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知られざる秘密!チェスターフィールドコートの上衿がベルベットになっている意味と理由

チェスターコート

オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。

冬になってコートを着ると思うのだけれど、上記の写真のように、上衿だけ生地が違うコートを見たことはないだろうか?
これは一体誰が、何のために考えたデザインなのだろう?

実は意味があったのだ。
ある、出来事があって、ある想いがこもっている。
今日はそれをご紹介したい。

この衿はチェスターフィールドコートというコートにつけられる

まず、何でもこのようなデザインになるわけではなくて、このようなデザインはチェスターフィールドコートというタイプのコートにつけられるものだ。

コートには、カジュアルな印象のピーコートや、スプリングコートとしても着るトレンチコート、レインコートとしても登場するステンカラーコートなど、いろいろなタイプがある。

ステンカラーコート
ステンカラー・コート

トレンチコート
トレンチ・コート

その中ではおそらく一番馴染みがある、ビジネスでも着られるコートがチェスターフィールドコートではないだろうか?

チェスター コート
そのチェスターフィールドコートも、ダブルのタイプとシングルのタイプとがあるのだが、このデザインはシングルのタイプにつける場合があるのだ。

このデザインは既製品で販売されているチェスターフィールドコートで見かけることは少ないと思う。
一部のデザイナーズブランドでは販売されていたのを見たことがあるけれど、どちらかといえば衿も本体と同じ生地を使っている方が多いのではないかなと感じる。

私たちのようなオーダーサロン、テーラーなどであれば、
折角だから本格的なチェスターフィールドコートを誂えたいから、上衿の素材を変えたい、というご要望は少なくないし、そういった提案をすることが多い。

どちらかといえば、こちらが正式なチェスターフィールドコートというような考えがあるからだ。

素材はベルベット

チェスターフィールドコートの本体がカシミアであったとして、上衿に使われる素材はベルベットだ。
日本語では別珍(べっちん)というけれど、起毛したドレッシーな素材だ。

それをなぜかこの一部だけ使用するという、オーダー屋の私からいうとなかなか贅沢な仕立てのように思う。
だってこのわずかな部分のために、ベルベット生地を取り寄せるのだから・・・。

ということで、チェスターフィールドコートといえば、上衿はベルベットの素材で、前のボタンも見えないように比翼仕立てにすることをオススメすることがある。

それで今日の本題、なぜここにベルベットをつけているの?だ。
ウェブで調べてもほとんど出てこない、なんとも意外なお話しが。

それはフランス革命と関係している

バスティーユ襲撃
時代はフランス革命が終わった、1810年台のできごと。
フランス革命というと、18世紀にフランスで起こった市民革命だということは教科書で習ったと思うのだけれど、簡単に書くとこうなる。

ヨーロッパ全体は平等で、人間が本来持っている理性で、自立しようよ!というような考えが広がっていた。
それにイギリスは産業革命も起こりそうだし、アメリカも自由平等!とアメリカ独立宣言で掲げて独立した。

それなのにフランスはブルボン朝が支配していて、ルイ14世から続く戦争出費や浪費で膨大な財政赤字。
それで民衆の暴動が始まっていく。

国民議会を設け、国民主権を主張して、革命だ!日本でいえば倒幕じゃあ!と江戸幕府を打ち破った革命で坂本龍馬、西郷隆盛といった顔ぶれが浮かぶが、そのような大革命。

朝の散歩
ちなみに、ファッションも大革命。
1785年の絵画。こういった宮廷ファッションが主流だったのだが。
男性はボタンが多いフロックという上着、いわゆる半ズボンのブリーチズ、金のバックルの靴。

フランス革命と服装
袖が短いフロック、太いズボン、質素な生地のベスト。
こちらが革命を起こした市民側のスタイルから派生している。
こってりした刺繍や、かつら、剣などはなく、耐久度の高いウール素材。

さてこのフランス革命、国王を守れ!と一部の貴族も戦いに参加したのだ。
当時、宮廷ファッションのようなスタイルで歩いただけでも狩られる恐れがあり、勇気がいることだったようだ。
着ている服の色や形が、革命に賛成している市民側か、それとも豪華絢爛な貴族服=王党派の反革命派なのか?とファッションが目印になっていた。

ご存知のとおり、最終的には反革命派はギロチンをされて虐殺されていく。

この後革命派の服は、フランス貴族のモードの服装をするわけにもいかず、英国貴族のカントリーファッションを取り入れるわけだけれど。

イギリスとフランスは対岸

イギリスとフランスの位置関係
さて、ご存知の通り地図で見てもフランスとイギリスはご覧のように対岸だ。
海を隔てているけれど距離も遠くはない。

 

貴族がギロチンで首を落とされた時代です。
フランスとイギリスは対岸ですから、晴れた日に見えますから、
イギリスの貴族が、哀悼を示したい。

我々は同じ貴族だけれど、首落とされなくてすんだ・・・。

ということで、哀悼の意味で、コートの上衿に、ブラックベルベットをつけました。

これは(コートの上衿のベルベット)は何かというと、時代が違っていれば貴族ということ。
そもそものブラックベルベット・カラーは、喪章(もしょう)。
一種の、喪を示す、印でありました。
同時に貴族のシンボル。

銀座ファッションアカデミア出石尚三先生の講義より

 

ロング チェスターフィールドコート

ということで、哀悼の意味をこめて、コートに喪章としてつけたのがチェスターフィールドコートの上衿についている、ベルベットなのだ。

そして、これをつけているということは同時に、私は貴族、という象徴なのだ。

歴史を辿った結果、感慨深い話が出てきたのだが、洋服のデザインというのは何か意味があって存在している。
それは喪章かもしれないし、象徴かもしれないけれど。

今年オーダーするチェスターフィールドコートの上衿は、ベルベットにしてみてはいかがだろう?

さて、明日は何着よう?

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松 甫松 甫 記事一覧はこちら>>表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2017年8月17日
ボットーネ 松のスーツ・ジャケットスタイル365 ありのままブログ | 背広紳士の知識

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