心斎橋リフォーム 口コミで評判の洋服お直しの実態は?丸ノ内店に潜入
松はじめです。
「心斎橋リフォームはすごいよ。」
初めてその名を聞いたのは、メンズウエア素材の基礎知識の著者 大西基之先生の口からでした。
心斎橋と聞いてたこ焼きを連想してしまったのは私だけかもしれませんが、なぜ大阪?と思ったら、なんと今や東京・丸の内と六本木にも店舗がある洋服のお直し屋さんです。
お直し、というとショッピングセンターの中で、女性がミシンを置いてコトコトやっているくらいのイメージじゃないですか?心斎橋リフォームへ行くと、良い意味で裏切られます。はっきりいって、リフォームという領域ではないと思います。
雑誌でも何かと取り上げられ、評判も上々という心斎橋リフォームに大西基之先生が冬物コートの修理に行くということで、早速追いかけて様子を追ってみました。
心斎橋リフォーム 丸ノ内店に大西基之先生が来店
心斎橋リフォームに、大西基之先生が来店。
心斎橋リフォームは、かなりレベルの高い洋服のお直し屋で、服飾業界の重鎮たちも修理を依頼するという。ちょうどメンズウエア素材の基礎知識の著者であられる大西基之先生が、冬のチェスターコートのサイズを直したい、ということで心斎橋リフォームに行くという。
我々は早速心斎橋リフォームの腕前を探るべく、大西先生に同行させていただいた。
丸の内を歩き、帝国ホテル、コンラッドなどの一流ホテルを通過すると心斎橋リフォームの店舗は現れた。1階のガラス張りのドアを押すと、心斎橋リフォームの受付がある。
ディスプレイにはミラノのサルトでも使われるメジャーや、ケアグッズの姿が。
心斎橋リフォームで冬の高級コートをリフォーム
本日丸の内店の店頭にいらしたのは、心斎橋リフォームの副社長 内本久美子さんだ。内本さんは著書・・・も発売され、まさに心斎橋リフォームの顔であり、腕利フィッターとして知られている。
早速、心斎橋リフォームのカウンターへ向かう大西基之先生。それにしても洒落ている、これがリフォーム屋さんなのか・・。メゾンブランドの服が並んでいてもおかしくない店舗である。
大西先生はおもむろにコートを取り出した。
思い入れのある、捨てられない服は何着もクローゼットに眠っているという大西先生。今回のコートもその中の1着だ。
内本さんの左袖には白と赤、紅白のピンが黒いピン受けに刺さっおり、コートを待ち構えていた。自然とこれから始まるフィッティングに期待が高まる。
今回修理を依頼するコート
受付の脇の存在感のある大きな鏡の前に立つ大西基之先生。
コートのフィッティングが始まる。
サイズを修正したい、という大西先生のご要望をベースに、こことここはこうした方がいいですね、と的確な内本さんのアドバイス、スタイル提案。
1930年のアルカポネをイメージして誂えたものの、ややサイズが大きくてあまり着ていないという重厚感があるこちらのコート。確かに1回り大き目に見える。
後ろから見ても、ややオーバーサイズなのがわかる。
心斎橋リフォームのフィッティングスタート
次の瞬間、もうピン打ちが始まっていた。修正箇所を素早く判断し、的確にピンが打たれていくブラウンのコート。
ラフに着るからこのくらいでいいかとも思って誂えたコートだそうだが、どこかサイズが大きくて結局着なかった、そんなコートは生まれ変わろうとしている。
一般的に、洋服のお直し屋というと注文された寸法を調整する、というレベル。だが心斎橋リフォームではこのフィッティングも行っているのだ。
まして、修理店が行うには高い技術力が必要なのが肩幅の調整。
躊躇なく肩のリフォーム提案が行われて、ピッピッと気がついたらピンが打たれていた。
ギュッと摘む。
身幅も大胆に調整。
まるで1塁に俊足のランナーを背負ったピッチャーがクイックで投げる時のように、動作の全てが早い。
袖幅。袖の太さが変わるだけで随分シュッとすっきりとしたフォルムになるもの。
袖丈もバランスを見ながら調整の提案が入った。
心斎橋リフォームではスタイルを提案する
ポケットの位置も考慮しながら、バランス良く着丈の修正を提案、まるでマジックのように着丈が変わっていく。
顧客の好みや要望を対話しながら汲み取って、服に反映していく。
この光景、、本当にリフォーム店?私は目を疑った。まるで1着の洋服を誂えているようだ。
こうしてあっという間にフィッティング完了。
「オーダーと違うのは、採寸のスピード、時間が掛けられないですから。
だから私もスタッフもレッスンします、絶対失敗しないように、測り方を。
オーダーはヌードを図りますよね?リフォームは基本的には引き算をするんですよ。
引いていってパターン化する、だからマイナスをするところの採寸をするんです。」とは内本さん。
0から生み出すのではなく、完成している服を調整する難しさを感じる。
心斎橋リフォーム 丸ノ内の地下工房に潜入
えぇっ、店舗の地下に秘密基地のように工房が!
なんと、心斎橋リフォーム丸の内店の地下は、地下街。そこにガラス張り、オープンキッチンのように自社工房があるのだ。
どんな職人が揃っているのだろう?
インドご出身という、ジャケットを担当している職人の姿が。
はい、丸の内で受けた物はこちらで。
信頼できる人が揃っているんです。
彼はインド出身で、すごい技術です、13歳からお針子で。何でも作るし。
心斎橋リフォームの修理スタイルは、アイテム毎に専門の職人を置いている。
私は目を疑った。これじゃあ丸縫いじゃないか、、
ジャケットはジャケット、シャツはシャツを専門にすべてを一人の職人で行っているのだ。
担当する人によってお直しの技術に違いがあるということは絶対に避けないといけない。師匠から、弟子へと仕事を受け継がせているのが心斎橋リフォーム流。
糸色がこんなに!
もともと洋服には様々な色糸がつけられている。心斎橋リフォームにどんな服が持ち込まれようとも、どんな糸でも対応できるように取り揃えているのだ。
ゴージの位置まで変えてしまう洋服のお直し
みな真剣に一点を見つめている。
まるでオープンキッチンのような心斎橋リフォームの地下工房を後にした。
実際にここで縫われていくのだ。
全部裏側を見ていただきます、というスタイルなので。工房見たから来たんだ、というお客様も結構いらして下さって。
さあ、あとはリフォームの完成を待つばかり。
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いよいよ完成の日!心斎橋リフォーム丸ノ内店に再び
10日後。
それから10日間、心斎橋リフォームの丸の内の地下工房では1針1針作業が進められた。
1日、1日と時間は過ぎていく。
いよいよ完成予定となったのが10日後。今日は大西基之先生のチェスターコートの受け取りだ。
一体どのような変貌を遂げているのだろうか?
心斎橋リフォームに到着。
さあさあ、ブラウンのコートが早速お目見え。
早速フィッティングチェック。
なんと!
それは吸い付くようにピタッと、誂えたかのようだ。
ダボっとしていた肩幅は、ビスポークテーラーで誂えたかのようにピッタリフィットしている。袖幅もすっきり。
ウエストにくびれが出来て、裾に向かってやや広がりのある躍動感のあるコートに生まれ変わった。
個人的には修理する前のコートも、大西先生なら颯爽とクラシックに着こなしていらっしゃる絵が想像できたが、今回は時代性を反映してモダンな要素が加わることで、とてもスマートになった。
もちろんアイビースタイル真っ只中の青春をくぐり抜け、テキスタイルデザイナーでもあった大西先生だからこそ小慣れて着こなせていることもある。頑張ってオシャレしてます感は皆無だ。
後ろはどう変わったのか?
リフォーム前は、肩が大きく落ちていて、背幅、身幅ともに大きめ。
肩がジャストになり、適量ウエストはシェイプされて、無理のない綺麗なシルエット。
着丈が短くなったことも手伝って、スマート。
余っていた袖幅も遊びがない、フィットした状態に。
これなら着られるね、と大西先生。
内本さんがフィッティングして、地下工房で1人の職人がカットして仕上げた。
これが今回リフォームでカットされた部分?
細部を少しずつ、少しずつ。だから全体のバランスが良くなると内本さん。
リフォーム業界を変えたい
東京に出てきてまだ3年経たないという心斎橋リフォーム。内本さんは、もっと色んな人にリフォームを認知をしてもらいたい、それが私の一番の目的だ、とおっしゃっていた。
良い服とは何か?
それは、着て着やすく見て美しいこと。
その中には時代性がある、
ウエディングドレスもお直しできる!?
あまり知られていないのだが、心斎橋リフォームではウェディングドレスのリフォームもやっているそうだ。
昔、一時期ミンクが流行ったよね、うちのかみさんも持ってたよ(笑)でも買ったときのことを考えると捨てらんないのよね。
だから出会いがあればまた着ていただける、と伝えたくてお店に立ってます。
レディースはあまり私が発信しないですし、会社自体がメンズのイメージが強いんです。でも私自身女性なので今後は発信もしながらよりレディースも力をいれていきたいと思っています。
まとめ
大西基之先生のコート修理をレポートすべく、心斎橋リフォーム 丸ノ内店におじゃまして、副社長兼チーフフィッターの内本久美子さんにお話しをお伺いしてきた。
心斎橋リフォーム 丸ノ内店は地下に工房を持っている。
ちょっとしたパンツ丈の調整といったレベルの修理ではなく、ゴージラインや衿幅の調整といった職人技を要する修理にも対応してくれる。
それは、高い技術を持った職人がいることと、何よりも内本さんをはじめ心斎橋リフォームのみなさんのリフォームに対しての熱い情熱があるからだ。
腕利きの技術者がいて、初めて形になっていくリフォームという仕事。そして近い距離で、密な打ち合わせをして仕上げていかなくちゃいけない、細かな仕事の数々。少し洋裁学校に行ってた人が行う街のお直し屋さんとはレベルが違う。
ぜひ一度心斎橋リフォームに洋服の修理を相談してみては?
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目10 有楽町1丁目10−1有楽町ビル1階
03-6268-0558
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ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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