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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

2021春夏スーツ・ジャケット生地 その2

今週も新しい生地が入荷しました。

例年この時期が春夏生地入荷のタイミングなのですが、コロナウイルスの影響もあって、

今シーズンは新しい生地は出さず昨年の生地をそのまま使用するという生地屋さんも多い現状です。

しかし、こうして新しいコレクションが届くのはテーラーにとっては大変ありがたく、

生地を眺めているとたくさんのお客様のお顔が思い浮かびます。

今回入荷しましたのは、イタリアの2大生地ブランドいっても過言ではない、「ゼニア」です。

一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

生地の織元が多いのは、イギリスとイタリアの2つ。

この2つの国は、生産体制は決定的に違うということをご存知でしょうか?

基本的にはイギリスの生地は分業制で織られている場合が多いです。

原毛をつむいで、糸にして、生地に織りあげるまでをみんなで分業していて、

「染色のみを行う染め屋さん」が存在するイメージです。

日本もイギリスから学んでいる為、同じように分業制になっています。

対してイタリアは、一貫紡(いっかんぼう)といって、一つの会社で全部をやってしまうのです。

すると、ノウハウが他に漏れにくいですし、オリジナルの生地が出来上がるという訳です。

▼詳しくはこちらの記事もご覧ください。

そんなイタリアの一貫紡として名のあるのがゼニアとロロピアーナ。

早速コレクションをご紹介しますね。

まずは「TRAVELLER DENIM」。

ゼニアのTRAVELLERシリーズは、強く撚った糸(強撚糸)が使われており、シワになりにくいのが大きな特徴です。

トラベラー、、、「スーツケースに畳んでしまってもシワになりにくいですよ!」ということですね。

強撚糸の生地で仕立てたスーツは、明らかに着心地が違います。

軽くて柔らかいのですが、ハリがあって逞しい表情なんです。

そして一貫紡として原毛にも拘っているゼニア。

良い原毛の生地は、復元力が違います。

スーツを一日着用して、帰宅後ハンガーに掛ける。

そしてしばらくスーツを休ませてあげれば、すっとシワが元通りに回復しています。

(さらにスチームアイロンなどで蒸気を当ててあげても一瞬でシワが消えてなくなります)

これはクリンプという、縮れのようなものが関係しており、ウールがもとに戻ろうとする力を利用しているんです。

良い原毛は、クリンプがしっかりある=復元力があるということになります。

▼詳しくはこちらの記事で解説

そんなゼニアのトラベラーシリーズにおいて、デニムと名付けられた生地。

経糸(たていと)にベースカラー、緯糸(よこいと)にアクセントカラーが使われていて、

それがまるでデニムのような風合いになるということでしょう。

デニムは経糸(たていと)がブルー、緯糸(よこいと)がホワイトです。

生地の構造上、経糸が多く表面に見えていますのでブルーに見えますが、裏側は白くなっていますよね?

ただ、その2色が使われることで、ブルーのべた塗り感がなく味のある雰囲気になるんです。

例えばこちらの生地は、経:ベージュ、緯:オレンジの組み合わせ。

絶妙な色味ですね。

このように、裏面はオレンジが主体。

仕上がりはこんなイメージ。

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経:グレー、緯:グリーン

経:ネイビー、緯:ホワイト

それぞれ単色とは違って、面白味のある色合いになっています。

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ベーシックなトラベラー、まずはラメ入りのようなストライプ柄。

パーティシーンなんかで映えそうですね。

仕上がりはこんなイメージ。

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チェック柄は光沢を抑えて爽やかな印象です。

トラベラーは目付220gとライトウエイトですので、仕立ても軽くすれば暑い時期でも着られると思います。

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普通のストライプが派手だなと感じる方は、このようなシャドウストライプがおすすめ。

遠目には無地っぽくも見えますし、光の当たり具合で様々な表情をみせてくれます。

同色のストライプなら、あまり目立ちません。

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これも素敵なネイビーですね。

経糸、緯糸で完全に分けているのではなく、交互に織られています。

ダークネイビーとブルーの組み合わせで、光の下では明るい色味になり、

室内ではビジネスシーンに溶け込む落ち着いた色味に変化します。

裏側はこのようなブルー。

このような雰囲気に。

その日の気候や、居る場所によって印象が変わって面白いですね。

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ブラウンもいいですね。

無地もバランスよくそろっています。

主張の強い柄はプライベート用として。

最近はビジネス用だけでなく、プライベート用のスーツやジャケットをオーダーいただく機会が増えております。

このようにイメージに。

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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2021年1月30日
オーダースーツ | オーダースーツの生地

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