドリントンという軍人。

銀座ファッションアカデミア専任講師:服飾評論家 出石尚三氏の講演より

 
もうすぐ誕生、チェスターフィールドコート。何があったの?

 

1838年にあった、コドリントンというコート。
コドリントンコートも、コドリントン氏の名前をとったコート。

コドリントンは、1770年の生まれ。
イギリスのベテラン艦長で、ギリシャの海戦で勝利を収めたことで有名な人だ。


エドワード・コドリントン

コドリントンコートの流行りはすぐ終わってしまった。
だから、辞書にすら載っていない。
でも実はコドリントンコートは上記のコートをオシャレにしたコートだった。

どうオシャレにしたのかというと、簡単にいうと短くした。
それから、ウエストを細くした。

なぜ?

防寒目的じゃなくて、オシャレコートだったから。

 細身のショートコート、お洒落なコドリントンコートが流行った

.

お洒落な人が、お洒落れなコートを着た

 

今、日本でも春の少しの期間だけ、オシャレな人はスプリングコートを羽織る。
1月中旬の寒い日のコートではなくて、素敵な色で、薄くて、洒落たコートだ。

このコドリントンコートに注目したのがそう、チェスターフィールド伯爵だ。
コドリントンコートをもっと軽快にして、フィットさせて、素敵なコートを仕立ててみた。

お洒落な方がお洒落なコートを着ていたら、それはたちまちブームになる。

それでは、最初のチェスターフィールドコートはどんな風だったのか?図版がある。

 細身のオシャレコートを見たチェスターフィールド伯爵は、そのコートをさらに恰好良く仕立てて着た

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これが生まれたてのチェスターフィールドコート!

<After>チェスターフィールドが誕生


<After>
1842年のチェスターフィールドコートの資料。
丈が短くなって、前も留めていない、お洒落用コート。

チェスターフィールドコートは、最初は短いコートだったのだ。


<Next>
左の人が、チェスターフィールドコートと説明されている。1859年のチェスター。
チェスターフィールドは比翼といって、前ボタンが見えないようになっているという文章もあるが、実は最初から比翼だったわけでもないのだ。

 最初は比翼ではない、ファッションアイテムだったチェスターフィールドコート

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名言を残しているチェスターフィールド4世ではなく、孫の6世

もう少しだけ、チェスターフィールドについて追ってみよう。
少しマニアックな話だが、第4世のチェスターフィールドが着ていた、と説明されている場合がある。
本当はその孫にあたる、第6世チェスターフィールドが着ていたコートなのだ。

服飾評論家の出石先生に聞いてみよう。

第四代チェスターフィールドは大変有名ですが、1733年にお亡くなりになっております。
1733年にお亡くなりになってて、1840年にチェスターフィールドコートがデビューする、というのはおかしい話ですね。

ただ、そういう風に服飾辞典が間違えるのは無理もない話です。
第四代は有名な人で、(第四代チェスターフィールドのことは)百科事典でも多くの説明が出ています。

 

チェスターフィールド4世が亡くなった後、随分と時間が経ってからチェスターフィールドコートが誕生した。
ところが、4世はとても有名だったし影響力があったから、4世が作ったと思われているのだ。

チェスターフィールド4世は、本も出している。

(本当は本ではなくて、息子への手紙の抜粋だった。
知識は、懐中時計と同じように隠しておきなさい。と書かれているのは、息子よ、謙虚に生きなさい!という親のメッセージだ。)

実は6世が着ていたコートだが、4世が有名だから作ったのは4世だと思われている

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6世はオシャレな遊び人

 


子供の5世も政治家だった。
大使も務めた。

そのまた子の6世、あまり有名にはならなかったので、6世は辞書にも載らなかったのだ。

第6代のチェスターフィールド伯爵というのがいまして、この人がとてもお洒落な人として有名でした。
しかし第6代というのは人名辞典に出ていません。
お父さん(第5代)は政治家としてなかなか偉かった、第6代は政治家としてはほとんど業績がありません、政治家も短い期間で辞めています。
しかしその一方で非常に洒落者でした。

 

6世、なかなかの洒落者だった。
それでいて遊び好き。
なんと、自分の持っている馬を大きなレースに出して、1843年に優勝させている(とてもお金のかかるお遊びだ)

こういう人はどんどん素敵な洋服を作る。

1805年5月23日に、5世の長男として生まれた6世。残っているのは、英国のグランドショナルという競馬の大きなレースで、バンガードという持ち馬で優勝していること。

 

勝負服ってありますよね。
チェスターフィール伯爵の勝負服は、赤いジョッキーキャップ、ブルーのスリーブ、派手ですよね。
想像するに、人物のプロフィールが出てこないんですが、道楽者というかお金持ちだったんでしょう。
グランドナショナルで優勝するのは、馬を持っていれば良いとうわけではないし、何頭か持っていなくちゃいけないし、調教師も必要です。かなりの遊び人だったんではないかと思います。

この服が大好きなチェスターフィールド6世がトレンドのコドリントンコートをさらにお洒落に仕立てた。
軽く羽織れるコート。防寒目的ではなく、お洒落コートを!と仕立てた。
こうしてチェスターフィールドコートがはじまる。

ちょっと羽織る短い丈、シェイプの効いた細さ、これがチェスターの最初だった。

 最初のチェスターは、短い丈、細身。ちょっと羽織るオシャレ着のコート。

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チェスターフィールドの誕生の歴史 まとめ

チェスターフィールドは人の名前。
それもオシャレなチェスターフィールド伯爵の6代目。

長いコートじゃなくて、洒落た短いコートを仕立てた。
オシャレな人が着た、オシャレなコート、それは話題を呼んで広がっていく。

ここ数年はカジュアル・ファッションでもチェスターフィールドコート+スニーカーを合わせたスタイルがトレンドになっている。まさか海を超えた日本という島国で、男女ともに着られてトレンドになっているとは、チェスターフィールド伯爵も驚きだろう。

冒頭でも書いたように、チェスターフィールドコートの守備範囲は広い。
ビジネススーツに合わせるコートとしてまっさきに浮かぶし、タキシードを装うようなフォーマルの場にも着ていけるコートだ。

ということで、洒落たチェスターフィールドコートを仕立てておこうか?

さて、明日は何着よう?

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松 甫松 甫 記事一覧はこちら>>表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2018年1月14日
ボットーネCEOのオーダースーツの着こなしブログ | 背広紳士の知識

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