“ビジネス”ではなく”プライベート”ジャケット
2着目となるジャケットのご納品をさせていただいたS様。
深みのあるグリーンの生地は何とも絶妙な色味であり、独特の色気を感じる素材です。
こうした柄の生地を選ぶと「想像通りに出来上がるかな?」と不安に思うものです。
S様もいくつかのグリーンチャック柄の生地を並べ、どれが自分の思い描くスタイルに合致するかを真剣に悩まれていました。
裏地、ボタン、デザインとお話をさせていただき、お待ちいただくこと1か月半、、、
選んでいただいた素敵な生地は、春先に本領を発揮する、爽やかで上品なジャケットへと生まれ変わりました。
落ち着いている、という表現は適切ではないのかもしれませんが、
グリーン×チェックという大胆な生地であるものの、どこか落ち着きのある仕上がりです。
S様ご夫婦も「おもたより派手じゃなくて良かったね!!」と、仕上がりを見て安心されたようでした。
1着目をオーダーいただいた当時よりも大幅にサイズアップされていましたので、
今回は改めて1からのフィッティングとなりましたが、着用感も問題なさそうです。
筋トレをされると、体のバランスから何から変わっていきますが、つくづく鍛えている方にはオーダーがしっくりくるなと感じます。
筋肉の付いたバスト、絞られたウエストに無理なく合わせられるジャケットは既製品では存在しません。
長いシーズンお召しいただけるよう、軽やかな仕立てにて製作させていただきました。
この時期はもちろんのこと、春・夏と暖かい季節においても、さらりと上品にご着用いただけると嬉しく思います。
この記事の目次
ジャケットはビジネスだけじゃない
当サロンでオーダーいただくスーツやジャケットは、その多くがビジネスで着用することを目的としています。
スーツは基本的にはビジネスで着用する人が多いですから、当然と言えば当然です。
ですが時折、S様のようにビジネスではなくプライベートで着用することを目的としたジャケットをオーダーいただくことがあります。
1着、2着とビジネス用のスーツが揃ってくると、
「次はプライベートで着用するジャケットを考えておりまして、、、」とご相談いただくことが多く、
プライベートで着用となりますと、ビジネスとはまったく別の角度からのご提案となりますので、
新しい気持ちでワクワクしながら打ち合わせが進んでいきます。
よく考えてみると、平日は重厚なスーツに身を固めて仕事をされる方が(最近はそうでない場合も多いですが)、
休日となるとデニムやTシャツ、パーカーなどに着替えてリラックスして過ごしていますよね?
この差って、大きすぎると思いませんか?
もちろん私自身もデニム、Tシャツ、パーカーなどはよく着用するのですが、プライベートでジャケットを着用することも当然あります。
一番身近な例えで言えば、レストランでの食事など、日常のちょっといつもと違う時。
ファミレスなら何も気にせず普段着で行きますが、予約をしてレストランに行くとなると話は別です。
Tシャツ、パーカーでは恥ずかしいですし、ビジネス用のスーツやジャケットではしっくりきません。
こうした時に間を埋めてくれるのがプライベートジャケットではないかと思います。
上下全部ユニクロだけどバッグはルイ・ヴィトン、のような人もたくさんいる日本では、
プライベートで着るジャケットというのは、ある意味一番苦手としている装いの分野ではないかと思います。
ドレスコードがあるお店は限られますし、ファストファッションのワンマイル・ウェアでワンマイル以上出かけてもさほど違和感がありません。
いわゆるキレイめファッションがお好きな方は普段からジャケットを着ると思いますが、全体で見れば圧倒的に少数派。
そしてそのジャケットを、ファストファッションや有名ブランドではなくオーダーで仕立てるという人は本当に貴重だと思います。
決して安くはないですから、プライベートジャケットに投資するということは、それだけ装いに付いて考えを持っているということなんです。
ジャケットの形は大体どこも同じ
ジャケットって、襟が付いていて、前はボタンが2つか3つ、袖にも1~4つボタンが並んでいて、背中に1本か2本切れ目があるものです。
昔からこの基本的なデザインは何も変わりません。
そして今では2000円程の低価格でも、ジャケットの形をした洋服は容易に手に入れることが出来ます。
一方で20万はくだらないインポートブランドンのジャケットも存在します。
オーダーで仕立てる場合も、お店によって金額やスタイルは様々です。
どうやって選ぶのか?というと、「投資する価値のあるもの」だと自分自身で納得できるものを選ぶのがいいでしょう。
手軽なジャケットに価値を感じるのか、
カッコイイ高級ブランドに価値を感じるのか、
自分に合った一点ものに価値を感じるのか、
皆さんはいかがでしょうか?
ボットーネでは、「百貨店で同じジャケットを買うのなら、ストーリーを楽しみながら、専門家と一緒に服を作ろう。」
そう思っていただけるようなサロンを目指しています。
オーダーとは一口に言っても、1万円代から手軽にジャケットを仕立てられるお店もあれば、
フルハンドともなれば1年がかりで30万はくだらないお店もありますから、選ぶ側にとっては難しいですよね。
プライベートジャケットを仕立てるとしても、格安店でなければそれは高価な買い物になるかと思います。
ですが、そうして思いを込めた特別な洋服をきっかけに、休日の過ごし方であったり、足を運ぶ場所であったりが変化していき、
楽しさや豊かさを感じることができるのであれば、素敵なことではないでしょうか。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
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